歴史の変化はモノの変化と捉える 児童館訪問日記2019年4月18日(木)

 こんばんは、PARADIGM平良です。

 本日も児童館に学習支援に行ってきました。今日は代表である私平良と大学生2人と訪問しました。

 まだ新学期がはじまったばかりであり、子ども達は勉強する気はありません。

 しかし、他の子がバスケしたり遊んだりしている中、いつも一人だけ勉強をしている子がいます。今日はその子にちょっとだけ勉強を教えました。

 その子が勉強をしていたのは「世界史A」。なんでも学校でやったことをノートにまとめているのだとか。勉強の基本である「復習」を無意識ながらに実践していました。

 勉強していた範囲は旧石器時代から新石器時代に変化する過渡期の時代。その子はただひたすらに教科書を書き写していました。

 そこで私が教えたのは「打製石器」と「磨製石器」の違い。

 実はこの記事を書いている私代表の平良は大学と大学院で考古学を専攻していたのです。修士課程の時にはいくつか論文発表も行い、学会賞も受賞したことがあります。ただの自慢になります。すみません(・・;)

 したがって、この古い時代の範囲は得意なのです。 

 勉強嫌いの子がただひたすらに教科書を覚えるのは大変です。つまらないです。

 「打製石器は石を打ち砕いてつくった石器だよ。こうやって(そこら辺にあるペットボトルを持って)ガンガンと打ち砕いたら尖った部分が出てきて、それでどんぐりを割ったりしたんだよ。この時はまだ人間の知能が低かったからこういう方法しか思いつかなかったんだね。でも、磨製石器は違う。その石を磨いたりすることで、尖らせて斧にしたりする。その斧で木を切ったりするんだよ。歴史が変わるっていうことはモノが進化するということを知っておくと良いよ!」

 と説明したら少しだけ納得しくれて嬉しかったですね。

 歴史の教科書では、本当にただ歴史をつらつらと書いているだけですが、実は歴史が変わるというのは年号が変わることではなく、「モノ」が変わるということなのです。打製石器から磨製石器へ、より良いものへと変化していきます。考古学ではモノの変化から歴史をおいます。実は政治体系や生産体系などの変化はゆっくりなのです。しかし、モノの変化だけはとても早く、モノの変化により生産体系も変わることがあります。

 縄文時代は、縄で文様を付けた土器を使用していた時代、弥生時代は象徴性よりも機能性を充実させた弥生土器(文様をつけない)を使用してい時代とモノの変化によって規定されます。

 こうやって歴史を教えていく方が少しは面白いとは思うんですけど、教科書を変えるのは難しいです。教える側がパラダイム・シフトを起こす方がやっぱり早いのです。

 

私達NPO法人パラダイムの活動の共感していただけましたら、是非ともサポートをお願い申し上げます。こちらの支援は子どもの貧困対策事業に使われ、公民館の利用料や参考書購入代金などに活用されます。NPO法人パラダイムの応援を何卒よろしくお願い致します。