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松島聡君復帰までの記録②

前回のnoteはこちら。つづきです

①喜びと焦燥感

4人になったSexy Zoneは、けれど決して、立ち止まりはしませんでした。

むしろ、個人としてどんどん魅力的になっていくSexy Zoneには、新規のファンが増えていきました。

勝利くんが主演映画・ドラマ『ブラック校則』。数々のバラエティーへの出演し、金槌だった彼が泳げるようになって、ダイビングに挑戦した、2年。

ケンティーがディズニーデラックスで司会に挑戦し、ハリウッドの風をさがしてで流暢な英語をしゃべり、歌番組の司会や、ドラマ未満警察を走り抜いた、2年。

風磨くんの舞台ハムレットで迫真の演技を見せ、どっきりグランプリなどのバラエティー出演、そしてニノさんのレギュラーを掴んだ2年。

マリウスがお兄ちゃんメンバーたちをいじれるようになって、バラエティーで活躍し、そして勉学の面でメキメキと成長していった2年。なにより、その歌とダンスの上達はめざましく、われわれは崖を直立で滑り落ちるマリウスの姿に、恐ろしいほど養われた体幹を感じました。

4人のSexy Zoneとしても、アルバムを出しツアー『PAGES』を完走。その後は、スカパーオンデマンドの冠番組『Sexy Zoneの進化論』を手にしました。(まだみれるから地球人みんな見てくれ。単話で買えるよ)

そして決まったポニーキャニオンからTop J Recordsへの移籍。長年お世話になったポニキャおいたんとの別れは寂しいけれど、グローバルアイドルにむけて、彼らはまた一歩を踏み出していました。

でも、もちろん嬉しいことばかりではありませんでした。

聡くんがおやすみしている間に、5人のことを家族にしてくれた、ジャニーさんがなくなりました。

私は東京ドームのお別れ会の列にならびながら、ずっといろいろなことを考えました。
聡くんは、今何をしているのかな
お別れは、できたのかな。
どうしてこんなに、メンバーにとって悲しいことが続くんだろう、そんな風に思いました。

