フリーランス生活2ヶ月

長年勤めていた会社を辞め、フリーになってちょうど2ヶ月たちました。
自分は立派な長期計画や、人生に対する深い考察などができるタイプではなく、ただ流れに身をまかせて生きてきたらそうなっていたというだけなので、あまり意味はないかもしれません。
それでも実例は多いほうがどこかの誰かのためにはなるかと思い、これまでに感じたことなどを記録しておこうと思います。

おかげさまで今のところ、割と忙しくさせてもらっています。
これまでの昼夜ダブルワーク状態よりは少し時間ができるだろうから、たまには図書館にでも行ってゆっくり気になる本を読みたいとか、お世話になった酒場などを朝からめぐる日を作りたいとか思っていましたが、現状はただただ締め切りに追われ続ける日々。
が、この状態は、「あいつ最近フリーになったらしいね。試しにひとつ仕事でも振ってやるか」というありがたい編集者さんたちの存在のおかげであり、今後も続くか続かないかは完全に自分次第でしょう。
そもそも、いただいた仕事に対してきちんと求められる以上のものを返せているかというと、まだまだな部分ばかりが思い当たります。

が、それはそれとして、実際に会社を辞めてみるまで両肩に重くのしかかっていて、さらに大きくなるとさえ想像していた、「漠然とした不安」というようなものは、フリーになった途端、驚くほどきれいさっぱり消えていました。
漠然とした不安って、漠然としてるだけあって、意外と実態がないもんなんですね。
仕事をする動機が、「とにかくやらないと生きていけないから」という単純なものになったぶん、そういった不要な要素はだいぶ削ぎ落とされた感じがします。

同時に、なんだかものすご〜く身体が軽くなったような感覚もあります。
大してストレスもないような前の職場だったんですが、夜どんなに酒を飲んでも、毎日同じ時間の電車に乗って出勤するということは、自分にとってかなりの重荷だったんだなぁと今になって実感。
何年もうだうだと現状に対して悩んでいたのはなんだったんだ、とも思うけど、まぁ、焦って先走っていたらよけい悪い状況になっていたかもしれないし。

平成屈指のアンセムのひとつ、スチャダラパーの「サマージャム'95」の歌詞の中にこんな一節があります。

何だかんだ言っても 夏休みだから
子供のもンな訳よ 昼間は
そっ 昼間はね 奴でも食って
デーンと構えてればいい訳
再放送のドラマでも見て
気がつくと 昼寝になってたりね

延々とこの調子なので、「で、この大人たち、仕事はしないの?」というのが、当時リアルタイムでこの曲にやられまくってしまった自分の、もうひとつの感想でもありました。

現在の自分はというと、朝、適当な時間に近所の仕事場へスケボー出社し、好きな酒に関する原稿ばかりを書いている。
「今日は武蔵野園でオムライスをつまみにホッピーを飲む取材」「今日は折りたたみ椅子を持って京都へ」「今日は締め切りの関係で駄菓子屋へ行って500円以内で酒とつまみを買って飲んでみる」などと取材へ出かけていく。
だいぶわけのわからない、はたから見たら「で、本当の仕事はいつするの?」って具合の毎日を送れているわけで、大変ありがたい。
こうなったらもう、当面はこの方向で突き詰めていくしかないよなぁと思っています。

仕事も生活もぜんぜん楽じゃないし、まだ2ヶ月なんでなんもわかってない。
そもそも、漠然とした不安はなくなったけれども、将来に対してのはっきりとした「不安」は消しようがない。
それでも、少しは楽しくやれてますよ。
という、経過報告でした。

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