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湯の楽代田橋に行った話

だとは思ったけどやっぱり空いた。
まるで更新をしなくなった。
怒られるほど売れてないのが救いだ。救いか?

5/29の話になる。
同期の単独ライブを見てホクホクしたあと、その足で銭湯へ行った。

よく行く銭湯仲間と合流し代田橋駅へ。

着いた駅は決して強そうには見えない、ローカル感あふれる駅。もう一人、お決まりののっぽくんが合流するというので駅で待つ。ほどなく合流。


駅から出るとすっかり背の低い建物が並ぶ町に出る。
駅前銀座とでもいうような居酒屋やご飯処が並ぶがどれも小さく、その銀座すらアッという間に出口につく。これが代田橋か。


そんなことを思ってるともみあげの太い方が「飯を食う」と言い出す。
はじまった。

私はとにかく家に飯がある。
新宿、渋谷、池袋にギリ一時間かからずに行ける距離に実家のある私はもちろんそこに住んでいる。月に2万の支払いで炊事洗濯をしてもらえるんだからみんなにもおすすめだ。
そして夕方までに連絡をいれていない場合は家に夕飯が用意されている。これをさしおいて外で飯を食べようもんなら全くの無駄遣いだ。必要のない850円。
なので、銭湯に行くときは必ず相手にも自分に夕飯がある旨を伝えることにしている。今回もご多分に漏れない。

が、このもみあげは自分が満足すればいいというジャイアンのような発想で生活しているので、私の実家飯宣言をまるで聞かないのである。百歩譲って晩飯をまるまるおごってくれるのであれば渋面をしながらもごちそうになるが、ジャイアンはそんなキャラではない。

行かなきゃいいじゃないかという意見もあるだろう。
それは本当に静かにしてほしい。
お腹がすいて目の前にラーメン屋があったら入って食べてしまうよ。お金がなくたって。
そうして毎回ジャイアンのいいようにラーメンを食わされてきたんだから。


そんな流れで今日も食べるのかとやや諦めが入りだすが、一応抵抗してみる。

「いや、俺は家に飯あるから。」
「うるせぇ。」

横暴。
相手の話は聞きましょう、みたいな啓発ポスターにしてほしい。

「俺も飯くってきたから。」
「!?」

ここで大展開。なんとのっぽくんも飯を食べているというのだ。
スリーマンセルのいいところは2人が同意見なら1人は負けるということだ。

「え、いやだめだよ。」
「いや、飯あるから、いらない。一人でその辺で食ってくればいいじゃん。」
「おいふざけんな。」

こうなったらジャイアンも窮地だ。

「俺らはいらないから、そういう店選んでよ。横で食べるの見ててあげるから。ちょっと食べれるみたいな店。」
「くそ。どうしよう。」

おろつくジャイアン。

「じゃここでいい?イモフライ食べたい。ここ!」

決定したのはどこでも見かける串ものの居酒屋。安上り確定。

「ご注文おうかがいいたします。」
「イモフライと。」
「すいませんイモフライが今日終わっちゃいまして・・。」
「え!?」

おろつくジャイアン。

「えっと、じゃコロッケと、串カツと、煮込み丼と、」

慌てて異常な数の注文をしだす。

「イモフライ食べにきたのにイモフライないのかよ・・・。」
「オリンピックのチケット応募した?」
「え!?あ!?忘れてた!?いつ!?」
「今日まで。」
「うわ。もう無理だ。いいや。うわ。忘れてたわ。」

代田橋についてから調子が悪すぎるジャイアン。
飲み物がきてから待つこと20分。料理が一向に来ない。

「ちょっと。」
「いや、遅いよね。」
「誰だよここ選んだの。」
「いやいやいや。店の問題でしょ。」

そうして時間は刻一刻とすぎ気づけば22時前。
おっそく来た冷凍みたいなコロッケを嬉しそうにほおばるもみあげをせかして足早に銭湯へ。

「後手だなぁ。」

と、言いつつ到着したのが
湯の楽代田橋
駅からほど近い、ビル型銭湯。大通りに面した看板に「露天風呂、高温サウナ、ソルティサウナ、日帰り薬湯」などと記載されている。

