[相談37]推定相思相愛だった後輩と自然消滅して立ち直れない。トラウマを乗り越えたい

本日の相談は「付き合わずに失恋」がテーマです。「付き合わずに失恋」は母数としてはめちゃくちゃ多いのですが、相談内容として上がってくることはそう多くありません。なぜなら「付き合ってから失恋」より通常はダメージが浅いからです。ただ今回の相談者さんは「思考の泥沼」にはまっており、とても苦しい状態とのこと。わかる。あるよね。というわけで「失恋から立ち直れない」人は必見!

本相談のテーマ

・失恋
・片思い
・失恋から立ち直れない
・思考ぐるぐるで先に進めない
・相手の行動が意味不明
・思い込みが強い
・認知が歪んでいる

本お焚き上げの筆圧:☆☆☆☆(高め)

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相談内容はこちらっ!

・相談者と相手の年齢と職業/職種
相談者:トリュフさん。大手メーカーの営業事務、26歳
相手:同じ部署の営業、24歳。

◎自分について
・身だしなみや資格取得など「自分磨き」と言われることは、自分のためにやれるタイプ。
・容姿を褒められることはある。モテると思ったことはないが、まったく好意を寄せられないということはない。
・変な人から好かれることが多く、モテにカウントしたくない部分がある。
・彼氏がいたこともあるが、最長3カ月。
・幼少期に無視などのいじめにあったことがあり、態度の急変や会話できない状況に過敏。今回の件も、いじめのトラウマを刺激されている部分がある。

◎相手について
・同じ部署の後輩。
・入社と同時に大学時代3年間付き合っていた彼女と遠距離恋愛になり、会えなくなって振られた。それ以前は、高校時代に彼女がいたと聞いている。
・水泳部のキャプテンで、スポーツマン。
・「ずっと彼女がいたから、合コンにも行ったことがない」と聞いていた。

◎彼を好きになった理由
・未婚
・年が近い
・体型が好み
・働いている
・休日が合う
・好みのデートができる(季節感があることが好き)
・わたしのことをかわいいと思ってくれる
・連絡がマメ
・会話のバランス(自分8:相手2)
・今まで付き合ってみて嫌だった人と同じようなところがない。

・去年の夏頃から仲良くなり、お付き合い秒読み状態になるものの、ある時期から態度が急変し自然消滅状態に。
・不審に思って問い質すも「良い先輩」としか思っていない、と言われた。
・しかし、腑に落ちない。相手に会話するつもりがなく、話を聞こうにも聞けない。
・「社内恋愛で気まずい状態になることを気にしそうかも」と彼の同期や先輩からの評価もあるので、相手が妖怪とも思いきれず、なにか理由があるのでは、と思っている。


◎お付き合い秒読みと判断した理由

・女性遍歴を見る限り、異性交遊が派手なタイプには見えない。
・社内ではかなり距離が近く、同部署、席も斜め後ろ。
・部署異動の可能性はほぼなく、どちらかが退職しない限りは今後も一緒に仕事をしていく相手。そんな相手に軽率に手を出すと思えない