ーーこのときに離れてしまったファンのことを、悪くいうセクラバはいないと思います。

そして、この二年でファンになってくれたセクラバたちを、歓迎しなかったセクラバも、いなかったと思います。


そしてこれから戻るセクラバも、増えていくセクラバも。みんな等しく、Sexy Zoneのことを想っています。

でもあのとき、ファンが増えるごとに『置いていかれる』気がして寂しくて、一方でSexy Zoneが、アイドルとして『前に進めていること』が嬉しくて。

その二律背反な気持ちは、常にファンの心にうごめいていました。

この日々に果たして終わりがくるのかと疑っていた。ひょっとして、もうずっとこのままかもしれないなと、少しだけ思った。

4人だけの歌が増えて、4人だけのカレンダーがでて、4人で冠番組をやって。

いろんなところから、少しずつ聡くんの痕跡が消えていく。



ーー5年、10年?あとどれくらい4人なんだろう。

誰も口に出さないけれど、ひょっとしたらもうこないかもしれない『5人の未来』を、足元も見えず、綱渡りするような気持ちで応援していたセクラバたち。

離れていくファンの背中をみるごとに、寂しくて寂しくてたまらなかった。

でも考えてみたら、Sexy Zone以上に辛い人たちなんているはずもなかった。



ファンに、本当のことを、伝えることができなかったメンバーの気持ち。

聡くんはがんばってるのに、自分達は松島聡を含んで5人なのに、それを言葉にできない気持ちはどんなものだったか。


心ないゴシップに揺れるファンを、引き留めたくなる気持ち、言い返したくなる気持ちもあったかもしれない。

彼らがどんな気持ちでいたのか、想像するだけで泣きたくなる。

だって、Sexy Zoneは名前は出さなくても、ずっと私たちにメッセージをくれていました。

『僕たちSexy Zoneって、五人いるんですけど』

必ずテレビやラジオで、人数を5人でカウントしてくれたこと。

ずっとペンライトにいたセクベア。

進むごとに焦り、焦るごとに泣いて、でもその度にSexy Zoneに救われながら、Sexy Zoneとファンの、2年間がたとうとしていました。

②しかしその日は突然に

雑誌やラジオで少しずつ、なぜだか聡ちゃんの名前をメンバーが口にするようになったのは、復帰の少し前からのことでした。

『聡くんのこと話してる!』とみんなで盛り上がって、しかし期待することに疲れた多くの人は『まぁもう少し復帰は先だろうな…』と思ってた。

しかしその日、突然そのFC動画は配信されました。


折しもコロナ下で、ライブの中止が次々と決まり、Sexy Zoneも配信にむかっていくことが決まったタイミングです。

ライブが中止になるごとに、Sexy Zoneは報告動画をFCにあげてくれていたから、その日もきっとそういうことだと思っていました。

『コロナで謝るメンバーをもうみたくないなぁ、そもそも悪くないしな』

しかし覗いたFC動画には、予想に反して嬉しそうな4人の姿がありました。(なにより出だしの『Sexy Zoneでーす』のマリウスの声が高すぎる。みんな聞き直してほしい)

『嬉しいお知らせがあります』という風磨くんの言葉。


そわそわと体をくねらせるしょりマリ。



そして、『迎えにいってあげてください』と風磨くんにいわれて、迷うことなく歩きだした勝利くんが連れてきたのは、

照れたように笑う、聡くんでした。

『元気かな』

『症状は悪くなってないかな』

『大丈夫かな』

そんな心配を一瞬で忘れ去るような笑顔と、ピカピカ光る美しさ。
松島聡くんは本当に唐突に現れて、動画で復帰の発表をしました。



美少女か?

と思いました。正直、可愛すぎて。
スマホを握る手がふるえて、何度も何度も繰り返して見た動画。

聡くんが、Sexy Zoneに帰ってきた瞬間でした。

このとき、なによりうれしかったのは、聡くんが一切そらさずに、メンバーの目を見て話をしてくれたこと。

ゆっくり、できることから。
Sexy Zoneとしての活動を再開させていきます。

目の前に突然扉が現れて、ぎゅうぎゅうに押し潰されそうな満員電車から、突然そとに飛び出したような。

そんなきもち。

待ちに待った瞬間は、茶目っ気たっぷりなSexy Zoneによって、本当にサプライズで訪れたのでした。

③聡くんの努力

復帰のニュースを通して私たちには、
『二年間ずっと、松島聡くんがSexy Zoneに戻るためにがんばっていたこと』
『復帰への気持ちは一度も途絶えなかったこと』が、はじめて伝えられました。

聡くんは一度だって、Sexy Zoneを離れようとはしていなかった。

嬉しかったのは、セクラバだけではありません。



復帰のFC動画。

照れて聡ちゃんと目を合わせないマリウス。

とにかく嬉しくてたまらない様子の勝利くん。

そして、まるで『俺たちが育ててきました』とでもいいたげな優しい視線を送る、熟年夫婦のようなふまけん。

みんなの目から、喜びが溢れていました。

ーーたとえば復帰のニュースを、ネットのニュースやテレビでみていたら、私たちセクラバは、きっと戸惑っていたと思います。


『ほんとうに大丈夫なの?』
『またすぐ体調くずしてしまわない?』
『無理してない?』

そんな気持ちにさせないためには、まず元気な顔を見せることが一番はやい。

だからきっと、Sexy Zoneはぎりぎりまで秘密にして、FC動画という場所を選んでくれたんだと思います。その心遣いが、Sexy Zoneのいいところ。

④種明かし

聡くんの復帰が案内されたあと、勝利くんはブログで、『ラジオで聡くんの復帰の話をします』と予告を打ちました。

そして冠ラジオ『VICTORY ROADS』のなかで、勝利くんはすべての答え合わせをしてくれたのです。

聡くんのために、あえて聡くんの名前をださないようにしてくれたこと。
ファンにたいしての思い。
聡くんへの思い。

一部の心ないメディアから『冷たい』といわれたSexy Zoneの態度が、なにより聡くんを守るためのものであり、その約束を守り抜いたことこそが、Sexy Zoneの愛そのものであることが、当人の口から語られたのです。

