メリークリスマス★今回の相談は、前回に引き続き不倫ものですが、1千億のキラキラ粉飾イルミネーションで、実にインスタ映えしそうな不倫案件です。

本相談のテーマ

・ずっとセカンド女子
・不倫女子
・妖怪男のカモ女子
・遊び人・ヤリチン
・不倫おじさん
・圧倒的キラキラ粉飾
・PDCAが息していない
・流され体質

本お焚き上げの筆圧：☆☆☆☆☆☆（過去最大級）

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お焚き上げ内容

■登場人物
マロンさん：28歳、運輸会社営業、シンガポール在住：大学卒業後、物流系会社で総合職として働いた後、一念発起してシンガポールにある日系運輸会社に転職する。シンガポールには縁もゆかりもない。

元彼：31歳、運輸会社営業、シンガポール人。27歳の妊娠中の奥さんと4歳の子供がいる。清潔感もあり、イケメンで頭がよく、女性をすぐ褒め、口がうまい。言語はマレー語と英語が堪能で、マロンさんとは英語でやりとりする。

彼氏：29歳、物流系総合職、現在マレーシアに出向中。あまりモテるタイプではなく過去の彼女の人数は多くないタイプ。一緒にいて楽しく、いつも笑顔で一緒にいることができる。顔は「生理的にちょっと無理かも」と思っていたが、最近ではかわいく見える。仕事がまじめで知識欲が強い。

相談内容

■出会い～不倫開始編
・現在の会社に転職し、同僚だった元彼と出会う。最初は同僚として仕事の話をしたり、英語・マレー語を教えてもらったりしていたが、ある時からマロンさんの出社時間(始業30分前)に合わせて出社してくるようになった。
・現地人はギリギリか遅れてオフィスに来るため、朝の30分間は毎日一緒に朝ご飯を食べたり、カフェでお茶を飲んだりするようになった。
・業務後にも定期的に夕飯を食べにいったり日本語・マレー語の勉強会をするようになったある日、カフェでキスをされ、付き合う流れになった。
・半年ほど平日は毎朝ごはんを一緒に食べ、業務後におしゃべりをして、夜は週1でごはんを食べに行き、マロンさんの家でセックスをして彼は自宅に帰るという生活を続けていた。
・休日でも彼は奥さんの目を盗んでLINEや電話をしてきた。
・奥さんからの束縛が激しいため、自由時間はあまりなかったが合間を縫ってデートしていた。
・しかし、彼が毎日帰りが遅いことや、携帯で連絡をとったりしているため、奥さんに不倫バレした。
・職場では公認不倫だったが、奥さんが職場の人に確認した結果バレた。

■奥バレ、そして修羅場編
・奥さんにバレた後も、お互い関係を続けたいと考えていたので、一時的に会う頻度などを抑えたが関係自体は継続した。
・奥さんが自殺をほのめかす写真をFacebookにあげたり、直接職場に乗り込もうとしたりしたため、彼からはいったん関係をやめようと言われ、マロンさんも受け入れた。
・しかし、彼が引き続き、2人きりになるとキスやハグをしてくるなど、きっぱり終わらない状態に精神的に不安定になり、彼が他の女性と仲良くしていることに我慢できなくなった。
・そのため、奥さんに直接連絡を入れ、過去に私の家でセックスをしていたことや、私の方がキレイと言ってくれたことなどを暴露した上で「関係を終わらせます」と宣言した。
・自分が最低なことをしている自覚はあったが「私だけ苦しむのは不公平だから皆が苦しめば良い」と本気で考えていた。
・その後、奥さんに呼び出され、奥さんと彼、マロンさんの三者会談が行われる。
・奥さんに聞かれるまま、どういうLINEのやりとりをしていたのか、どのくらいの頻度であっていたのか彼がどのようなことを私に言っていたのかなどを答えると、奥さんがLINEのやりとりにショックを受け、泣き出して逃げてしまった。
・そのことにキレた彼がマロンさんの携帯を投げて割り、に頭からマンゴージュースを浴びせて立ち去った。
・マロンさんはカフェのトイレの洗面台で軽く髪を流して、そのまま歩いて帰った。

