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明日、この部屋を出るとき


明日、4年間住んだアパートを出る。ワンルームの小さな部屋。この部屋から始まった。部屋の中のダンボールを見て、4年も生活すると物も増えるんだなあと思う。布団と小さい折りたたみテーブルと衣装ケースだけ持ってこの部屋にやってきたことを思い出すと、ここでわたしも生活してきたんだなと感じる。当たり前だけれど。


引っ越しをして新たな生活が始まることを、あまり意識しないようにしてきた。変化に意識が向きすぎないようにしたかったから。住む場所が変わっても、自分のすることは基本的に変わらない。でも、新しい部屋での生活はきっと新しい気持ちを運んできてくれる。大きな変化は無くても、小さな変化を積み重ねたいと思う。

次は居心地の良い部屋をつくりたい。変化に意識が向きすぎないようにしてきたと言いながら、時々インスタで一人暮らしの部屋を検索していた。やっぱり全く考えずには居られないよなあ。色んな部屋のインテリアを見るのは楽しい。自分の気に入ったものに囲まれながら、長年使っているお気に入りの毛布をかぶって、温かいものを飲みながら映画を観たり本を読みたい。そういう一人の時間を穏やかな気持ちで過ごせるようになりたいと思う。


ディズニーランドに行く前の日みたいなワクワク感がないことに、自分ではちょっとほっとしている。すこしはあっても良いのかもしれないけど、過度になくてもいい。期待しすぎないと言うのが一番近いかもしれない。住む部屋が変わっても、病気が治るとは思ってないし、生きづらさがなくなるとも思っていない。それでも何かのきっかけにはなると思うし、それで良いんだと思う。小さなきっかけを何度も繰り返して、今のわたしになっているから。

昨晩のG出没には参ったけれど、それなりに荷造りを済ませて、引っ越しの前夜もいつもと同じようにAmazonプライムで映画を流す。いつもと変わらない夜。明日不動産屋さんに部屋の鍵を返してこの部屋を出るとき、すこしのワクワク感とすこしの穏やかな気持ちで、「4年間お世話になりました」と頭を下げたい。


最後までお読みいただき、ありがとうございます! 泣いたり笑ったりしながらゆっくりと進んでいたら、またどこかで会えるかも...。そのときを楽しみにしています。