新卒学生の通年採用を拡大するという記事を読んでの雑感

 今日のニュースで、経団連が新卒学生の通年採用を拡大することを大学側と合意したと発表したそうです。今回はこの記事を読んでの雑感を述べたいと思います。

経団連とは?

 私達のnoteは若い学生の方にも読んで頂いていますので、まずはこの「経団連」というものについて説明したいと思います。

 経団連という言葉自体は何となく聞いたことがあるという人はいると思いますが、実際どういう団体なのか知らない人は多いでしょう。

 経団連とは「日本経済団体連合会」の略称で、簡単に言うと日本を代表する企業約1400社や業種別団体などの存在から構成された経済団体です。経済を良くして行こう!というという目的を持った団体で、団体で話し合ったことを政府や行政に持ち寄ったり、企業間の取り決めなどを定めたりします。つまりは、政界や経済界に強い影響を持つ団体だと認識していください。

 その経団連が新卒大学生の「就活ルール」を定めていたのです。例えば、この時期から就職活動をはじめられますよ、企業説明会や採用面接の解禁日はいつですよ、というようなルールを定めています。

 したがって、企業も就職希望社の大学生もそのルールに則った活動をしなければなりません。
※ルールを破っても罰則は無いとされていますし、厳密にはそのルールは形骸化していたり、時代にそぐわないと言われていますが、ここでは説明を省きます

論点

 このニュースは、これまで春季に新卒者を採用するという採用形態を、雇用形態やスキルの多様化に伴い、企業側が必要に応じて社員を採用するやり方に変えましょうということです。

 ここでの論点は、経団連側が日本の終身雇用制度が崩壊しつつあるため、雇用システムを変えようと認めたということですね。経団連はこれまで頑なに前時代的な就活ルールというものに固執してきましたが、少し思想を変えてきました。

 これに対してアナリストの原田曜平さんは、以下のように述べています。

終身雇用が守られているなんて恐らく既にどの若者も思っていないのでは?平成不況の間に若者の採用を大幅に抑制し、結果的に終身雇用の恩恵を受けられない若者(今や中年)を増やしたのだから、既に守られていないも同じ。今頃この議論はtoo lateでは?

 つまり、今さらそんなこと言われても皆なんとくなく察していたし、経団連考えが古いよ的な感じですね。

 そもそももう少し先の時代では、経団連や企業側が人を雇うという主体側から労働者に会社に入ってもらうというような受動側にまわる可能性もあります。フリーランスやパラレルワーカーなど多様な働き方が流行することで、会社に勤めて働くという概念が形骸化するかもしれないのです。労働者と雇用者がかなり対等な関係に近づくことでしょう。

 そして、通年採用拡大の採用により転職者にも影響が出て欲しいと切に願います。日本にはまだ転職回数が多い=継続力の無い人材という見方が強いです。あるいは空白の期間(職業訓練や留学などを含めて)がある人材に対する偏見も強いです。

 通年採用を拡大するという考え自体は、そのような人材も採用の対象範囲内に入れた価値観の転換に繋がる発想であるはずなので、企業側には深い理解を求めたいですね。

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