■気まずいオフィス編
・その後、職場で彼にいじめまがいのことをされるようになる。皆にお菓子を配っても私にだけわたさない、仕事について聞いても答えてくれない、意味なくキレる、昼食後みんながオフィスに戻ってくる際わたしがまだ入っていないのに扉を閉めるなどの行為が続いた。
・奥バレ後、精神的につらくなり鬱で通院していた。自殺願望からリスカをしたり、不眠だったり、朝に異常な眠気に襲われたり、抗うつ剤を飲む生活を送っていた。
・彼と同じ職場で働いているのがつらかったため転職を考えたが、鬱であること、不満だらけで転職活動をしてもうまくいかないと思い、活動はしなかった。
・そんな中、彼の態度が軟化し「また友達同士に戻ろう」というようなことを言われた。
・その後は関係が改善し、職場でもひときわ仲良い普通の友達として話す関係に戻った。
・感情な人、自分のやりたいことをやりたいようにする人が好きなので、彼との結婚は考えていないが、彼を嫌いになったり恨んだりはしていない。
・今は職場で「元恋人」であることがたまにネタになるくらい公認の元不倫カップルとなっている。

■新しい恋編
・さまざまな事柄が落ち着きだした時に、現在の彼氏とであった。
・マレーシア在住の彼がシンガポールに出張に来た際に知り合った。
・マロンさんが出張した際も彼と食事に行き、非常に楽しく時間を忘れ、気づいたらお店の閉店時間となるほどだった。
・彼がホテルまで送ってくれて、そのまま解散。
・お互い惹かれあっていたので、それから毎日LINEや電話をするようになり、3か月後くらいに東南アジア旅行をした際に付き合い始めた。
・付き合ってからは毎日朝のLINE、昼のLINE、仕事終わりのLINE、帰宅してからの電話を欠かさない。
・もともと嫉妬深く、妖怪女子だと「束縛ネトスト女子」に一番近い。彼の行動を全て聞き出したり、彼の周りの人物の名前をすべて聞いてFacebookで検索するなどの行動に出る。
・顔や見た目は好みでなかったものの、何より話していて楽しく私の束縛やわがままにもやさしく付き合ってくれる彼が、今は好きで好きでしょうがない。

■昔の男がしゃしゃり出る～揺れ動く乙女心編
・そんな中、元彼既婚者がボディタッチをしてきたり2人きりになるとハグをしてくる。
・今彼のことを愛しているが、元彼に男性的魅力を感じすぎていて、ハグをし返したり匂いを嗅いだりをしてしまう。
・胸をもまれそうになったときは拒否したが、その夜は布団の中でずっと元彼のことを考えてしまい、今後誘われたら拒否し続ける自信がない。
・今彼に誠実でいたいという気持ちがあり、他の人とキスやセックスはしたくないが、元彼のほうがセックスが上手だったので、その場の誘惑に揺らぎそうな自分がいる。
・元彼とは「来世で結婚しようね」という約束をしたほどで、人生の中で元彼の存在が一番大きいと感じる。

いま望んでいること。現状がどうなれば、自分にとっていいのか
・元彼からの誘惑に打ち勝つ、強い精神力を持って現恋人に誠実でいたい。
・できれば元彼には会わない、誘惑のない環境に身を置きたいが、現職からの囲い込みが激しく、お給料など待遇面でも今よりあがる転職先がほとんどなさそうなため元彼が視界にはいらないところに生活をうつすのも難しそう。
・そのため、自分の精神論でなんとか現状の危機を乗り切りたい。
・元彼からの誘惑に負け、現恋人との間に罪悪感を抱えたまま一生すごしていきたくない。

ぱぷりこに望むこと
元彼からの誘惑に打ち勝てるような思考方法、私への叱責などの強い言葉が欲しい。

感想＆ざっくり総括

「元彼とは『来世で結婚しようね』という約束をしたほど」

じつに90年代JPOP歌詞っぽい相談をありがとうございます。とりあえず今回の相談で最もかわいそうなのは、マンゴージュースだと思いました。飲まれるためにこの世に生を受けたにもかかわらず、その使命をまっとうできず、痴話喧嘩でかけられたマンゴージュースかわいそう。

とりあえず今回もむちゃくちゃ突っ込みどころが満載なのですが、とりあえず一番目立つところ、そしておそらくこの相談を読んだ人の大多数が心の中で突っ込んだであろうことを最初に突っ込んでおきます。

その既婚彼、立派な妖怪男じゃない？じゃない？

彼の行動を見る限り、360度どこからどう見ても「手慣れた遊び人」です。もうすごいチンプレ（ヤリチンテンプレの意）の嵐。そこにひとさじのバイオレンス。ジュースをかけられるといった、記憶に残らざるを得ないドラマチックな演出。「この妖怪男がすごい2017」に堂々ノミネート。チンプレはグローバルに通用するということが証明されて感無量です。マンゴージュースが本当にかわいそう。

しかし、このようなテンプレ遊び人にもかかわらず、マロンさんの中では、彼との関係は「いい思い出」臭、「彼は素敵な人」塗装、「関係は特別」感があふれています。美しい思い出を抱えているだけで生活に支障が出ないならいいのですが、マロンさんの場合は「またちょっかいを出されている」「浮気しそう」とバリバリに支障が出ています。