◎実際に合った出来事
・仲の良い同僚と彼と3人で休日に遊ぶ予定があったが、同僚がドタキャンしたため2人でデート状態。
・想定以上に盛り上がり、引っ越したばかりだった自宅の家具の取り付けを申し出られた。この時点で意識するも、距離が近すぎる社内恋愛に抵抗を感じて、先輩としてのスタンスを貫いた。
・翌週、自宅に彼が訪問。家具の取り付けは早々に終わって宅飲みになる。人がダメになるソファを2人で使用するなど、物理的な距離が近かった。
・終電を逃したということで、泊めることに。昼過ぎから家にいるし、終電の1〜2時間前に買い出しに出ていることから、帰る気がなかった可能性を感じる。
・月末に、一緒に花火大会に行く約束をする。
・次のデートまで、ずっと毎日LINEのやり取りをしていた。
・実現はしなかったが、彼からデートや飲みに誘われることもあれば、旅行の話もしていた。
・会社の飲み会では、どちらともなく近くの席になっていた。
・彼の同期などの周囲からの後押しもかなりあった(半分は部署公認のような状態)
・後から聞いた話ではあるが、同期の間で「彼が私のことを憎からず思っている」という話も出ていたらしい。
・このあたりで「好きになっても大丈夫だ」と判断する。
・花火大会当日、「好き」「付き合いたい」などの決定的な言葉は出してはいないが「彼氏がいないのは今まで趣味モードだったからだけど、これからは恋愛モードにして彼氏を作りたい」くらいの温度感の話をする。「彼氏が欲しい」「彼女が欲しい」など恋愛の話をお互いにしていたので、不自然ではないと思う。
・しかし翌日から、誰の目から見ても不自然なレベルで避けられる
・デートに誘うと、OKするものの明らかに乗り気ではなく、日程調整の時点でうやむやにされる。スケジュールをキープしたまま連絡が途絶えたことがあり、さすがに叱ったこともある。
・あまりにも突然すぎるので、なにかあったのかと問い質すも「忙しい」の一点張り
・会話するために、仕事終わりに時間をもらう約束をするが、3時間も連絡なしに待たされあげくにリスケされる。
・「ゆっくり話す時間が取れないのでLINEではダメか」と提案される。
・完全に脈がないので、結局そのままLINEで話すことになり、「今は脈がないのはわかるけど、夏にはどう思ってたの?私は意識していた」と過去の気持ちを聞いてみるも「今も昔もいい先輩だと思ってます」と言われる。
・少なくとも夏頃は、ただの先輩後輩の関係ではないと感じていたので、かなりショックを受けた。
・なぜかこちらが「困らせて申し訳ない」と謝ってしまうが、既読スルー。
・その日、彼は動揺していたのかなんなのか、顔色が悪かったようで、私に告白された件を周りに察知されて、先輩や同僚に相談していた(彼の先輩はわたしの後輩なので、ある程度情報は筒抜け状態)
・忘れるために趣味に目を向けたり友達と遊んだりするも、会社に行くと顔を合わせるので忘れられない。
・彼の同僚に最近の様子を聞いたところ、「本人はすでに終わったことだと認識している」とのこと。
・関係としては終わっているが、不審点が多すぎるので引きずっている

◎心理状態
自然消滅を狙える相手ではないことが明確なはずだが、「ほぼ強行で自然消滅される理由が自分自身にあるのでは」とどんどん落ち込んでつらい
・今まで寄ってきた異性は不倫おじさんか、鞄を隠して「自分が見つけてあげた!」とヒーローぶる人質ならぬ品質おじさんだった。運が悪いと思っていたが、自分が引き寄せてるのでないか、という気持ちになる。
・周囲から「ガードが堅いのでは?」と言われるが、ワンナイトラブをしたこともあるので、ガードが堅いとは思わない。
・真面目で気が強い、隙がないと言われる。
・好きな人以外にもモテテク(ボディタッチなど)を使えとアドバイスされるが、好きな人相手にしかできない。
・好きでもない人に異性として意識させるような振る舞いをするのは、信頼してくれている相手に対して失礼なのでは、とすら思う。
・なんでも線を引きすぎて、白黒はっきりさせすぎなところがある。
・自分のことはプライドは高いが自尊心が低い性格なのではないか、と感じる。
思いどおりにならないことが許せないような気がする。そこに対してのリハビリを行いたい。
・自分がダメな人間だとわかってほしい気持ちがある。
・自分をダメだと評価する人間に対して「見る目があるのでは」と感じる。
・必要以上に自分を下げていると思う。酔ったときにそういう部分が多く出てしまう。
・彼に執着しているのは、いじめを受けていたときのフラッシュバックがある気がしている。
・ギクシャクしている現状を時間が解決してくれる、放置することが正しい、とは思えない
・恋愛感情は時間が忘れさせてくれるかもしれないが、原因がわからない限りは繰り返すと思うので、やはり理解したい。

◎現状打破のためにやってみたこと
・デートに誘ってみる→×うやむやにされる
・複数人で飲みに誘ってみる→×断られる
・30分程度会話の時間を取ってもらう→1回目△:会話するも明確な返答は得られず。2回目×:ドタキャンされる
・3か月後、ようやく話ができた。共通の知り合いである社内の人間が間に入ってくれた。
・一緒に仕事をしなくてはいけないストレスに耐えきれず、上司に体調不良を相談して休暇をもらっている状態だった。
・共通の知り合いからの情報で、「後輩も今の状態は自分にも責任があると思っているが謝れない状態にある」と聞いた。
悪いと思っているのに謝れないのがまったく理解できないが、ひとまず会話をするきっかけになればと思い、こちらから「思っているところがあるならば人づてではなく直接聞きたい」と連絡。
・その時の希望は
1 既読後24時間以内にラインの返事が来て、仕事納めまでに直接時間をとって会話をする
2 既読後24時間以内かつ仕事納めまでにLINEで会話をする
3 既読後24時間以内かつ月内にLINEで会話をする
だった。
・会社の先輩に対して業務に支障がある問題を抱えたと思った場合は、即時解決をする努力が必要だと思うし、それが礼儀というか常識だと思っていたから。
・LINE送付後、24時間以内に既読は付いたが、返事は1週間後に来た。かなりの確率でプライベートを過ごしている時間にネガティブな連絡を入れてくる神経に驚いた(具体的な期日を伝えなかった自分にも責任があるとは思うが、常識だと思っていたので……)
・内容は「中途半端なことをして、気持ちに応えられなくてすみません」「業務に支障が出ているとはわかっていました」だった。
・気持ちに応えられなかった事実よりも、彼が認識している「中途半端なこと」とはどのことなのか(思わせぶりなことをしたことなのか、告白の返事をあやふやにしたことなのか)や、無視紛いのことをして、わたしが疑問に思ったり傷付いたりすると思わなかったのか、など疑問は尽きなかった。

