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「もしも椅子のせいにして寝れたなら」|#ユーモアのある無駄 No.021|余 日 @yoka_yohaku

わかっているけど、やめられない

時刻は深夜2時を回った。
どうして深夜は仕事が捗ってしまうのだろう、そんな生産性のない事を考えながら冷めた珈琲に口をつける。

珈琲を口にして気づいたが、最後に珈琲を淹れに立ち上がってから数時間が経過していた。ワーキングチェアとは恐ろしいものだ、何時間座っていても身体が痛くならない。そして、当たり前のようにこんな時間まで起きてはいるけど、もちろん睡眠は大切。そんなことはわかっている。わかっているけど、やめられない。気づいたらずるずると仕事をしてしまうのだ。最近はリモートワークも増えて私のような境遇の人も多かれ少なかれいるんじゃないだろうか…。


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全部イスのせいだ

ふと、自分の仕事場に目を向けてみた。

集中できる大きさと高さの机、隅々まで見渡せる明るいデスクライト、疲れにくい角度に調整できるパソコンスタンド…
なんて快適な働く環境…!ここに、淹れたての珈琲とチョコレートも入ってくるのだ、最高の環境と言わずして何という。

だが、これを忘れてはならない。
もし「私の体を労って働かせてくれるで賞」を授与するなら、圧倒的このデスクチェアである。長時間と座っても疲れにくい構造で、仕事の生産性を上げ身体への負担は最小限に抑えてくれる。この上なく仕事が効率的に進むように作られているのだ。

・・・

そうか、全部イスのせいだ。
イスのせいで仕事が捗るから眠りを犠牲にしてまで仕事をしてしまうのだ…。

イスのせいにしてしまうなんて人間としてのみみっちさを感じるがそんなことは関係ない。捗る椅子があるから深夜まで作業をしてしまうのだ!

ということはだ。仕事が捗るイスがあるのなら、仕事を捗らなくさせてしまうイスがあってもいいのではないだろうか?

日中は捗るイスとして、夜になると捗らないイスにトランスフォームしちゃうような、寝ざるを得なくなっちゃう椅子があればいいのではないだろうか…。

それなら、諦めて眠れるような気がする…。

そうして仕事を放棄し、ひとり頭の中で空想劇が広がっていくのであった。


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もしも椅子のせいにして寝れたなら

例えば、こんなイスがあってもいいような…。
持ち主よりも先に寝てしまうことで、眠りへと誘ってくれるイス。

名前は「もうネムイッス」とか。

時間が来ると、ゆっくりと時間をかけながらリクライニングしていき次第にふっかふかになってしまう。

もちろんリクライニングしていく時間は各々で自由に設定できるようにね。生活スタイルは様々だから。


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そんな妄想に浸っていたら居眠りしてしまった…。

気づいたら時刻は朝の5時。デスクトップには中途半端な仕事たちが私を冷ややかな目で見つめている。ごめんよ、でも「お待たせ」とすぐに仕事に戻れるほど朝に強くないんだ。

仕事たちの痛い視線を布団で遮りながら、ふて寝を決める。

ああ、明日からちゃんと生活しよう。


余日 -yoka- では、今の時代に必要なのはきっと「ユーモアのある無駄」だ、という信念のもと、思いついたくだらないアイデアをたらたらと垂れ流していくチャンネルをTwitterにて運営しています。

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