今彼もできて幸せ…でも職場にはチョッカイを出してくる元彼(既婚)がいて心が惑わされる…その上元彼(既婚)の方がセックスがうまかったから性欲★爆★発★しそう…でも彼を裏切りたくないし誠実でいたい……！という、乙女メス（きび団子と同じ発音で）なお悩みですが、マロンさんが悩んでいるのは、理想と現実を埋める手段が思いつかないから。そこでとりあえず出した答えが、ブラック企業大日本帝国竹槍型「お気持ちで強く乗り越える」ソリューション。

◎理想・なりたい姿
・愛している恋人に対して誠実に過ごして裏切らない。
・浮気や不倫など、倫理に反することをしない。
・彼と相思相愛でいる。

◎現実・実際の姿
・元不倫相手の男性的魅力がすごくてときめき、裏切りそう。
・元不倫相手を明確に拒絶せず、キスやハグを受け入れる。
・不倫関係という不誠実な関係をよい思い出としている。

◎問題
・浮気しそう。
・誘惑に勝つ強いお気持ちがない。

◎解決策
・誘惑に勝つ強いお気持ちを持てる言葉が欲しい。

わーい！そこじゃないよ！感が満載です。マロンさんは、なりたい姿はあるものの、その理想に向かう行動がなく、むしろ真逆の方向、積極的に裏切りに行っています。オー、宇宙の神秘。たぶんね、ハッキング＆記憶操作＆リモートコントロールとかされると私もこうなると思うんですが、マロンさんは最近、見知らぬ宇宙船に乗った記憶がありますか？ないのだとしたら、仮説は2つ。

A. 本当に浮気したくない。でも体が思うように動いてくれない
＝心は正直。しかし、自分の体を動かせない
B. 本当は浮気したい。けど「浮気したくない」と自分に嘘をついている
＝体は正直。しかし、自分の心に嘘をついている 

どっちでしょうね？不倫にどはまりして抜けられない女子は、どちらのパターンもありえます。なので、この仮説を検証するために「不倫にどはまりする女子が抱える3つの課題」をベースに考えました。

1 自分の意志を貫徹できず周りに流される「流され体質」
2 意思決定と結果の責任を他人にぶん投げる「他責思考」
3 現実認識と記憶を著しく歪める「キラキラ粉飾」

前回のお焚き上げでもさんざん爆破した、「真性セカンド女子」「他責思考」はいつもどおりの不倫案件だなーと思うのですが、前回と異なるのが「キラキラ粉飾」問題。相談文からは「彼は素敵」「今は友達」「恨んでいない」という美しい単語が並び、「怒り」「恨み」といった感情がごそっと欠如しています。インスタ映えしそうな白飛びだけど、むしろ飛びすぎて画面真っ白で何も見えない感じで、目がとてもムスカりました。

恋愛相談のお焚き上げは、「キラキラ粉飾との終わりなき闘い」とも言っても過言ではありませんが、今回は書けば書くほど「どっちなんだろうなー」と混沌の渦に飲み込まれていきました。最初は依頼どおり「本当に浮気したくない」ベースで考えていたんですが、あまりにもつじつまが合わなさすぎるんですよね。「本当にその現状認識で合ってる？」「本当にその望みで合ってる？」と常に疑問を抱かざるをえませんでした。信頼できない語り手すぎる。

というわけで、今回はお焚き上げ初、「仮説A＆B」「解決案A＆B」という、お焚き上げまるまる2本分の筆圧になりました。

今回は2つの仮説があるので、不倫にどはまりする女子の課題をあますことなく焚き上げています。不倫に悩む女子、「こんな恋愛ははじめてなの」「私は幸せなの」と幸せ不倫ポエムを量産する女子は必見です！

キラキラ不倫美談の圧倒的な「違和感」

今回の相談を一言でまとめると、「語り手の言動に一貫性がなく、語り手が見る世界が歪んでおり、受け手が混乱する」キラキラ不倫美談です。

マロンさんは「今彼がすごく大好きで愛していて裏切りたくない」と言っているにもかかわらず、「不倫彼の魅力がすごくて浮気しそう～～～」と急転直下真逆の独白が直後にくるため「Aなの？Bなの？まさかのいきなりX！？！？！」と無限回廊に迷い込んだかのような難解さに、妖怪筋のストレッチがうなるうなる。

まずはこの違和感を確認します。

違和感とは「こちらが観測する事象と、語られる事象の間にズレがある」状態です。「特定の力がかかって歪んでいる状態」といってもいいでしょう。この歪みを把握することが、問題の原因を探る鍵となります。