声を振るわせながら、絶対に泣いているのに認めないいつもの勝利くんが、涙を我慢する声で、私たちにすべてを誠実に話してくれた。

そのことも、私たちはほんとに嬉しかった。

たとえばこれからSexy Zoneをすきになったとして、過去の雑誌をよんでも、聡くんの病気のことは書かれていません。
何気なくテレビをみているひとは、復帰をしてはじめて『あれ?この子もSexy Zoneなんだ』と気づいたひともいるでしょう。


聡くんが、病気の可哀想な子、という目にさらされることがないように。


Sexy Zoneも、Sexy Zoneのスタッフも、『可哀想』をビジネスにしようとはしませんでした。

たとえば、4人体制最後の曲となった『RUN』は、レーベル移籍後初のシングルでした。

結果を残さなくてはならない状況で、Sexy Zoneは大切な一週目に、しかし決まっていたであろう聡くん復帰のニュースをぶつけませんでした。


ニュースにしてグループは話題になるかもしれない。でも、RUNは参加したメンバーで走りきり、結果を残す。

そんな気持ちを、強く感じます。

考えてみれば、ずっとSexy Zoneは『ファンのこと』を考えていてくれていました。

SNSをできない彼らが作ってくれた、テレビ番組に向けてブログで発信されるタグ。
いつもケンティーが中心となって、考えてくれました。

私はこれが、ほんとに大好きです。

2年間、まるで地面を、じっと一人でみているような、苦しい気持ちになったとき。
タグは私たちを繋いでくれました。

タグをのぞけば、いつも同じ気持ちのファンがいる。コロナの中で現場で顔を会わせることのなかった私たちにとって、それはひとつの希望でした。

⑤難しかったらいつでも教えてあげますよ

後日、FC動画に一本の動画があがりました。
コロナで中止となったツアーが配信へと切り替わる、報告動画です。

そのなかで、Sexy Zoneは聡ちゃんに『RUN』の振り付けを教える企画を行いました。

真面目に話す4人の後ろを無邪気に走り回る、聡ちゃん。


そして、復帰の動画ではあんなに照れて目をみなかったのに、聡ちゃんに率先してダンスを教えるマリちゃん。

そんなマリウスの一生懸命な姿を見守る、メンバーの顔。


大人になって、一人でも平気、みたいな顔をしていたマリウスが。

4人でも確かに楽しそうだったメンバーが。

こんなにも温かな目でだれかのために笑っているのをみたのは、すごくすごく久しぶりな気がしました。


やっぱり聡くんは、欠けちゃいけない存在なんだ。

『難しかったらいつでも教えてあげますよ』

ダンスに苦戦する聡ちゃんに、マリウスがぽそっと、そう言った瞬間。

ほんとに5人になったんだな、とわたしは思い知りました。

そしてこの2年間で、Sexy Zoneが得たもののが、確かにあったということも。

⑥聡ちゃんのすごいところ

4人でいても、Sexy Zoneはすごい。
優しくて、強くて、ファン思いで、すくなくとも私には、4人も相当、無敵にみえました。

でも、『聡ちゃん越しにみるSexy Zone』は、やっぱり全然違う。

優しい顔、かわいい顔、嬉しい顔。

ダンスを教える優しい風磨くんのお兄ちゃんの顔も

まるで親友と遊ぶ普通の男の子みたいな勝利くんの顔も

『俺がひっぱらなきゃな』って顔でみんなをみる健人くんの顔も

『大好き』があふれでて、少しだけ可愛い子ぶるマリウスの顔も。

全部、聡ちゃんがそこにいるとみえてくる。


まるで、不思議なガラスを通したみたいに、突如そこに、見えていなかったメンバーの一面が現れる。

きっと、それは、聡ちゃんだけじゃない。

マリウスが見せてくれる、健人くんがみせてくれる、風磨くんがみせてくれる、勝利くんがみせてくれる、そんなメンバーの一面がある。

そして五人が揃ったときに、Sexy Zoneのいいところが全部、全部見えるんだ。

そのことに、わたしはついに気がつきました。

→つづく(次で最後!)

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