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歌手の秘密のアイテム5つ

調子わるいとき、疲れているとき、その他、声のスランプの時、お世話になったアイテム5つをご紹介します。

酒場で歌う、流し歌手になって

流しは歌う機会が多いです。オーダーが続けば、一晩30~50曲を歌う日もザラにあります。しかもマイクがありません。周りの音環境も良くないことが多い。というわけで、自然とノドを酷使することになります。負担のない歌い方をできれば一番ですが、それも一長一短にできるわけじゃない。私も当初は苦労した1人です。たくさんの工夫をし、アイテムを使った上、リアルにオススメできるアイテムをご紹介します。(流しの仲間うちでも大好評です)

歌は色んなバランスの上で成り立っています。『呼吸』『声帯の使いかた』『共鳴』『言葉の処理』などを瞬間瞬間で操つりながら1曲4分くらいを歌っています。ですから量をこなしていくと、どこかに負担がくるのも当然なのです。身体のどこかが疲弊してくると、発声のバランスが崩れます。(元気なときは放っておいてもまあまあ良く歌えたりします)

ご紹介するアイテム達は、歌う時のカラダのバランスを整えたり、補強をしてくます。それから自然と良い発声のヒントをつかむことにも繋がります。解説には、メリットと注意事項ふくめ、詳しい私見を書きました。アイテムはすべて一般に売られている商品です。気になる方は、ぜひご自身でお試しを。

流しが使った5つの発声のアイテム
・パワーブリーズ
・アミノ酸サプリ
・PAO
・ボイスリッチ
・せんたくばさみ

それでは、これらのアイテムが歌い手にどう影響するのか、詳細な説明をいたします。(マニアックで私見に満ちたものになります)

パワーブリーズ

パワーブリーズを使うと、歌に余裕がでる

パワーブリーズとは呼吸力を鍛える道具です。口にくわえて息を吸い込むときに負荷がかかります。吸いにくく作られています。『息を吸うための筋肉』を鍛えます。早く吸えば速筋が鍛えられ、緩やかに吸えば遅筋が鍛えられます。歌にはどちらも必要ですね。なぜなら、歌によって素早く細かいブレスをしますし、また複数の歌を続けて歌うこともあるからです。俊敏性と持久力。パワーブリーズは、そのどちらともを鍛えることができます。

結果、発声のためのキャパシティが上がります。素早い動きへの対応と、曲を通しての声の維持。ざっくり言いますと、歌に全体的に余裕がでます。本人的にも前より歌うことが楽に感じるようになるでしょう。

歌は『息を吐く』が、しかしポイントは吸気

歌唱中、息は「言葉といっしょに細かく出す」または「一定に伸ばして出す」などを繰り返しています。けっこう疲れる運動なのです。歌っていて夢中で気づかないかもしれません。もし無声で、この歌う時の息の運動だけやってみるならば、けっこう苦痛です。またその時に、自分の息の不安定さを知ることにもなるでしょう。

同時に気づくことは『吐く』と『吸う』はセットであること。呼吸ですから、いまさら当たり前なんですが。安定して息が吐ける条件は『余裕をもって毎回の吸気ができてる』ことです。息が乱れるのは『吸気した息が無くなるから』または『過剰に吸気した分が安定して保てないから』です。

息を吸う力=生きる根本の力

余裕をもって息を吸える。これは豊かさです。豊かな感情と繋がっています。息が足りない。それはどんな気分でしょうか。最悪ですね。最悪と考えることもできない一切の余裕がない状況です。歌とか表現どころではないのです。

息が足りなければ、まず『声を作れない』。それから、苦しいことで歌も良くならない。『表現する余裕がない』のです。息が足りないことで、2重のハンデになります。このハンデは、パワーブリーズで大幅に、勝手に、改善されてしまいます。さらに、オマケの力として『息を保つ』ことも容易になっていきます。持久筋のおかげですね。

エンジン排気量の大きい車は値段が高い。しかしその安定した余裕の走り、それから一気の加速に魅力があるのですね。歌も同じでしょう。そう、発声の土台・タネは吸気なのです。毎回、力強く、素早く、しかし本人には何でもない息として吸えている。これが偉大なる歌力の元です。

吸気で声は変わる

余裕をもった吸気で、ブレスごとに安定したセッティングができると声は驚くほど変わります。発声(声帯や言葉の使い方)に、極端な悪いクセがなければ響きは飛躍的に良くなる。土台の性能、性質が変わります。もちろん向上します。

呼吸力はエンジン/電力みたいなものです。声帯が、エンジンを動力に変換する装置です(声を作る)。言葉を発する口はハンドル。統合して、歌という芸術が成りたっています。だから簡単に言って、呼吸は歌の1/3の重要度です。また順番としてはまず息ありきですから、ベースと言えます。

