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言霊量子論 その10

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

不連続の連続

今回の言霊量子論は「不連続の連続」という何やら訳がわからないものを、「時間」の流れをたとえにしてお話ししてみたいと思います。

さて「時間」ですが、はたして「時間」とは、途切れることなく連続して流れているものなのでしょうか? たとえば「今日」の終わりと「明日」の始まりは連続してつながっているのでしょうか。「今日」の終わりがあれば、「明日」の始まりがなくなり、「明日」の始まりがあれば、「今日」の終わりがなくなってしまう、定義できなくなるということを皆さんはご存じでしたでしょうか、納得していただけるでしょうか。

しかし事実として「今日」の終わりと「明日」の始まりは、必ずしも一本の線でつながってはいないのです。今日の23時59分59・999・・・秒は、まだ「今日」であって、「明日」ではありません。しかし次の瞬間の、0時0分0 秒は、あきらかに「明日」の始まりですが、このとき「今日」の終わりが23 時59 分60 秒になった瞬間の時間を0時0分0秒だとすれば、その次にくる時間は、0 時0 分0・000・・・1 秒であり、「明日」の始まりである0時0分0秒はどこかに消えてしまいます。一瞬、煙に巻いたような話にみえるかもしれないので、ちょっと整理してみます。

「今日」から「明日」への時間の流れは、何事もなければ23 時59 分59・999・・・秒→0 時0 分0秒→0 時0 分0・000・・・1 秒、という具合に流れていきます。これは間違いありません。問題は「今日」と「明日」の間にある<0時0分0秒>という時間です。「今日」と「明日」の間に「<0時0分0秒>=0(ゼロ)」が含まれているのです。この「0(ゼロ)」は、「無」に対応する数学的概念としてインドで発見されたものですが、空位の桁をあらわす記号なのです。ですから「今日」と「明日」のつながりは、この「0(ゼロ)」によって一瞬、「無」になり途切れてしまう、つまり不連続の連続状態になるのです。「今日」の終わりと「明日」の始まりは必ずしも、一本の線でつながってはいないのです。一本の線でつながっていなくても「無」を間に挟んで「今日」の終わりと「明日」の始まりを重なり合う時間域として、次元の桁が今日から明日へと一つ上がったようにすることはできます。

しかし、「今日」の次には、無条件で「明日」がやってくることは誰も保証してくれないのです。「今日」の終わりと「明日」の始まりの間に存在する「無」をどう生きるかによって、未来である「明日」がどのような「明日」としてやってくるかが決まってしまうともいえます。

言霊精義には、この「明日」のことを、

永遠の未来の事を思索し計画し予想し、その軌範をたてることは出来る。然しこれもまた観念だけのものであって、未だ決して現実には現われることがない。真に存在する物事はただ中今におけるだけであり、その中今の内容としてだけである。そしてその中今は刹那から次の刹那へと映画のフィルムの回転のように推移し連続して行く、人間はただ中今の現象だけを見ている。これを過去と未来の観念表象が捕捉している。これが宇宙と人間の生命の過去から未来への永遠の活動の流れ方である

と記述してあります。

「中今」の一つの解釈として、「今日」の終わりと「明日」の始まりの間に存在する「無」が「中今」であり、「不連続の連続」と類似的ではないか、と私見を述べてみました。

また、話は変わりますが、「宇宙の不思議」を著した佐治晴夫氏は、この「0(ゼロ)」によって一瞬、「無」になり途切れてしまう不連続状態を、過去を未来へとつなぐ「希望」という名のキーワードであると述べています。それにしても「時間」の話は、まだまだ奥が深そうです。で、突然で残念ですが、今回の言霊量子論は、ここでいったん札止めにさせていただきます。連載の続きは、ちょっと間をおかさせてください。言霊量子論、今度は「続・言霊量子論」と銘打って、皆様とお会いできればと願っております。アディオス!

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【杉山 彰(すぎやま あきら)プロフィール】

◎立命館大学 産業社会学部卒
 1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
 以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
 1990年、株式会社 JCN研究所を設立
 1993年、株式会社CSK関連会社 
 日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
 マーケティング顧問契約を締結
 ※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
 1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
 コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
 2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。

◎〈作成論文&レポート〉
 ・「マトリックス・マネージメント」
 ・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
 ・「コンピュータの中の日本語」
 ・「新・遺伝的アルゴリズム論」
 ・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
 ・「人間と夢」 等

◎〈開発システム〉
 ・コンピュータにおける日本語処理機能としての
  カナ漢字置換装置・JCN〈愛(ai)〉
 ・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
 ・TAO時計装置

◎〈出願特許〉
 ・「カナ漢字自動置換システム」
 ・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
 ・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
   計測表示できるTAO時計装置」
 ・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
 ・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
 ・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等

◎〈取得特許〉
 「TAO時計装置」(米国特許)、
 「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等       

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