大学院進学のメリットとデメリット(生物系)

割と後輩からもよく聞かれる大学院進学について簡単にまとめようと思います。ただし、私は今いる研究室しか知らないので、そこはご注意ください。
また、以下の話は全て修士課程(博士前期課程)の話です。
必要があれば今後少しずつ追加していこうと思います。

大学院進学のメリット

まず、いいところから
 バイオ系の働き口は決して多くないため、学部卒の多くが専門とは直接関係のない会社へ就職することがほとんどです。そうすると、就活の自己分析で「自分が4年間勉強してきたことって何だったんだろう。」、「なんのために大学行ってたんだっけ。」という疑問が当然生まれます。
 みんな自分なりの答えを見つけて就職していくわけですが、「どうしても専門を生かしたい!」という場合学部卒だと間口が狭い戦いになります。生物系に限らないとも思いますが、自分の専門を生かした職業につきたい場合は、大学院進学をするというのはかなり有効な手だと思います。

あと、院卒は多くの場合初任給が高い。
おちんぎん、大切ですよね。

大学院進学のデメリット

”お金がかかる”
当たり前ですが、最大にして逃げられない壁です。
国公立大学で考えてみます。
 少し多めに見積もって、半期30万で計算したとしても2年(計4期)で120万。安い国公立大学の学費だけでこれだけなので家賃などの生活費を含めると、”しゅごい金額”です。(生活費は場所によってかなり異なるので割愛)
 もちろん、奨学金や特待生制度、学振など色々手はずはありますが、必ずしも十分もらえるものではないし、返済が必要な場合卒業後返済に追われる生活になります。また、バイトを一日中入れながら研究は相当難しいと思います(というか普通は無理)。後で詳しく触れますが、多大なお金と時間と労力を生贄に修士という資格(?)を召喚するわけです。

修士課程と人生の時間

 上にも少し書きましたが、修士課程って時間かかるんですよ。それも、周りのみんなが稼ぎ始めて下手をすると結婚がどうのとか言っている時期に自分は研究室にこもる生活です。研究室和気あいあい、人間関係良好な場合は、それほど苦になりませんがそれが無い場合はかなり辛い2年間になると思います(その点私は相当恵まれた)。
 また、研究生活に”向き不向き"があります。詳しくはここでは触れませんが、研究生活に向いてない場合、多くの時間とお金を無駄にするばかりか自分の苦手な土俵で戦をし続けなくてはいけないため下手すると負け癖がつきます。(下手すると、この適性が進学には最も重要かもしれない。)
 「この職業に就くために、苦手だけど研究がんばるんだ!」という意思を2年間貫徹できるならチャレンジするのも手ですし、院進学をすることで得ることも多いです。しかし、リスクを孕んでいることを理解する必要があります。

まとめ

結局書いてきた順序と逆になりますが、重要な要素は以下の順じゃないかと思います。

1.研究生活が苦にならないかどうか(向いているか向いていないか)
2.金銭的な目途が立つかどうか
3.自分が希望する将来に必要かどうか

最後のほうは否定的なことを多く書いてしまいましたが、院進学は多くのことを得る場でもあります。

 高齢化社会への適応とともに生涯教育の重要性が叫ばれている昨今、大学院で行う研究活動は、確実に”勉強し続ける姿勢”を得る助けになります。残念ながら多くの人間は年齢が進むと共に新たな知識への吸収力が衰え、抵抗感が増していきます。上に書いた”向き不向き”の一つはここについてなのですが、大学院での生活はこの老化と逆行することが大前提です。もちろん個人差がかなりある部分は十分承知ですが、長い目で使える人材になるのではないかと思ってます。なので、院進学のことを後輩から聞かれると必ずこの点を推します。

極力簡潔に書こうと思ったのでかなり大雑把なまとめですが、こんな感じです。
そして最後に重要なことを、
この文章は独断と偏見で書かれています。また、私の所属する組織を代表するものではない上にいかなる責任も負いません。
以上

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