見出し画像

4日目 〜別れと魚と国際通り~

 アラームに設定していた「ナンバーワン野郎!」に叩き起こされ、目が覚める。


 半目で腕時計をつけ、時間を確認する。現在時刻は朝の5:55。



 うん、眠い。




 ねむいねむい、眠すぎる。なんせ昨日(今日)布団に入ったのは、片付けなどに手こずり、2時半ごろ。本来であればもう一度布団に還りたいところなのだが、残念ながらそういう訳にはいかない。
 今日は朝から、再び投網をしに連れて行ってもらうのだ。友人と互いを起こし合い、やっとのことで布団から這い出た。


 外に出る。まだまだ暗くて、海と空の境界線すらよく見えない。
 そして寒い!流石の沖縄といえども、やっぱり朝は冷え込む。この日はガッツリ曇っていて、冷たい風が吹いていた。午後には雨も降るらしい。大雨にならないことを祈った。

 港に向かって歩いていると、段々空が明るくなってきた。

画像1

 空は分厚い雲に覆われているが、水平線の近くには切れ間があって、そこから日が差している。いつの間にか6時半になったようで、近くの建物からラジオ体操が聞こえてきた。懐かしい音楽に、小学生の夏休みの記憶がよみがえる。近所の体操のおばちゃんたちは、元気にしているだろうか。

 さて、それはさておき投網リベンジのお時間である。昨日のチャレンジでは、網は広がったものの肝心の魚が獲れなかった。魚を獲るには、網をうまく広げるだけでなく、より岸から遠くへと飛ばすことも求められる。

 おとうさんに網を持たせてもらい、水際に近づく。大きく深呼吸をして、昨日の感覚を思い出し、そして・・振りかぶって、投げた!!

 やった!広がった!!

 海底に着地した網を、慎重に手繰り寄せる。網が近づくと、なんと網の中にキラッと光るものが。もしや!!!

画像2

 やった!!!!!小魚が沢山獲れた!おとうさんに聞いてみると、シロダイの稚魚らしい!唐揚げにすると美味そうだ!!!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 投網から帰ると、朝ごはんだ。彩度の高いドラゴンフルーツが美味そうだ。午後にはフェリーに乗るので、伊平屋島で過ごすのはこの午前だけ。さあ、一体何をやらせてもらえるのだろう‥と思っていたら、島内放送が鳴り出した。

 放送によると、軽石の影響で午後のフェリーが欠便となり、午前9時の便一つだけになるらしい。つまり、我々はその9時の便に乗って本島へ帰らなければならないということ。

 お別れの時間が早まってしまったということだ。

 旅行前から「軽石の影響でフェリーの予定が変わるかも」とは聞かされていたが、まさかこんなに呆気なく時間が早まるとは。哀しいというより、ひたすら残念だ。

 急な予定変更に、のんびり朝ご飯を食べてる暇もない!伊平屋島での最後のご飯。じっくり味わいたいところだったが、大急ぎで食べ、まとめた荷物と一緒に車に乗り込んだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 離村式もあっという間に終わってしまい、いよいよフェリーに乗った。Nさん達が見つけやすい様、甲板の中でも目立つ場所へと班のみんなで走る。
 手を振ると、Nさん達も気づいて手を振ってくれた。

画像3

 フェリーが発進した。段々、岸が遠くなっていく。Nさん達もどんどん小さくなっていって、声もよく聞こえなくなってきた。


 本当に、よくして頂いた3日間だった。もっと長く一緒にいたかったし、色々な事をしたかった。あまりに突然の別れになり、感謝すら満足に伝えられていない。
 もはや顔すらよく見えないほど遠くになってしまったNさん達だったが、手だけはずっと振ってくれていた。本当にいい人たちだった。
 友人と一緒にまた来よう。改めてそう思った。

画像4

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 別れの寂しさを誤魔化すように賑やかだったフェリーも、2時間ほどして本島へ着いた。
 正直まだ寂しいが、いつまでもしょげてても仕方ない。気持ちを切り替えよう。

 この後の予定だが、早く本島に着いてしまった分、美ら海水族館に行くらしい!