・今回のことでなぜこんなに傷付いて立ち直れないかを自分なりに考えてみた。
・一番は先輩後輩という関係性に関して齟齬があったこと。どんなに仲が良くなっても一緒に仕事をしていく相手なので、だらしのないこと(家にお邪魔して終電をなくす、3時間連絡なしで待たせて来ない)はしないものだと思っている
・「謝罪して許されたからいい」というものではなく、ハナからしないのが常識だと思ってる。
・彼にとっては仲のいい先輩=友達で、だらしのないこともしても良いと判断したのかもしれない。それが許せなかったのだと思う。
・そういう人間もいるとは理解できるが、ただ今でも自分が社会人として間違っていたとは思えない。彼が社会人として働いていることが納得できない。
自分が常識だと思っていたことを覆され混乱したし、向き合いたくない問題が炎上していても放置できるところに恐怖を感じている。

・いま望んでいること。現状がどうなれば、自分にとっていいのか
・自分の中で納得したい。
・毎日、会社で顔を合わせるたびに思い出してつらいので、この思いを解消したい。
・今までの恋愛で変な人に好かれることが多く、やっと普通の人に好かれたと思ったら距離を置かれたので、自分に問題があったのなら直したい。

・ぱぷりこに望むこと
納得するためにも、相手の心理分析をお願いしたい。
後輩から強制自然消滅されたトラウマを乗り越えて、新しい恋がしたい。

総括、感想

サマってもなお5000字の筆圧。トリュフさんの怒りと混乱が伝わってきます。まー後輩は「質問にまともに答えずに逃げる」段階でKUZU★と音速判定してよい案件ですが、この相談はそれだけで終わらせてはいけません。なぜなら不明な点とやたら細かい点がごっちゃに混在しており、整理されておらず、ぜんっぜんすっきりしていないからです。

とはいえ、恋愛ではこのような「わからないからモヤモヤしてずっと考えてしまう」状態になることって、けっこう多いと思います。LINEブロックなどで「連絡を絶たれる」と情報がなくなり、「もしかしてこうだったのか」「いやこうだったのかも」「あの時ああしていれば」「もしかしてまだ相手は自分のことを好きかも」などとどんどん思考リソースをぶっこんで妄想をふくらませ、現実よりも過去に生きてしまうこと、あると思います。だからこそ、この混沌を解体整理することには意味があります。

まず「納得するためにも、相手の心理分析をお願いしたい」という依頼内容ですが、これはひっじょーーーーに判断が難しい案件です。なぜなら報告者が現状を理解しておらず、かつ周囲からの情報サポートも十全ではなく、端的に言って「情報が歯抜けすぎる」から。私の分析はあくまでもらった情報をもとに仮説を構築するだけですが、今回のように歯抜け状態だと仮説構築がじゅうぶんにできません。

ただし、この「情報が歯抜けすぎて不明瞭なことが多い」点は、ひとつの大きなヒントになります。不明な情報とはつまり、トリュフさんが把握していない情報、トリュフさんが見えていない世界です。この「書かれなかったこと」を掘り下げることが、解決の糸口になりそうです。

もうひとつのヒントは「べき」「常識」という単語の多発ぶりです。さまざまな人から相談を受けていますが、トリュフさんの「べき」「常識」という単語の使い方は大変に多く、noteのお焚き上げ相談としては最多です。

最初に結論を言えば、トリュフさんがはまったのは「事実と推測の区別がついていない」「他者が自分の『常識』とは違う価値観で動いていることを理解していない」点だと思われます。端的に言ってしまえば「それ、本当に相思相愛だったんですか?」

恋は盲目だし狂気だから、恋愛時はしょうがないんですが、恋愛が終わった後もこれだけ苦しめられているなら「別の視点」をぶっこむ必要があります。「当人では見えない他者の視点と仮説をぶっこむ」ことがお焚き上げ相談の根幹だと思ってますので、今回は由緒正しいお焚き上げになりそうです。

事実と推測がごちゃ混ぜになっています、マーム

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