見出し画像

初めてのお香を聞きながら暗闇を想う


初めてのお香


先日、念願だった『お香』を購入すべく京都の老舗のお香専門店のなかの松栄堂さんと山田松香木堂さんにお伺いしました。(ドラマ「光る君へ」が始まったことで、改めて源氏物語を読み始め、お香を使ってみたくてたまらなかったのです)

松栄堂さんでは『花散里』という源氏物語54帖の世界を体現した香りを。

山田松香木堂さんでは『清涼』というこれまた雅なお名前の香りを。

どちらも『白檀(サンダルウッド)』が香るものを選ばせていただきました。

早速両方とも焚いてみたのですが、本当にまろやかで、優しく上品なお香りで、何か深い安堵感を感じさせていただきました。

お香ど素人ですが、ど素人なりに感じた感想を書かせていただきます。

花散里(松栄堂)


『花散里』は花橘の香りも含まれているということで、なるほど柑橘系のお花特有のお花の蜜を連想するような甘やかさがあり、温かな『幸福感』を感じました。
源氏物語の中でも、花散里のシーンは、悲壮感や激情感が少なく、なんだかほんわか穏やかです。
そんな花散里の温かさや包容力を思わず連想する薫りでした。とても素敵な薫りだったので、他の帖がテーマのお香も聞いてみたいと思いました。

清涼(山田松香木堂)


『清涼』は名前の如く、どこか爽やかさのある透明感のある薫りだなと感じました。
でもサンダルウッドのまろやかな甘さもしっかりあり、素敵な『和の薫り』で、本当に「落ち着く」「心地良い」と感じると同時に、『清涼殿』がかつて御所で帝が住まう建物だったというイメージもあるせいか、穏やかな気持ちになりつつも、なんだかスッと背筋を伸ばして美しい所作をしなくちゃと思わせてくれるような一面もある薫りでした。他に御所内の建物の名前のついた、藤壺、萩壺というのも、聞いてみたいです。

初めてのお香で感じたこと

お店では他にも色々試香させていただき、『お香』の香りって、やっぱり日本人にとっては「なんか嗅いだことある」と馴れ親しみを感じやすく、安心感があるのかなと改めて思いました。
アロマも大好きだけれど、お香もこれからはもっと馴染んでみたいです。

そしてアロマもですが、お香の原料は、本当に希少価値の高い自然からの人智を超えた贈り物ということをいつも心に留めて、謙虚な気持ちで薫りを楽しませていただきたいなと思っています。


ふと過去を振り返って


今こうしてお香を楽しめていますが、本当に苦しみの底にいる時や感情が嵐のように荒れている時は薫りはもちろん、音楽や美しいものに癒されようという気力や余裕さえ湧かなくて、ただただ自分の苦しみや、どうしようもなく暴れでてくる感情を受け止めるだけで精一杯でした。

嵐が止むまでは、静かな洞窟の中でただひっそりうずくまって待つ。

これからも、そんなときもあっていいのだと。

自分を愛さなきゃ、自分を心地よくさせなきゃと思うばかりに、私は『自分に心地良いことさえできない自分』を責めるという本末転倒なことをさしていたこともありました。

でもただ横になるだけ、の時もあってよくて。

そんな時はそのまま『ただ横になること』『ただ眠ること』『苦しい胸をさすりながら感情を受け止めてあげること』『ただ溢れる感情を揺らすこと』『ただ涙を流すこと』etcを与えてあげればいいんだなと。

今はお香を楽しめることに感謝して、思う存分その優美な薫りと雅な想いを楽しませてもらおうと思います。

そしてどんな時も、どんな私も責めずにただ静かに一緒にいてくれて支えてくれるフラワーエッセンスたちの、その植物たちの、無条件の愛にに改めて感謝です。


上賀茂神社。青空と朱色のコントラストが美しい















サポートいただけるととても嬉しいです。 いただいた愛はしっかり循環させていただきます🌸🌻