靴箱を抜けると前にソファーがあり、右手にフロント、左手に券売機や飲み物の冷蔵庫。
自由に使えるシャンプーリンスをここで取って中に入る。

脱衣場は広め。

浴室は中に入るとすぐ左に薬湯がある珍しい配置。左前にカランがあり体を少し流してから女性風呂側の壁に沿ってつくられた湯舟に向かう。
リラックスバス、などの表記がある看板が鷹番の湯と同じ絵だ。ドリームバスとかあるやつ。なんかあるのかな、この風呂のジャグジーも製造元によって張り付ける説明版が違うみたいなの。説明版だけ別で買うのかなそれとも。

入口から見て右奥にソルティサウナがある。
ソルティサウナは六人程度入れるサイズで、中にはおけに山盛りで塩が置いてある。おしりに敷く用でビート版も置いてあり、それを洗う水道すらあるからよく考えられている。
こういったビル型の銭湯でソルティサウナをやっているところも珍しい。個人的には塩をからだにぬるのが美容感強くて好きだ。

出てすぐのところに水風呂が設置されている。
わりとちょうどいい温度だった。たしか。

男湯にはこの日は露天風呂がなかった。
どうやら薬湯がある湯と露天がある湯(いずみの湯とかぐらの湯)が毎日入れ替わりになるらしい。露天風呂好きだから残念だったなぁ。

ジャイアンが麻雀で勝ちまくっている話とのっぽくんがしきじのサウナで整った話を聞いてサウナを上がり、フロントへ。

ハニップC発見!
最近の遭遇率高い!!
無視してコーヒー牛乳をぶちこむ。
からだが生き返る。


そして気づけば時計は23時をとっくにすぎている。

「やばい、終電だ。」

つぶやいたのはもみあげジャイアン。もはやジャイアンの片鱗もなくただのついてないもみあげだ。
余韻も醍醐味なのに、味わう暇もなくいそいそと駅へ。
途中もみあげの友人が飲み屋にいるところを発見。「終電逃そうぜ」というノリノリな会話に「いやぁまた今度!」と綺麗に挨拶していた。今日の流れなら終電を逃すのも全然あり得るのに。

友達の知り合いでお酒が入っている人、という最悪な人を目にしてしまったので、もう塩サウナなんて引っ込んでしまったよ。私は苦手だからね、そういうの。

なんとか終電に乗る。
なんだ、乗れるのか。
大失敗を予想した手前残念だ。

のっぽくんだけ別方向なのでもみあげと二人で電車にのり、もみあげが「最近の俺の銭湯レポに気合が入っているから聞いてくれ」と語りだした。その嫌にドキュメンタリーな口調のレポでうつつを抜かしているとふと気づく。

「・・・あれ。俺いんだよなこのまま乗ってて。」
「え?」
「・・・どっかで急行に乗り換えるみたいなの書いてあったんだよな。」

ざわつくもみあげ。

「あ、え!笹塚で乗り換えなきゃいけなかった。」

きた!!!
やはり今日こいつはとんでもなくついてない!!!

「うわぁ。・・・大丈夫だ。いや、まだいける。」
「ほんと?帰れるの?」
「いけるたぶん。」

おそろしくかわいそうだ!!!
絶対に占い最下位だこいつ!!!
のうのうと自分の銭湯レポに酔いしれてやがった!!!

「じゃここで降りるわ俺。」

すっかり意気消沈したもみあげを見送り、一度いなくなった銭湯の熱を滑稽さで取り戻し、余裕をもって帰路へ。
これでしばらく飯のこと言わなくなればいいんだけどな。
銭湯しか目に入ってないから、きっと無理だな。

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