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アニメ版「ジョゼと虎と魚たち」実写とは別物のさわやかな青春のラブストーリー

過去に観た韓ドラの振り返り企画を絶賛更新中ですが、ちょっとブレイク。

韓ドラで観たいものがなくて、ネトフリからアマプラに戻るとという事象。
アマプラは韓ドラがいいのがあまりなくて、日本のドラマや映画が豊富なんですよね。
自然と日本の作品を観ることが多くなってきて、今回はアマプラで「ジョゼと虎と魚たち」のアニメ版が出ていたので、観てみました。
以前に日本映画実写版の「ジョゼと虎と魚たち」を観てそのエロさとエモさに驚いたことを書きました。

原作の田辺聖子著の短編も読んだので、それぞれの違いを味わうために、次はアニメです。

これは、実写版とは全然違うー!
大筋は同じですが、初めから終わりまで、違うんですよ。
原作があっての別のお話として観たほうがいいです。

大学で海洋生物学を専攻する恒夫は、メキシコに生息する幻の魚を見るという夢を追いながら、バイトに勤しむ日々を送っていた。そんなある日、坂道を転げ落ちそうになっていた車椅子の女性ジョゼを助ける。幼少時から車椅子で生活してきたジョゼは、ほとんどを家の中で過ごしており、外の世界に強い憧れを抱いていた。恒夫はジョゼと2人で暮らす祖母チヅから彼女の相手をするバイトを持ち掛けられ、引き受けることに。口が悪いジョゼは恒夫に辛辣に当たるが、そんなジョゼに恒夫は真っ直ぐにぶつかっていく。

映画.com

実写版では昭和感のあるコテコテの大阪が舞台で、泥臭さ、エロとエモさがしっかりあるんですけど、さすがにアニメはさわやで、アニメならではの絵の美しさ、表現のラブストーリーとなっています。
現代のここは大阪か?いろいろ設定が変わっていたり、差別的なややこしいこととかは排除されております。
恒夫はダイビングショップでバイトしているかっこいい大学生で、ジョゼは足が不自由なことは変わりないですが、ふわふわ頭のかわいい女の子。この子から「あたい」という言葉が出るのはちょっと違和感ありますが、全てが現代風でエロとかエモとかはありません。
映画では体の不自由な女の子と付き合っていくことの難しさ、社会の偏見、理想と現実が恒夫の心情からリアル過ぎるほどに描かれていましたが、アニメは海をモチーフにした映像が印象的で、リアルを柔らかく包み込んできれいにまとまっていました。
声の出演に恒夫が中川大志、ジョゼが清原果椰となっていて、それぞれ今、話題の俳優さんたちの声だけの演技が新鮮な感じがしました。

私がもう夢を見られない大人になってしまい、アニメの世界観に浸れなかったのが残念なんですが、実写版を先に観ちゃったからね。
逆にアニメ版が大好きで同じ感覚で実写版もと思って観たら、あまりの表現の違いにショックを受けてしまうかもしれません。
アニメ版を観るならば、どうか先入観なしにどうぞこれだけ観てください。

映画とは人間を描く、リアリティを追求するもので、アニメは現実にはあるはずのない夢を描くものだろうから根本が違うので、そもそも比べるものではないのです。
原作は本当に短いお話なので、これを基に話を膨らませて2時間ほどの映画やアニメ作品に創り上げるというのは、創造力の賜物。
実写とアニメを比較するのではなく、そこを評価すべきだなと思いました。

結局伝えたいことは同じなのかもしれないけれど、その方法は全く違って、それぞれ別の結末へとつながっていきます。

もし、、、ということがあれば、その選択によって運命は変わるということをあえて実写版とアニメ版を見比べることで体感したような、不思議な感覚になりました。


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