Parsley/ふじいりょう

ブロガー/ライター/編集...etc  2004年よりブログ『Parsleyの「添え…

Parsley/ふじいりょう

ブロガー/ライター/編集...etc  2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を書いているうちに、なんやかんやで売文業&Webメディア編集が本業になっていました。 ここではメディア時評/ノウハウ/近況報告などをメインにつらつら記していきます。

マガジン

最近の記事

「小さい物語」を紡ぐということ

 ここのところ天候が不順だったせいか、体調が不安定で難儀していた。そういう時ほど自信を失いがちになるのだけど、焦ったところでいいことなど何もないから、努めてゆるゆるといこうと思っている。  さて。メディアで働いている立場に身を置いていると、「社会課題」とか「◯◯の未来」とか、テーマを大きく設定して、血眼になってアラ探しに夢中になってしまう時がどうしてもあったりする。メディアのコンセプトや企画としてそういったキーワードを置くというのはアリなのだけど、いち書き手あるいは編集とし

    • 今でも月60本程度は出しているWebライターが課している「1本60分ルール」

       先週から左上の奥歯が痛くて、久々に新宿にあるかかりつけの歯医者へ。見事に虫歯でした(笑)。どうも頭痛の時に服薬していた鎮痛剤が歯にも効いていたらしく、認知が遅れたみたい。「こうなる前にもっと早くお会いしたかったです」と言われてしまいました……。  先日、「最盛期で月に100本、現在でも60本ほどは書いている」と記したことに、「そんなに書いてるの!?」という反応を頂いたので、今回は記事を数多く書くために、自分が意識していることをざざっとまとめておこうと思う。  正直、20

      • Webライター歴15年が考える「ライターで生計を立てる」ということ

         関東圏は天候が良く、「さぁ〜原稿もしてお洗濯もするぞ〜!」となっていた午前中。ドトールで席につくタイミングで急にフラっとしてトレイを盛大にひっくり返してしまった。思っていたほど体調良くなかったと悟り、「やっぱ無理はやめよう…」と改めて決心した次第。ドトールのスタッフの皆さん、ご迷惑をおかけしました。いつもありがとうございます!  さて。前回に「紙とかネットとか関係なくメディアで稼ぐのはむっちゃ大変」というエントリーを出したのだけど、思いのほか反応があった。  それで、改

        • そもそもメディアで食べていくのは超大変だというお話

           ここのところ天候不順で、頭痛持ちの身としてはかなりキツい日々だった。それに伴って気分も乱高下を繰り返して、パフォーマンスを保つのが精一杯。みんなどうやって体調を維持しているのかマジで不思議なのだけど、こればっかりは他人は他人で、自分は自分だと受け入れるしかない。幸い、昨年の今頃と比較すればむっちゃ稼働できているし……。  さて。弁護士ドットコムニュースで高橋ユキさんがウェブライターの報酬問題とウェブメディアの収益構造に関する記事を拝読して、頷ける部分とそうでない部分が半々

        「小さい物語」を紡ぐということ

        マガジン

        • Parsleyの世もつれづれダイアリー
          22本
        • 売文屋の罪と罰
          76本
        • いつか脳が壊れた時のために
          11本
        • 今日もデニーズで
          2本

        記事

          安倍晋三氏はなぜあそこまで怨嗟を呼び起こさなければならなかったのだろう?

           安倍晋三氏が撃たれたという凶報は、NHKでほぼオンタイムで見ていた。その映像は生々しく、女性記者が震える声でデスクに指示を仰ぐ電話や、心臓マッサージをする姿も映し出されて、首相官邸に戻った岸田文雄総理が真っ赤に腫らした目でコメントをしているのを見ても、現実事だと理解るのにはしばらく時間がかかった。  個人的に、安倍氏の政治信条には首肯しかねる部分は多々あったし、言動に「どうよ」と感じることもあったけれど、全体として政治家としての力量や、国際社会における日本の立ち位置は「こ

          安倍晋三氏はなぜあそこまで怨嗟を呼び起こさなければならなかったのだろう?