車だったらエンジンや電力源を入れ替えるのに、お金がかかります。でもパワーブリーズで自分のカラダを改造強化できるのだから、一度チューンUPしてみる価値はあるでしょう。

吸気の今までにない効果・効率。ボイストレーニングの中での特殊性

一般的にボイストレーニングには、いろんな呼吸エクササイズがあります。しかしパワーブリーズのように吸気に負荷をかけるものは無かった。そもそも器具が無い。自分でできなくもないけど、やりにくい。ところが正直、スゴイ効果あります。あの山下達郎氏、B’Zの稲葉氏もパワーブリーズを愛用しているとのこと。どちらもベテランで実力を保っているシンガーです。(私もその情報から試してみるに至ったんですが)まあ効果ありました。仲間にも勧めました。周りで何人もが使い出しました。

発声に対して、吸気の力や吸気筋がどのように影響するのかロジックとして私はわかりません。現実を重視して、実際に使ってみた結果から考えられることを書いています。オフィシャルの説明に発声に関する説明はありません。ワーブリーズは心肺機能向上のトレーニングアイテムで、ボイストレーニングの専用アイテムではないです。

ただ、歌を安定的にまた力強く支えるために『豊潤に息がある』ことがベーシックに大事です。その影響たるや侮れない。呼吸の強度・持続力がUPすることを考えたら歌にも有利に決まっているのす。そもそも生きる上でのあらゆることが、息を吸ったエネルギーがあって初めて可能です。これを否定できる人はいませんよね。

注意3つ!

もちろん効果があったのでススメているわけですが、注意点もあります。ご自身で感じてもらっても面白いですが、述べておきます。

注意その1. 疲労
パワーブリーズを買うと、使い方が書いてあります。1日30呼吸。ムリな力を入れるな、など。また強度のランクがあります。一番強度が高いやつがアスリート用のレッドです。迷わずレッドを買いましたが、青でイイと思います。まずはムリなく、説明書の通りに使いましょう。それだけでも新しいことで、今までやっていない運動なのです。安全のことを考えれば当然、説明書に従いましょう。それが余裕で退屈なレベルまできてから工夫しても良いと思います。まずそこまでイキマセン。

ちょっと無理すると全身の疲労に見舞われます。本番の日、または前日にパワーブリーズをやりすぎたりすると、息を保つ筋肉がバテてしまいます。もう生活してるだけでカッタルクなってしまいます。そうなると、もはや『歌いたい』より『横になりたい』です。胴体全体と、特に背中が疲れます。筋を傷めたりもします。整骨院やシップが必要になったりします。長期的に育ててゆくものと考えましょう。やりすぎる気持ちもわかります。

注意その2. 出力(呼気)しすぎ注意   

パワーブリーズで基本的に声量があがります。なにか胴体が満ち満ちた感じで、堂々と大きく強く歌いたくなってきます。呼気(吐く息)がついつい多くなって雑になっていく。(もちろん個人差や性格もあります。)今までどおり普通に歌えば、ただ良い方向に向上していると思います。そこから余計な考えを起こすと崩れる原因になります。発声時に『息があること』と『息を大量に使うこと』は全然べつのことです。

パワーブリーズでいつもの難所だった場所へ、余裕をもって来れた、一歩先へ来れた、そのくらいが副作用のない最高の効果だと考えましょう。出力に余裕があるからと言って、自分のセンスを壊してしまっては本末転倒です。

注意その3. 筋肉で吸わない

吸気は、呼気に対する反作用として自然に行われる状態が一番バランスが良いです。理にかなっている方法は、自然の身体が知っています。パワーブリーズで吸う努力として筋肉を使ったかも知れませんが、それをふだんの歌のブレス時にわざわざ作動させないこと。これは重要な注意点です。

より自然に楽にブレスを連続してこなすため、俊敏性と持久力をあげるためにパワーブリーズで負荷訓練をしたのです。無条件に呼気のあとに自然に入るのが良い吸気なのです。自然を維持するための底上げをしたのです。

変化にとんだ曲を歌うことで、日常に生きる人は、呼気も吸気も乱れたり疲弊したりしてきます。パワーブリーズをやっておくと、自然に補佐してくれてるような状態になります。パワブリで鍛えた筋肉を、わざわざ起動しない方がよいです。するとオカシナことになります。声は出ても歌としてのバランスがわからなくなるような感じです。

ほか。関係ないけど、よかったこと

良く寝れる。落ち着いた心境になる。日常的に呼吸が楽になる。喋り声も自然と良く出る。スポーツはやってないので分かりません!

以上。パワーブリーズでした。

つづく。


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