[相談38]自己肯定感が低すぎハイスペ女子。ハイスペモラハラ夫と離婚すべきか現状維持か判断できない。

毎日30度超えで、筆圧の谷で溶けそうです。夏といえばハイスペ。夏といえばコンサル男。そんな夏にぴったりの、ハイスペ★モラハラ男×自信がない★ハイスペ女な夫婦からのご相談ですっ!

本相談のテーマ

・自信がない
・妖怪男のカモ女子
・モラハラ
・ハイスペコンサル男
・とりあえず結婚したい
・現状維持
・キラキラ粉飾
・つらいけど現状維持
・変化が怖い

本お焚き上げの筆圧:☆☆☆☆(高め)

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相談者と相手の年齢と職業/職種
シュークリームさん:33歳、コンサルタント。32歳の時に結婚して1年目の新婚。
夫:35歳、コンサルタント。

・26歳の時に同業種の交流パーティーで知り合い、5年付き合って結婚。
・26歳当時はがっつりタラレバ病にしっかり罹患。当時に出会う同僚は、明らかな見下し・モラハラ男、明らかな遊び人、既婚者ばかり。「もうまともな男は残っていない」「いても私にはゲットできない」とかなり焦っていた。
・今の相手とデートして付き合わないまま関係を持ち、曖昧な関係を半年ほど続けてから、自分から「付き合って」と言って付き合うことに。
決め手は、他の男と比べて比較的まともだと思ったこと、私のことを賢いと言ったこと、年収が自分より高いこと、高学歴(旧帝大の院卒)
・「賢いと言った」エピソード。ある学説(そこそこ有名)の話になったので著者を言ったところ「よく分かったね。女の子でこれ言って分かった人、初めてだよ」と言われた。いま思えば明らかに女性を下に見ているから出てくる言葉だが、当時は浅はかにも「褒められた♪」と思っていた。
・自分は私大卒なので、自分より学歴が上の人がいいなあと思っていた。
・今は、仕事の進め方でけなされるときに、劣等感を刺激されまくってつらい。

・ゴリ押して同棲を開始。当時は「尽くす自分」に酔っていたので、何でもやっていた。
・父親が「女でも勉強して働かないと!」という方針な一方、母は専業主婦で「父の方が偉い」という家庭で育ち、「自分はできる限り努力して、人に頼らないようになるぞ、勉強して働くぞ!」という気持ちと「夫に尽くす妻も美しい」という気持ちが両方あってよくわからない感じになっていた。
・夏目漱石の「坊ちゃん」に感化されたのか、風呂に入りたがらない夫のために足を拭いていたとか、完全にフルタイム残業しまくりなのに、ごはんを作って洗い物も掃除も、相手が床に捨てたゴミをゴミ箱に入れることも、すべてやっていた。

・同棲を経て無事に結婚。しかし、結婚後にエネルギー切れ。「この人は私のことを傷つけすぎる、故意か過失か分からないけど」ということが重なり「もう無理かも」と思うように。
・結婚前、先方の両親に会いにいく+旅行のために1泊したおりにケンカになり「このクソ忙しいのに休みを取ってやったのに」と言われた
・仕事について弱音を吐くと「甘えるな、そんなんで本気でやってるわけ?」と言われる
・出張が重なりまくっていた時、出張先に相手が「これで勉強しろ」と、相手が若い時に勉強用でまとめていた資料ファイルを持っていかなかった(荷物に入れ忘れた)ところ「俺が渡した資料を持っていかないとか勉強する気あるの?そんな程度の能力とパフォーマンスなのに、勉強する意欲もないの?」と言われた。
・私のごはんの味が微妙だった時に「シュークリームはこれおいしいと思ってるの?」と言う。
・自分はまったく家事をしないのに、うまみ調味料を使うと「だしをちゃんと取らずに調味料を使ったでしょ。味が甘い」と言う。

・改善も見られた。「私が家事をしている時にソファに寝てビールを飲んでテレビを見ていられると、私の時間には価値がない、私に価値がないと言われているようでつらい」と伝え、一切の家事放棄をした。「今までは家事なんて自分はしたくないが、できるだけ家事をする」ということを言って、皿洗いを少しするように。家に人を入れるのは嫌だけど、「お前がどうしてもというなら家事代行を使ってもいい」と言ってくるが、家事代行を私が彼にお願いして、手配も自分でするのかと思うと、やる気になれない。