          政治はもっと人々の「ダルさ」を前提にするべきなのでは、というお話

           だいぶ前に西田亮介先生から「なぜParsleyさんはそんなに政治に関心あるのか不思議」的なことを訊かれたことがある。確かその時は「実は小学生の頃から政局マニアだったんです」みたいに答えたような……。  記憶を遡ると、土井たか子氏が委員長だった日本社会党が躍進を果たして与野党の議席数が逆転した1989年の参院選。自民党の幹事長だった橋本龍太郎氏がタバコ(チェリーだったらしい)の煙を盛大にふかしながら「ちっくしょぅう…」と呟く姿を鮮明に覚えている。Wikipediaなどでは「ち

          政治はもっと人々の「ダルさ」を前提にするべきなのでは、というお話

          そろりそろりと物書き仕事に戻ってからの3ヶ月を振り返ってみる

           おっかなびっくりという感覚で、お仕事を再開してから3ヶ月が過ぎた。正直なところ、「これが書きたい!」というテーマがあったわけでも、それを見つけ直すことができたわけでもなかったし、体調面での不安が解消したわけでもなく、見切り発車と言って差し支えない状態だった。「また誰かに迷惑をかけてしまうかもしれない」という怖さが常に頭の隅にこびりついているのも確かだ。  ネットでの売文業にも「勘所」というものはあって、最初の一ヶ月でそれがどちゃくそ鈍っていることを思い知らされた。毎日、い

          そろりそろりと物書き仕事に戻ってからの3ヶ月を振り返ってみる

          マナー講師と徳島から米名門校に進学した女子大生炎上と悪役令嬢もの

          近所にあるイタリアン居酒屋が、入っているビルの建て替えが決まって閉店するというので、飲み納めに行ってきた。元気な店員さんと、日替わりの鮮魚がウリで、ついつい食べすぎてしまうようなお店なのだけど、化粧室にその日のオススメが貼られていて、少し胸に来るものがあった。 さて。NHK『チコちゃんがおこられる』で、テーブルマナーを鬼指導した講師がネットで批判されまくった件が記憶に新しい中、J-Castニュースがマナー講師の西出ひろ子氏に取材している。 興味深かったのは、テレビ番組側か

          マナー講師と徳島から米名門校に進学した女子大生炎上と悪役令嬢もの

          「プロダクト思考」をメディアに当てはめてみると一体どうなるか妄想してみる

          昨日の雷雨、上がったところで所用に出かけたら、見事にまた降り出して、傘を持たずに出てもんにょりとした気分に。作業もなかなかはかどらなかったし、お仕事のやり方を少し変えるタイミングなのかもしれない。 ところで。以前の記事で「もはや紙かネットかという議論も色あせている」「全てがデータ」と書いたのだけど。 イギリスのジャーナリスト向けサービス『Journalism.co.uk』が、「ジャーナリストはもっとプロダクト思考を知るべき」というコラムを出して、首がもげそうになるくらい同

          「プロダクト思考」をメディアに当てはめてみると一体どうなるか妄想してみる

          「メディア人材育成」のハードル設定が高すぎるので下げたいというお話

           首と肩があまりに痛く、この数日作業に集中できなかったので、池上線沿線の温泉に行ってきた。天然温泉と炭酸泉を3セットくらい入って、なんだかんだで40分くらい滞在していたんじゃないかな。体温下がりがちでもあったので、ポカポカになって満足。これで「さぁお仕事するぞ!」となったのだけど、いざルノアールに入ったら眠くなってそれどころではなかった。ざんねん!  さて。自分が尊敬しているメディア人のひとりでもある依光隆明氏が、「新聞社の教育機能が失われている」という話を寄稿されているの

          「メディア人材育成」のハードル設定が高すぎるので下げたいというお話

          メディアが編集や定額課金で稼ぐのは今更もう遅い

           もう2年くらい前になるだろうか。とあるWeb専門メディアの編集長を務めている人が「ここ10年くらいメディアやネットの環境は大して変化がない」という話をしていて、本当にその通りだと膝を打ったのだけど、社会環境に移り変わりがあっても、ネットで何らかのブレイクスルーがあったわけではないし、「以前にも似たようなことが話題になったな」とループしているような印象が拭えないでいる。  こんなことをわざわざ記すのは、ここ最近メディアにおけるレコメンド機能と編集との関係性についてや、課金モ

