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Endless SHOCK -eternal-を見に行った話

Endless SHOCKというチケットの取れない舞台がある、しかも帝国劇場でやっているらしい

ということは、かつてどこかから聞き伝うことがあった。

とにかく人気で入手できないプラチナチケットであるからにして、相当の覚悟と運が無いと観劇することができないらしい、と。

そんなことある〜?

ええ〜?

それはそれは高貴な人間のための、どこぞの国の王子が主演でもする劇しかありえなくない〜?

と調べてみれば、主演はジャニーズ事務所の堂本光一だという。


やはり王子だったか……


ということで、Sexy Zoneの佐藤勝利くんがライバル役で出演するということで帝国劇場に『Endless SHOCK』の続編である『Endless SHOCK-Eternal-』をみにいってきた。

ちなみに、今回帝国劇場で行われたEndless SHOCK-Eternal-はEndless SHOCKの3年後を描いた物語である。
つまり勝利くんは、SHOCK本編を飛び越えてEndless SHOCK-Eternal-からの出演が決まったというかたちである。

EndlessSHOCKじゃなかったワケ


なんでいきなりEternal?!?と思ったのだが、どうやら通常のSHOCKは演出の都合上、感染リスクが大きすぎるということで、舞台はEternalを行うことになったらしい。
しかし続編からだとちんぷんかんになってしまうため、『Endless SHOCKを事前配信』というやさしい対応を今回はしてくれた。

ちなみにEndless SHOCKを配信してもらえたことで、わたしのような初見ファンは正直めちゃくちゃ救われたわけなのだが、勝利くんはEndless SHOCKとEndless SHOCK-Eternal-両方を並行稽古していたらしいので、ほんとに大変すぎない…?というかんじである。

あらすじ

感想を記録するに当たり、あらすじを書き残しておくので、もし未鑑賞で読もうとしてる方がいらっしゃったら即閉じていただければとおもう。責任はとらない。


ちなみに、まずノーマルSHOCKのあらすじから。

オフ・ブロードウェイ(小劇場)でミュージカル公演をしているそのカンパニーは、主演のコウイチを中心に、いつかブロードウェイの大劇場で公演することを夢見ていた。

劇中劇でヒロインを演じる美しい女性リカは、そんなコウイチに恋をしている。
そして、そんなリカに想いを寄せるショウリ(ライバル)は、コウイチに対してはライバル意識と尊敬の想いを抱いているという複雑な関係だ。

あるとき、コウイチが『次回作はシェイクスピアにしようとおもう』と口にしたことで、ショウリと一部の団員たちがコウイチに反発心をいだき始める。

シェイクスピアのようなストレート演劇と、彼らが築いて人気を獲得してきたミュージカルには大きな差があり、観客を落胆させてしまうかもしれない。それに、出演者の数も限られてしまうため、全ての団員に出演機会がない可能性もあるからだ。

そんな中、コウイチたちのカンパニーについにブロードウェイから声がかかる。憧れの舞台でついに迎えた公演。しかし、ショウリは事故で舞台そでに衣装が引っかかり、舞台に飛び出すことができなかった。

ショー・マスト・ゴー・オン。

ショウリの穴を機転を利かせ埋めたのはコウイチ。
しかし、それは結局、ショウリが踊るべきパートをコウイチが横取りする形になってしまった。

show must go onの精神で舞台を止めなかったコウイチと、それがわかりながらも出番を奪われた怒りを止めるとことができないショウリ。

ショウリはコウイチを困らせてやろうと、舞台の刀をわざとおとしてみせる。かわりとなる刀がコウイチのもとにもってこられるが、その刀はショウリが真剣と入れ替えたものだった。

ショウリはコウイチが劇を中断するとおもっていたのである。

ーーしかしコウイチは真剣をショウリに渡し、舞台を止めない。


そしてその鬼気迫る様子に、ショウリはついに舞台にのまれ、コウイチを真剣で刺してしまう。

危篤となったコウイチ。ショウリは憧れのコウイチを自分の仕組んだ真剣で刺してしまった罪悪感から、闇に真っ逆さまに落ちていき、コウイチが描きたかったシェイクスピアに擬えた悪夢と、コウイチを失おうとしている現実の間で苦しむこととなる。

