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ボスと姐さん部下の珍道中 : サンフランシスコ&シリコンバレー出張


こんにちは。
少しずつ春の足音がしているのか、雨が多くなり、ちょっと暖かい日にオフィスで半袖になって(は周りから驚かれて)いる、parkERsブランドコミュニケーション室・坂井です。


課題解決の一手として、そしてチーム力強化と融合のために「IBM Kenexa」の「職業パーソナリティ調査」を取り入れて組織づくりに活用させていただいたご縁から、ブランドマネージャーの梅澤が日本IBMさまにご招待いただき、世界180カ国2.6万人を超えるビジネスパーソンが集まるIBM主催「Think 2019」(2月12日〜14日開催)に参加させていただきました。


今回は本業であるデザインや植物に関することではなく、ちょっと脱線してボスの梅澤と通訳兼ねて同行させていただいた姐さん(年上)部下である坂井のサンフランシスコとシリコンバレー出張の様子をお届けします。


長くなってしまったので、よければ興味あるところだけでもかいつまんでのぞいてみてください。



珍道中の幕開け

出張当日。

予約していた飛行機は、夕方の便だったので午前中は通常通りオフィスに出て、そこからお昼ごろの成田エクスプレスに乗って成田国際空港に向かう予定でした。

  「行きのNEXでお弁当を食べながら移動かな〜♪」

と(いつものようにご飯のことばかり)考えていたので、12時が近づくと落ち着かずソワソワしていた坂井。

それに対して、なぜか悠々と構えている梅澤。


  これが上に立つ人の余裕なのか?


と思って静観していたものの、出発時間だというのにおもむろにコンビニの豚汁をすすり始めるボス。


坂:「え!?!?梅澤さん、いま食べ始めるんですか?もう出る時間です!◯分のNEXに乗るのでもう渋谷に向かいますよ!!さあっ!」

梅:「え?豚汁…食べたい…(あわてて食べようとして)あつっっ。」

坂:「間に合いません!諦めてください!!」

梅:「え〜?ダメ〜?じゃあ、山田くん、これあげる」(といって食べ始めた豚汁と使いかけの割り箸を隣に座っていたイケメンインターン渡す)

山:「・・・」(優しく苦笑)


山田くんを犠牲にしつつ(山田くん、本当にありがとう!)、豚汁への未練を振り切ってもらい、なんとか予定の成田エクスプレスに飛び乗り、成田国際空港に向けて出発しました。

が、このあたりからいろいろ波乱の兆候があったように思います…


はじまりはいつも…

そんなこんなで、成田国際空港に着いて、機内用に楽な格好に着替えてほっとしたのもつかの間。さっそく、荷物検査で坂井が…

  金属探知機でひっかかる

というお約束のハプニング発生。

気をつけてベルトなどはせずに、髪留めやアクセサリーも最低限。「なぜ!?」と思ったら、原因はコチラでした。

(汚くてもすみません…)

自分に足りない輝きを、靴に求めすぎてギラギラしてしまった結果です。

反省。


そんなギラギラした靴を脱いでかろうじて出国審査を終え、搭乗前のラウンジに到着。ホッと息をついて、PCを取り出して仕事をし始めたのもつかの間、今度は…


 「坂井邦子さま。カウンターまでお越しください。


館内放送で呼び出されます。


そう。
経験のある方はお気づきのことでしょう。


あの、飛行機に乗る前の


 選ばれし者だけが受けるという「ランダムチェック」


に呼び出されたのです。


カウンター裏のカーテンで区切られたあやしい部屋にあやしい?数名が呼ばれ、頭の先からつま先まで入念なボディチェック。

手荷物や財布の中身もすべてみられ、あげくに自分の手、リュックの内部やPCを紙切れでフキフキ。

その後その紙の硝煙反応テストをクリアして、無事クリアしたと証明するリボンを貼ってもらえるとやっと出れる、というものでした。

(フキフキされて無事生還した愛用のMacBook Air)

後ろめたいことは一切なかったので(当たり前)堂々とランダムチェックを切り抜け、バタバタしながらも無事に搭乗し、サンフランシスコ国際空港へと旅立ちました。

* * *

小休止。
機内では、映画館に行きそびれた話題の「ボヘミアン・ラプソディ」と

見逃していた「クレイジー・リッチ!」を鑑賞することができました。

「ボヘミアン・ラプソディ」はとにかく演技と圧巻のライブシーン、「クレイジー・リッチ!」は華僑の考え方や世代間の価値観の違いなどラブコメに収まらない奥深さもあり、どちらも期待を上回る名作(坂井比)で、あと10回は観たい映画でした。(DVD買います)

いい映画を観ることができても、エコノミーの狭い席(いつもエコノミーですが)での9時間以上の長旅は長かった…


Day 1 :  「AIは人間の知能の『拡張』であり『代替』ではない」

ここからが本題。

搭乗から9時間半後、朝のサンフランシスコ国際空港に到着しました。

タクシーでサンフランシスコ市内に向かいながらグーグルマップを眺めていたのですが、子供時代、坂井が住んでいた空港近くの小さく、のんびりしたサンブルーノという町を通過した時、YouTubeの本社ができていることに気づき、時の流れを感じました。

注)坂井がサンフランシスコ郊外に住んでいたのは、「ボヘミアン・ラプソディ」でも流れていたQUEENの「Another One Bites the Dust(地獄の黙示録)」が大ヒットしていた、QUEENの第二黄金期真っ最中…つまり、四半世紀以上前。時の流れを感じて当然でした。涙