・もともと好きなところもあって付き合ってはいる。一緒にテレビを見たり、ごはんに行ったりすると楽しい時もある。
・ただ、生理前など落ち込む時には、「こんなことを言われた」と思い出したり、「小さい頃からあんなにやりたいことを我慢して努力したのに、結局は幸せになれなかった」と号泣したりしてしまう。
・後者については、どちらかというと相手の問題というよりは、自分の問題(自己肯定感がものすごく低い)のように思うので、相手と関係を解消してもあまり意味はないのかなとも思う。
・また、収入が自分も相手もそれなりに高いので、余裕のある生活ができるのもある。

・昔にものすごく好きだった人は、私が「人としてなっていないから教育し直す」といった人で、嬉々として従っていた
・親の関係が悪く、「勉強しろ」とばかり言われていた。親は、学歴コンプレックスを子で解消しようという考えが透けてみえる時があった。大学に入る時に東京に出て来て戻っていない。
「自分はダメな人間だ」とばかり思っているので、「私を教育しなおす=私のことが好きなんだ」というかなり問題ある思考だった。
・思考の根本になっている性質は変わっていないので、自己肯定感や自尊心が育っていない以上、今の相手と関係を解消して別の人と出会ってうまくいくとも思えない。トイアンナさんの本を読んで「育て、自尊心!」とやってみたが、まだまだそんなに簡単には育っていない。

・「もう無理だ」と思ってから半年かけて見極めようと思って、何度か話合いもした。
・別居についても話が出たし、先方から「もう離婚しよう」と言われたが翌日に撤回してきた。
・話し合いの中で、相手も「あまりひどいことを言わないようにする」「言い方に気を付ける」「家事もできるだけ手伝う」と言ってくれた。

親愛の情もあるが、たまに湧き出る憎悪と折り合いがつかない。
・キャバクラには「仕事の付き合いで行くだけ」と言っていたのに、定期的に30万円近く使っていたことが結婚後に判明。「結局そういうサービスを受けたい人なのか」と思って冷めてしまう(しかもバレたら開き直って「また行く」と言ってくる)
・相手は節制がまったくできない人なので、外食で高カロリーのものを食べまくり、ワイン飲みまくりで、健康診断でひっかかりまくり。なのに先方実家では「奥さんがちゃんと健康管理しないと。家で食事をちゃんと作ってる?適当なんじゃないの?それともあまりおいしくないんじゃない?」と言われてストレス。

・出産のことを考えて、病院で血液検査をしてみたが、卵巣年齢が30代後半だそうで、そもそも今の相手と子どもができるかどうかわからない。
・半年ほどレスだったが、この前に突然きた。キスは気持ち悪くてできないが、やることはできた。
・「他の相手との間で…」と思っても「良い人と出会って子どもをうむ」ことが想像できない。まだ、シングルマザーで生む方が想像できる。

・仕事はいい同僚に恵まれているので、ずっと働きたいと思っている。シングルマザーでも食べるくらいはできる。
・趣味のサークル、行きつけのバーもあるので、1人でも楽しく暮らせそう。だけど、マイナスの波が来た時に飲まれるかも(メンタル弱いし)…今の方がマシか……と堂々巡りしている。

いま望んでいること。現状がどうなれば、自分にとっていいのか
これから先、どうするのが良いのかを冷静に判断できるようになりたい。解消しようか、どうしようか、と悩んでいる状態から抜けたい。腹をくくってこのまま添い遂げるのか、別れるか、とりあえずは判断してしまいたい。

ぱぷりこに望むこと

優先順位をつけて、と思ったが、1か月の中での気分の浮き沈みで気持ちが変わりすぎて、自分が信じられない。友人、知人、上司、男女年齢さまざまな人にアドバイスをもらったが、結局は彼らの経験と価値観に基づくもの。自分で判断するため、関係を解消するかの思考の糸口が欲しい。

