見出し画像

「ひとり花見」のすすめ

今年、人生初の「ひとり花見」をした。

というとずいぶん“粋”な行為のように聞こえ、実際その時SNSに「ひとり花見中」なんて書き込んだところ「風流ですね!」「いいですね!」なんてコメントをもらったりもしたんだけど、なんのことはない、ただ自分の他に誰も来なかったというだけ。

というと今度は、ずいぶん人気のない奴だと思われることだろう。
まぁ実際そうなんだけど、もうちょっと詳しく経緯を話すと、家の近所のとあるお店で参加者約10人の宴会を企画し、それが夕方からだったので、これまた近所の「石神井公園」で午後くらいから“プレ花見”をやろうと思い付いた。
参加者には「自分はひとりでも勝手にやってるので、もし気が向いたら来て下さい。連絡不要!」とだけ伝えておいた。
で、けっきょく最後までひとりだったというわけで、うん、やっぱり寂しいやつには違いなかった。

※ちなみに妻には、この日かなり気温が低かったこともあり、自分の思い付きで無駄に身体を冷やしてしまっても悪いので自宅にいてもらった。「誰か来たら呼ぶからー」と。

さて、場所は石神井公園。
大きく石神井池側、三宝寺池側とに分かれてるんだけど、三宝寺池側の野球グラウンドの周りが花見スポットになっている。
駅から距離があることもあり、そんなに混まない穴場。

これは別の日の朝の写真だけど、

満開だとなかなか見事。


花見をした日は終始薄曇りで気温も低かったんだけどね。

ひとり花見のスタイルはこんな感じ。

場所はみんながワイワイやってるとこからはちょっと離れた、草むらで影になってるようなところを選んだ。

もし誰か来た時用に一応ピクニックシートは1枚持っていたけど、それを広げてひとりで飲んでるのはあまりにも寂しいし、お尻も冷えそうだったので、キャンプ用のイスを持参。
これが正解で、ものすごく快適だった。

むこうの方には、楽しそうなお花見グループが多数。

よく「花見では誰も花なんて見ていない」なんていうけど、今の自分には酒を飲むか花を見るくらいしかすることがない。

人生で経験してきた花見の中で、ダントツで一番花を見た。

夕方から宴会があるので、つまみは味付け海苔。
ゆっくり2時間かけてチューハイのロング缶を2本。

こういう状態でひとりで飲んでいると、居酒屋で心が解きほぐされていくような心地良い酔いとも、大勢でワイワイ飲む時の楽しい酔いとも違う、ちょっと「覚醒」に近いような酔い方をする。
感受性が無駄に豊かになり、最終的には桜がきれいってだけでなぜか泣けてくる。

まぁ、そんなことを考えながら酒を飲んでるやつが、

ひとりでこんなとこに座ってたら、限りなく怪しいけどね。


とにかく、ひとり花見は意外にもすごく楽しかった。
また来年もやりたいし、ていうか季節に関係なく色んなとこでこうやって飲もう。


関係ないけど近くで、何か妙なものを作ってそのまま立ち去ってしまった奴がいたようだ。

これもまた、きっと何かそいつにしかわからない楽しみなんだろうな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?