* * *

さて、そんなノスタルジーに浸る余裕もなく、予約していたAirbnb(※)についてすぐに荷を解き、Uberを呼んで「THINK 2019」が開催されるモスコーニセンターへ向かいました。

※「出張なのになぜAirbnbなのか?」はまた別の機会にご紹介できればと思っています。

Think 2019」は、サンフランシスコ市内のビジネスの中心地にあるこのセンターを中心に、その周辺施設で四日間に渡り1,200以上のセミナーやカンファレンスが開催され、世界180ヶ国2万6千人以上が参加するIBM最大のテクニカルカンファレンスです。

「Think 2019」の初日では、IBM Chairman President and CEOのGinni Rometty(ジニ・ロメッティ)氏の「Building Smarter Business」と題した講演を聴講しました。

印象的だったのは、AIについて「目的とするのは、あくまでも人間の知能の「拡張」であり「代替」ではない」「データや知見は所有者に帰属する」「理解し信頼できるよう、透明性を持つべき」と「信頼性と透明性」について特に力を入れて話していたことでした。(こちらから動画が観れます(英語))


Day 2:「Watsonの教育への活用」と展示エリアへ

2日目は、モスコーニセンター裏にある映画館(会場のひとつ)へ移動。

「映画館でセッション?」と最初は不思議な感じでしたが、当然ながらスクリーンが観やすく、登壇者との距離も近い会場でした。

ここでは、東京大学・高大接続研究開発センターの白水 始教授とparkERs主催イベント「」にもご登壇いただいた、日本アイ・ビー・エム(株) Watson事業部の東出 紀之さんによるセッションに参加。

「Dialog to Text in Collaborative Learning Environments」と題したセッションでは、白水先生の東大CoREF「協調学習リソース」(一人ひとりの学ぶ力を引き出して伸ばすために学習科学に基づいて産学官連携で進める新しい授業づくりのリソース)の「知的構成型ジグソー法」、その中でのWatson Speechの活用事例などが紹介されました。


その後、巨大な展示エリアを周り、IBMやその他AI、クラウド、Saasなど各社の出展ブースを見学。

スケールも大きかったのですが、各ブースにはある程度のデザイン的なルールがあったようで、その効果もあって日本の展示会でありがちなごちゃごちゃとした印象がなく、広いながらも、統一感があり洗練された展示エリアとなっていました。

(さもありげにIBM Garageについての説明を聞く坂井)


Day 3:デジタル・リインベンションは第1章から第2章へ

この日は、お昼過ぎまでは市内の見学。

その後、ヒルトン ユニオンスクエアで開催された日本IBM主催の日本顧客向け「Japan Debrief Meeting(総括セッション)」に参加しました。

こんなに多くの日本人の方が参加されているとは会場では気づきませんでしたが、総括を日本語で説明してもらえるとあって、日本人参加者のみなさんが一堂に会しました。

特に気になった発表内容は以下の2つでした。

「食」という切り口で、5年以内に5つの技術変革が起こると予想。「IoTとAIによる農業のデジタル化」「ブロックチェーン活用による食品廃棄処理ゼロ」「DNA分析による病原体や毒性を即座に検査が可能に」「超小型顕微鏡による植物の安全性判定」「新種触媒によるプラスチック廃棄物の再生」が可能になるとのこと。

特に興味深かったのは「Project Debater」。「Project Debater」(Watson)と人間のディベート・チャンピオンをディベートさせるというもの。ディベート文化のあるアメリカらしいプロジェクト!

「保育園を助成するべきか?」を議題にディベートし、その意見に対して投票参加者の62パーセントが賛成、30パーセントが反対し、人間のチャンピオンに軍配が上がりました。

「Project Debater」によってこのテーマについての知識が豊かになったと答えた聴衆が58パーセントであったのに対し、人間のチャンピオンの場合は20パーセンだったとのこと。この結果をうけて、「どちらか片方ではなく、双方の相互作用があることでより双方の学びや知識が豊かになる」という結論が、いまのAIと人間との関係性を象徴しているし、未来のさらなる可能性を示していたように思えました。


この「Japan Debrief Meeting」を持って、ボスと姐さん部下の、刺激と学びの多かった「Think 2019」は終了し、翌朝には日本に戻ることになります。


お伝えしきれていないことがありすぎて

左ハンドルで初のアメリカでの運転、初のAirbnb、初のUber…など「Think 2019」参加以外にも「初めて」を多く経験し、内容も盛りだくさんだったサンフランシスコ&シリコンバレー出張。

「Think 2019」へ参加させていただいただことに加えて、前が雨で見えないほどの嵐の中の左ハンドルやうっかり逆走オーガニック食文化を広めたあの人のレストラン、Appleの空間デザインのこだわりにふれ、Googleの働き方について学び、梅澤のイベント登壇へつながる出会い、などかなり充実した出張でした。


今回は残念ながら字数の都合でお届けできなかった「シリコンバレー編」や食いしん坊・坂井の食を中心とした「ベイエリア・トレンド編」も、(今回の投稿が不評でなければ)追ってご報告できればと思っています。


* * *


次回はparkERsの本業に戻って、「青山フラワーマーケット」の店舗デザインとparkERsのデザインの根底にある「DESIGN x GREEN(デザインx専門性)」という考えを作り、パッと見ちょっと強面だけど、誰よりも純粋で好奇心旺盛な少年の心を持った、我らが愛すべきクリエイティブディレクター 城本にフォーカスしてお届け予定です。