相談内容サマリ

ブログや書籍版『妖怪男ウォッチ』で書き続けてきた「THE★コ★ン★サ★ル★男★★★」エピソードが満載で、「コンサル男って口調と思考を共有してるアメーバ共有体なのかな???なんでエピソードがどいつもこいつも似てるのかな???」と、どんどん首が傾いて45度ぐらいになったところで呼吸困難になりました。あとごめん、夏目漱石の下りは笑った。コンサル男に滅私奉公する女子の話は死ぬほど聞いてきたけど、『坊っちゃん』に感化された人は初めてでした。

「1か月の中で気分の浮き沈みで気持ちが変わりすぎる」とありましたが、相談内容にもそのうねりと混沌が見て取れます。とはいえ基本構造はシンプルで「夫が憎い。でも夫と離婚した後が怖い」だと思います。

途中で何度か「夫ぴぴ、しゅきかもしれない」エピソードがありますが、これはむしろ「こういうところもあるじゃん。ねっねっ」と自分に言い聞かせている口調です。

一方で「親愛の情もあるが、たまに湧き出る憎悪と折り合いがつかない」という言葉の力強さときたら。筆圧の強さも圧倒的に「もう無理だ」エピソードの方が強く、傍から見れば「キラキラ愛情★鎮痛剤を使ってももう無理なぐらい憎いのでは?」と思ってしまいます。

もうひとつ気になるのが、「夫」と呼ばないこと、離婚と言わずに「関係解消」と言っていることです(タイトルの「夫」は読者のために私がつけました)。相談の中では、ただのいちども「夫」という単語は使われていません。これは夫のことを相談する内容としては奇妙ですが、「相手のことを嫌いきっている人」には時折見られる表現でもあります。夫のことが憎くてしょうがない女性が「あいつを夫と言いたくない。自分と関係してる人間だと思わせられる単語を使うと気持ち悪いから"あの人"か"あいつ"って呼ぶ」とよく言うのと似ているように見えます。

シュークリームさんが自覚している以上に、シュークリームさんはもうすでに夫と壮絶な精神的距離があり、距離を取らないとやっていけないほどなのではないでしょうか。しかし、自分の精神的不安定さのために「どんなつっかえ棒でもあるだけマシ」と思っているのかもしれません。

ここでお伝えしておきたいのは「ないよりはマシ」と「マシ」を考えるようになる時点で、すでにその状態はだいぶ最悪に近づいている、ということです。言葉で傷つけてくるだけだからマシ、たまにしか手をあげないからマシ、浮気しないだけマシ、借金がないだけマシ、犯罪を犯してないだけマシ、最終的には「命があるだけマシ」に向かいます。状況がどんどん悪くなっても「でもまだこれがあるし」と探していって固執していると「住む場所を変える」という根本的かつより改善に直結する選択肢を放棄することになります。っていうか、モラハラ被害者の典型的な思考回路はこれです。

「現状維持」から動けない女性によく見られることですが、いろいろな種類の不安がごっちゃになっていて整理されていないと「なんか動いたら怖そう」と立ちすくみ「現状維持」を選択し、どんどん沈んで状況が悪くなっていきます。シュークリームさんは「経済状況」「依存先」までは整理してはいるものの、肝心の「夫への感情」を直視しきれていないように思えます。

今回は「いろいろなことが不安で立ちすくんで動けない」場合の思考方法について考えてみましょう!

夫への感情を分解。ふわっとした好意、具体的な憎悪

いきなりふわっとした話から入りますが、人間はなかなか自分の本音を自分で知ることができない生き物です。「自分のことは自分で知っている」なんてとんでもなくて、自分だからこそ自分の全体像をつかみきることが難しいです。

特に女性は恋愛において「キラキラ麻酔」を多用します。DV被害者・モラハラ被害者が「彼は私を大事にしてくれるところもあるし」「いいところもあるし」と言うのは典型オブ典型。さらに「男がいない人生が不安」「経済的に不安」などの別の思惑があると、さらにキラキラ麻酔をばっこばっこ打つようになります。

シュークリームさんも思いっきりキラキラ麻酔を打ちまくっています。相談にもあるとおり「精神的に不安定すぎて自分が信頼できない」状態で、自分の気持ちが自分でわからないとのこと。

ここで信頼できるのが筆圧です。

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