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フランス・リール(Lille)市内・近郊の交通手段①

Bonjour! ぱれすぅ〜です。
この記事では、学生都市で留学生の多い都市リールLilleの交通手段について、紹介していこうと思います。

※リールの魅力については以前記事に書いています。興味のある方はこちらもどうぞ↓



リールLille自体は小さい。でも、近郊とのアクセス良好。

リール市は地方都市で、そのものの面積はさほど大きくありません。
しかし、地下鉄やトラム、バスが充実していて、近郊の街との連携がうまいのが特徴。

例えば、リール市パス(動物園や図書館、その他生活や遊びに使えるパス)を登録する際、住んでいる地区によって割引が効くようなサービスがあり、リール市の近郊のHellemmesエレム、Lommeロームなどの住民も含まれたりしていました。

こうした近郊も含んだ街づくりの考え方は交通機関においても反映されていて、地下鉄やトラム、そしてTER(電車)は近郊都市の中心部をつなげるような設計がなされていて、バスはその中心から街の隅々をつなげているような印象を受けます。

フランスの交通機関にしては珍しく、ileviaは真面目。

ileviaとはリール市周辺の公共交通局のこと。ileviaがメトロやバス、トラムを管理し、Nord県の中長距離電車を管理するSNCF(フランスの国鉄)とも連携をとっています。
日本とは異なり、フランスは90パーセントが公共交通機関で成立していて、私鉄はあまり見かけません。(詳しくは他の記事で書く予定)
そのためかは分かりませんが、交通系は時間にルーズだったり、運休に関する情報発信が遅かったりなかったり…。
そんな中でも、ileviaは比較的仕事が真面目だなと感じる瞬間があります。

その理由が次の通り:
①バス、地下鉄、トラムは渋滞や人身事故などのトラブルがない限り、ちゃんと来る。大体時間通り。
②交通機関の本数はラッシュアワーなどをちゃんと加味しており、朝・夕方は5分ごと、昼は10〜15分ごと、深夜は15〜30分ごとにくる。
③地下鉄の始発は5時半、終電は0時30分。(比較的長い!)
④交通パスのチェックが頻繁で、不測の事態への対応が柔軟。ileviaで働く人がバス内・地下鉄内に常時必ずいる。
ストライキ、工事の都合などによる時刻表や路線(停留所)の変更などを最低2週間前には予め知らせている。専用アプリには必ずお知らせとして記載している
⑥通常時とバカンス時期の時刻表は多少の変更があるが、そうした情報をGoogleにちゃんと提供しているのか、Google Mapと本時刻表のズレがほぼない

フランスに住んでいると日本では思いがけない変更に遭遇が多々ありますが、ileviaに関してはそうした情報提供が比較的マメで正確です。また、地下鉄・トラム・バスは利用者数に応じて適宜本数を定めているようなので、住む場所によっては時刻表をチェックしなくても移動手段が定期的にあって、ちゃんと時間通りにくるというのはストレスなくいけます。
ぱれすぅ〜は日々、乗り換えしながら学校に行っていますが、その何かの手段がストライキや運休で止まってしまった場合でも、また別のルートを選んで学校にたどり着ける(それくらい交通網が充実している)という点で、リールは暮らしやすいと感じています。

ileviaのsiteはこちら↓


【解説】交通パス Carte Pass Passについて

Ileviaが発行するCarte Pass Passとは、MEL(La Métropole européenne de Lille)の区間に基づいて発行される、TER(電車)、Métro(地下鉄)、トラム、バスを利用するための交通パスのこと。 

MELとは?
フランス・オー=ド=フランス地域圏のノール県中央に位置する、リール市、ルーベ市、トゥールコワン市からなるフランスの自治体間都市のこと。

運賃の仕組み

Google Mapで検索すれば、道順はなんとなく分かるようになってきた現在。
その中でも見落としがちなのが、フランス各都市で異なる、公共交通機関の料金体系!!!
特にileviaが提供する料金体系は、日本のSuicaやパリのNavigoと少し異なります。