 美ら海は私の憧れで、いつか必ず訪れたいと思っていた水族館!!

 沖縄に来られる事なんて滅多にない!またとないこの機会。楽しもう!!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 美ら海といえばやはり、ジンベエザメやエイが有名だ。だが他にも、滅多に見られないような大好きな魚や生物が沢山いた!!!
 一番テンションが上がったのは、やっぱりコイツだろう。そう、伊平屋島でも出会ったアイツ。

画像5

 コブシメだ。

 本当に、なんてチャーミングなフォルムをしてるんだ!!「それどうなってんねん」というような、細い目も可愛らしい。
 更にコブシメの特性である、周囲の環境によって色を変えている様子も見られた(右上と左下)!!

画像6

 なんだよチクショウ。サービス精神旺盛か!!「お客様のご意見箱」があったなら、「スタッフさん(コブシメ)の接客態度が好感的でした」って書いて入れてるところだ。

画像7

画像9

画像10

 他にも様々なサメやエイの胎仔(お腹の赤ちゃん)(一枚目)やセミエビ(二枚目)、ウチワフグ(三枚目。初めて図鑑以外でお見受けした!)など、筆者の大好きな魚達が沢山。最高の水族館だった!!!
 本音を言えばもっとじっくり周りたいところだったが、時間がなかったししょうがない。ここもいずれまた来ようと思う。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 美ら海水族館の後は、バスで移動し国際通りへ向かった。

画像11


 国際通りはなんというか、『より観光客向けになり、やや怪しさが減ったアメ横』といった感じだった。売られているものがお土産っぽくなり、妙な客引きが少ないのでアメ横よりは治安がいい。
 とはいえ、まあ怪しい。この標識を見てくれ。

画像10

 平和とは?
 他にも同じ商品が店によって半分くらいの値段で売られていたり、「やっぱりステーキ」という何とも言えない名前の飯屋があったり。

画像12

 何故かジョーがゴーヤのベンチに座ってたりもした。

画像13

 そういえばかりゆし(アロハシャツ?)を買った。シワだらけ且つ濡れているのはスルーしてほしい。

画像14

 ブタがかわいい。ポケットのところの柄が揃っていたり、生地もさらさらしていたり、かなりいいかりゆしだった。色合いも好みで、きっと私のお気に入りのアロハシャツになるだろう(筆者は私服にアロハシャツを十数着持っている)。

 ほかにも「塩アイス」を食べたり、面白い店を覗いたり、国際通りでも滅茶苦茶楽しめた!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 国際通りから、二日ぶりのあのホテルに帰ってきた。再び、スーツケースを4階まで階段で運ぶ。お、重い。鍛えていてよかった。

 鍛えていなかったら、挫けて階段の途中でいじけていたかもしれない。ありがとう、鍛えていた私。

 そうしてしばらくすると夕食があって、そのあと「ナイトレク」があった。事前に募集された出し物を見るイベントで、ダンス部のパフォーマンスや野球部の出し物が印象に残っている。

 私も友人Aと共にプリキュアのダンスをしたりしたのだが、その話はまた別の機会にしよう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 二日ぶりのユニットバスに浸かり(ようやく使い方を覚えた)、久々の水圧の高いシャワーに安心感を覚える。あったかい・・。
 明日はとうとう、東京へ帰ることになる。そういえば、まだお土産を全部は変えてないな、と思い出した。どこかいいタイミングで買わなければ。

 そんなことを布団で考えていたら、いつのまにか寝ていたらしい。気が付くと日付が変わっていた。そして、修学旅行最終日が始まるのである。


おまけ

画像15

美ら海水族館の入り口にいた、やけに目がキラキラしているカッパ(?)

画像16

どこみてんの?

 




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?