          メディアが編集や定額課金で稼ぐのは今更もう遅い

          メディア関係者と「派遣社員」の距離が遠いのかもしれない、というお話

           「派遣社員」という業態を、これまで3回ほど経験したことがある。就職氷河期真っ只中で新卒採用にことごとく落ち、しばらくバイトで糊口を凌ぎながら秋から某通信会社の事務に派遣として採用されたのが、自分のはじめて履歴書に書ける職歴になった。記憶では当時の時給が1200円。3ヶ月おきの更新で「いつ切られるか」という不安の中で働いていた。  リーマンショック後に勤めていた所を会社都合での退職した後に少しだけ派遣で働いたイベント運営の仕事ではヒドい目にあった。正社員に顎で使われ、長時間

          メディア関係者と「派遣社員」の距離が遠いのかもしれない、というお話

          メディア関係者の思考法とTwitterの相性が悪すぎるというお話

           このGW中にメガネを買ってもらった。もともとガチャ目で左の視力が0.03という有様だったのだけど、最近は特にPCなどの画面から外に向ける時にかなり霞んでしまっていたので、ブルーライトカットを入れた作業用のものが欲しいな…と思っていたところ、家族から誕生日プレゼントにと言ってもらったのだ。かけてみると、確かに画面が見やすくなって、長い時間作業した後がラクになった。  なかなか自分の身体への投資を後回しにしがちではあるのだけど、今後も生きていくにあたって、セルフケアのこともよく

          メディア関係者の思考法とTwitterの相性が悪すぎるというお話

          『トヨタイムズ』で「ジャーナリスト』をするのに必要な唯一のこと(そしてそれは無理では?)

           トヨタのオウンドメディア『トヨタイムズ』に元テレビ朝日アナウンサーの富川悠太氏がジョインして「ジャーナリスト」として活動すると発表されたことで、メディア界隈をざわつかせた。  個人的なことを言えば、自分のやっていることが「ジャーナリズム」的になることが結果的にあることはあっても、自分自身が「ジャーナリスト」だと名乗る気はないし、新聞・テレビなどの「公正・中立」であるべきだという「ジャーナリズム」論には、「いや、思いっきりバイアスかかってますよね?」とツッコミたくなることが

          『トヨタイムズ』で「ジャーナリスト』をするのに必要な唯一のこと(そしてそれは無理では?)

          こたつ記事が蔓延するのは読者のせい? いいえ、スマートニュースのせいですよ

           心身に鞭を打って物書き仕事に戻ってから1ヶ月が過ぎた。以前と同じようなペースで働くのは難しいということはわかっていたし、だいたい30%の出力を心がけていたのだけど、それでも「苦しいな」というのが正直なところだ。  何より、日々のニュースを見るのにまだ気が滅入るし、刻一刻と変わっていく状況を読もうとすればするほど、「しんどいな」と感じてしまう。とはいえ、「成果」と呼べるものはそれなりに出せはしたので、やっぱり「技術」は錆びていないと実感もしたし、遅くともいいから自分なりに歩

          こたつ記事が蔓延するのは読者のせい? いいえ、スマートニュースのせいですよ

          『SHIBU Culture』中止で考えたこと(2011年2月2日)

           以前にブログで記したエントリーを晒してみる。性的表現についてのまなざしや社会の空気が、この10年で大分変わったことを改めて感じて、いろいろ考えさせられた。ある意味で画家あるいは美術館という存在は、常に「表現の自由」の前線であり続けたわけだが、それは「公共空間」の前線でもあった。それが「社会の空気」によって揺らいでよいものなのかどうか、ということを今一度検討する余地があるだろう、というのが、自分の立場だということは11年前も今も変わりがないということだけ付記しておく。 ➖➖

          『SHIBU Culture』中止で考えたこと(2011年2月2日)