まず、リールに長期滞在しない人向けに必要な情報:チケット

① 一つの切符あたり、Ileviaの定める範囲内でバス・トラム・メトロ・TER(電車)が乗り放題、一律1,8euros(三駅分の距離だけ利用の場合は1,15euros)

② 一つの切符は1時間有効(つまり、メトロからバスに乗り換えても1時間以内の移動なら一律1,8euros)

③ 紙の切符は存在しない(紙かプラスチックでできたカードに使う回数分をチャージして使う)

紫がプラスチック製、白が紙製


④  交通パスのタッチは入る時だけ

メトロの改札

⑤ 自販機やAgenceでチケットを買わなくても、公共バスはオンラインで購入可能なSMSのチケットも存在する(ただし、一回あたり2euros)

⑥ 2023年7月から、ileviaの発行するカードを買わなくてもクレジットカードのタッチ決済で直接利用できるようになった(ただし、一回あたり2euros。改札は紫と黄色。)

紫と黄色の改札はカード決済用


チケットを買う場合の料金体系*2024年1月25日現在


次に、一年以上滞在する人向けの情報:Abonnement(定期券)


① 定期券を買う場合は、最長で10ヶ月(9月〜6月)の契約になり、一括払いか月毎の支払いの選択肢がある(毎年更新制

②  定期券は日本のように定期区間形式ではなく、乗り放題形式

③ 定期券申請にはリールの住民であることを証明する必要があり、申請には2週間かかる。その代わり、利用回数や距離など関係なく一律なので、場合によっては安い

その④ 働いている場合は、定期券の50〜75%を雇用側が負担

その⑤…

衝撃!リール市特有、交通パスでの優しい政策!

他の都市では見られないのですが、ileviaは収入や家族の状況によって定期券を安く買える仕組みが存在します。その名もLa Tarification Sociale de la MEL(MELのソーシャル・プライス・システム)。
なんと、CAF(家族や住宅・失業者のための補助を行なっている機関)のQuotient Familial が条件を満たしていれば、定期券が一ヶ月あたり50〜87%割引されるというもの!!!
金欠学生で公共交通機関のヘビーユーザーであるぱれすぅ〜にとって、なんという恩恵でしょう!!!
通常なら一ヶ月あたり54euros払うところを6.7eurosで済むわけです!
ただし、CAFでの手続きはなかなか進まないことが多いので、留学一年目からこれを当てにはできないかもです…。


リール住みの場合のチケットと定期券


Carte Pass Pass, チケットが乗り放題な区間

まず交通パスやチケットはバス・トラム・メトロ・TERで使えると先述しましたが、乗れる区間が設定されています。

基本的にMELが適用される場所なので、バス・トラム・メトロは全駅・全停留所利用できます。もちろん、Lille市から離れてRoubaixやTourcoing, Villeneuve d'ascq, Lommesといった隣接都市にもメトロなら中央から30分以内で着くことができます。

メトロとトラム


ただ、TERの場合、都心から離れパリやアミアン、アラス、ダンケルクなどあらゆる都市へとアクセスが可能です。
MELと協力体制もつ都市(主にNord県内)であれば定期券やチケットを持っていればそのままいくことができますが、その区間を超えると料金が発生します。そのときは、あらかじめ交通パスにチャージしておくか、SNCF connectというサイトで電車のチケットを買っておく必要があります。

ileviaの1,8eurosチケット、abonnementでいける範囲の地図がこちら↓

TER ileviaのチケット適用圏内

私はRoubaix-Lille Flandres間、Armentière-Lille Flandres間を利用したことがありますが、前者は10分、後者は1時間かかりました。
結構広い区間を利用できるので、ちょっと離れたところに住んで都心部に働きに来る人率が高いように思います。また、隣のベルギーにも1時間あればブリュッセルまでついてしまうという点から見ても、逆にリール近郊に住んでブリュッセルやValenciennes(トヨタがあるところ;企業が多い都市としても知られる)に出るケースもあるので交通網はとても整備されている印象です。

まとめ


今回はileviaに関する運賃体系や運行区間について書きました。
思ったよりも長くなってしまったので、購入方法については次回詳しく書こうと思います。
では〜!

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