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生まれて初めてちゃんとした「絵」を買った話

スケラッコさんという、僕がものすご〜く好きな漫画家さんがいらっしゃいます。

例えばこの「しょうゆさしのなんとなクッキング」とか読んでもらえたら、その理由は一発でわかってもらえると思います。

今年の7月には初の単行本、

「盆の国」

も発売され、これがまた素晴らしすぎました。

帯にも書かれている通り、いろんな夏の要素がたっぷりと詰まっていて、ちょっと怖くて、ドキドキできて、最後はほろりと泣けるという最高の1冊。
まだの方は是非、夏が終わる前に読んでみるといいと思います。

この夏、単行本の発売を記念し、関東と関西の何箇所かでスケラッコさんの個展が開催され、僕は池袋の「ポポタム」さんでやられていた期間に、ひとりでとか、友人と一緒になど、3回足を運びました。

個展自体本当に素晴らしかったのですが、中でも、ふと気づくといつも同じ絵の前にいてしまうってくらい気に入った作品があったんですね。
で、2回めに見に行った日の夜に、「あの絵、今買わないともう生で見ることができなくなっちゃうかもな……」と思ったら、急激にいてもたってもいられなくなりました。

もちろん描き下ろしの1枚絵なので、それほど生活に余裕のあるわけでもない自分にとって、気軽にポイッと出せる金額ではありません。
これまでの人生でちゃんとした絵を買ったことなんて一度もないし。
だけど、どう考えても、その分また仕事をがんばってでもあの絵が欲しい!
かなり悩んだ末にやっぱりそう思い、翌朝ポポタムさんに予約の連絡を入れ、無事購入することができました。

それがこちら。

京都の川床のような場所で、「盆の国」の登場人物や、お盆の間だけ現世に帰ってくる「おしょらいさん」たちが宴会をしています。
漫画の中でこういうシーンがあったわけではないけど、いつかこんな時間が訪れたらいいなっていう、理想郷のような風景。

そもそも「宴会の絵」って、ちょっと珍しいですよね。
そこも自分が惚れ込んでしまったポイントです。

主人公の秋と夏夫、表情がものすっごく良い

猫のしじみもいます

人物やおしょらいさんひとりひとりの表情やしぐさを見ているだけで永遠に飽きることがない、多幸感に溢れまくった絵。

しかも自宅なので、酒を飲みながらじっくり堪能することもできる!

自分にしてはかなり勇気を出した行動だったけど、すこし気持ちが豊かになった気がするし、買って本当に良かったです。

しかしあれですね、絵を買うのって、自分が独占してしまうことによって他の人が見られなくなってしまうという、ちょっとした罪悪感も感じるもんなんですね。
初めての経験だったので、そんな気付きもありました。

とにかく、末長く大切にしていこうっと。

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