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行動変容の方法

主に障害のある子供の行動にアプローチをする方法として発展した行動変容法というものがあります。今ではそこからスポーツ分野や会社の社員教育など様々な方面に応用されており、学問的には応用行動分析学や心理学にも近いものになります。今回はその考え方について共有できたらと思います。

行動変容というものを考えるときには、まず変えたい行動として"標的行動"を設定します。そしてその標的行動の現状を観察・記録をしていきます。その記録方法として意識することは以下の項目についてが推奨されています。

頻度
持続時間
強度

例えば"子供が大声で泣く"という行動を標的行動として場合、それが1日の中で起こる回数(=頻度)、泣いている時間(=持続時間)、泣き声の大きさ(=強度)というように3つの尺度で観察・記録をするとその先の変化が見えやすくなります。

今回挙げた例では"子供が大声で泣く"ということなので減らしたい行動になりますが、行動変容法では逆に増やしたい行動もアプローチの対象となります。それぞれ行動変容の方向性としては以下のように定められています。

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増やしたい行動に関しては「強化」、減らしたい行動に関しては「弱化」、無くしたい行動に関しては「消去」という言い方をされます。今回例にあげた"子供が大声で泣く"に関しては、「弱化」もしく「消去」の方向性に持っていきたい行動になりますね。

また、増やしたい行動「強化」に関して例にあげると子育てにおいては"片付けをする"などがあてはまるかと思います。標的行動を「強化」の方向にもっていきたい場合の1つの例としてシェイピングという手法があります。

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上図のような感じで、最終的な標的行動として"毎回遊んだ後に片付けをする"ということを設定したときに、最終ゴールにいきつかなくても1回片付けができた時点で強化子(=例:あめをあげる)として子供が欲しいものをあげるなどして徐々に最終的な標的行動に繋げていくものです。

このシェイピング以外にも標的行動とその向かうべき方向性によって、先行子操作・タイムアウトとレスポンスコスト・習慣逆転法・トークンエコノミーなど様々な手法があります。アプローチする行動と状況によって用いる手法は違うため本格的に行う時は専門家の相談を受けられるとよいですね。

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