コウイチの思い出と喪失感から逃れられないカンパニー。

しかし、ある日コウイチが突然ミュージカルに戻ってきて、彼らはコウイチとの舞台にもう一度立つことができる。

しかしそのときコウイチは既に亡くなっていた。
コウイチはカンパニーが前を向けるよう、再び戻って舞台に立ったのだった。


Endless SHOCK-Eternal-あらすじ

コウイチがショウリに刺され、昏睡の後に亡くなったさらに3年後。
カンパニーは未だコウイチを失った悲しみから立ち直れない。あのとき何があって、どうしてコウイチは死んだのか。
各キャラクターが振り返りながら、思いを吐露し、コウイチの面影を追いかけ、彼の死を受け入れる物語。

配信をみた感想


SHOCKの配信の際『なんなんだこれは』という感想に私は支配されていた。

『うーん!なるほど全然わからん』


というやつである。
既視感がある。多分宝塚歌劇団である。

話が終わったかと思いきやどんどん衣装を変えて出てきては踊り歌い、よくわからないがめちゃくちゃ盛り上がるあれにかなり近いものがあった。
調べてみたら『言葉がわからない人にも楽しめる』というコンセプトがあるらしく大納得である。

ショウリが自分の罪に苛まれるあたりから、次から次へとシェイクスピアやらマイケル・ジャクソンやらのオマージュのような踊りや歌がつづき、見ているこちらも、いまは劇中劇なのか、劇なのか……とにかくメタ展開のオンパレードなのである。

状況を説明しろといわれても『はてさて…』というかんじになってくる。

しかし、とにかくその凄さは伝わってくるから不思議なのだ。
配信は表情もよく見えるためショウリの葛藤やカンパニー皆の涙がが余計に感じられてめちゃくちゃ辛く、コウイチさすがにショー・マスト・ゴー・オンしすぎだろ!やめて!という気になった。

コウイチが歌もダンスも激ウマなこともあり、圧倒的カンパニーの光であったのも納得で、その後よくカンパニーは存続したよ、偉いよ…という感じ。

あと、階段落ちのシーンの前にめちゃくちゃ血しぶき飛んで『あ〜これは頸動脈切ったな。死んだわ』と思ったのにそこからコウイチは一年も昏睡したので、コウイチ、あまりにも無敵生命力すぎて怖くて泣いちゃった…

舞台を観た感想

そして迎えた帝国劇場での公演。

想像の1000倍よかったです。
ternalSHOCKをなぞる展開で、新しい何かというよりも丁寧に過去を紐解くみたいな内容だったのだけど、やっぱり脚本と演出が、配信ではなく舞台のためのものなんだなと思いました。

よくわからないのに、すごい。

おどったかとおもえば舞ってるし、太古叩いてるし、合戦して殺陣して階段からおちてるのにとにかく


『くらえ!エンターテイメント砲!』



というかんじで圧巻なのである。

やっぱり目の前で生きた人間がNGなしの一発勝負でその瞬間を生きているというのはすごい。
たとえばコンサートも、セリフがなくても勝手にこちらはそこにコンセプトを感じ、意図を読んで物語を見出すわけである。

われわれは、言葉にされない気持ちや盛り上がりを、その目の回るような一連の盛り上がりの中からそれぞれがつまみとって各々感じ取るのである。

特に私は佐藤勝利くんのファンとして見に行ったので、彼の語り続けてきたSHOCKへの愛の体現をこの目で見れたことが感激だった。

SHOCKに憧れて、そしてついにSHOCKの舞台に立ち、帝国劇場に舞い戻った彼。
その姿にひっそりと涙を流した授業参観のようなファンであった。

ただのミュージカルではない。

『ah言葉などいらない世界、なんかそれはそれでイイ感じ!』

なのである。説明しきれないものこそがエンターテイメントであり、圧倒されることこそがこのミュージカルの醍醐味なのである。

シャワーのようにジャニーズイズムを浴びられた、本当にいい経験となった。

2022年のEndlessSHOCK-Eternal-が、最後まで問題なく、無事に走り切れますように。

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