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東京宝塚劇場 初体験の立ち見レポ

まさか立ち見する日が来るとは想定していませんでした。ここ二年は在宅勤務。運動不足に加速がかかり体力も筋力も落ちるばかり。そんなわたしがなぜ立ち見することになったかというと、単純明快。チケットが取れなかったというか、取れたというか・・・からです

ネバセイの一般発売チケット、10時の開始とともに選択した日時の無常な”ご指定の席は選択できませんでした”の応酬に、一心不乱になんとか確保できるチケットはないかとパソコンの画面の前で肩を怒らせた結果、いつの間にか握りしめていた立ち見のチケット。取れて歓喜したものの、押し寄せる不安。わたし、3時間もじっと立っていられるかな…

一抹の不安を抱えながら迎えた当日、それまでにリサーチした立ち見有識者たちの情報をもとにレジャーシート代わりのミニひざ掛けを準備。幕間の休憩にそっと敷いて腰を下ろすためのアイテムだそう。なお劇団に確認したところ
①簡易いすなどの持ち込みは不可
②感染予防で前の手すりは掴まないように
とのことでした。

いざ、わが所定位置へ!

東京宝塚劇場 立ち見32番

思ってたより、とっても見やすい!
わたしの位置は立ち見32番 センターからすこし下手寄りですが感覚的にはセンターと変わらず、そして銀橋も見切れることなく、いやむしろどこからどこまでも見切れがなくしっかり確認できます。
視界が開けている、という快適さ。
当方身長152㎝のため前席の方のサイズ感による影響を受けやすく、とくに最近は忘れもしない柳生忍法法のマイ楽。開始10分、遅れてきたカップルのふわふわパーマ男子にセンターどころか視界の4割をふさがれ幕間にバリカンを買いに走りそうになった記憶もトラウマとして鮮明に記憶されています。なおこの男性は途中彼女に話しかけたりゴソゴソ動いたり本当に迷惑でしたが、早々に眠りについて彼女さんの肩にもたれてくれたので視界が開け、バリカン代が浮きました。もう来ないでいいよ♡
そんなわけで前席ガチャに過敏な私にとって、この視界の開け具合は開始前から相当な安心感を与えてくれました。
また、立ち見の席は隣との間隔が座席とちがい、50,60㎝は離れていました。そのためお隣さんの動きが視野に入らず、その点も快適です。

位置に着くと早速スタッフさんが駆け寄ってきて、「立ち見ですか?チケットを確認させてください」とのこと。立ち見に転売もないだろうからおそらく立ち位置と相違がないかの確認だと思います。チケットの確認が済むと、B5くらいの注意書きが記載された紙と、観劇中の注意事項として
①後ろはスタッフが通ることもあるので開けておくこと
②手すりは掴まないこと
③真後ろの部屋が照明の部屋のため、頭より高く手を挙げると遮ってしまう恐れがあるのでお気を付けください

と伝達がありました。ふんふんと聞いていましたが、最後の伝達、照明だけは遮ってはならん!と言い聞かせました。

いよいよ開演が近くなり、ぞくぞく集まる立ち見人。慣れている方も多いのか割とぎりぎりにスタンバイする人が多い印象です。体力に自信があってコスパよく観劇を重ねたい若者が多いのかなと思いきや、それだけでもないようで同世代やもっと上かな?という方までバラエティに富んでいます。観劇のためならエンヤコラですよね、わかります。

一幕が始まります。
うん、いけるいける、みえるみえる!
実質、舞台からの距離はB席の最後列15列やBB席16列とさほど違わないのでジェンヌさんのサイズ感に違和感はありません。ちなみにこの後ソワレでは一階11列で観劇したのでガリバー旅行記かと思うほどジェンヌさんが大きく見えました。こんなサイズやったんか!と思いました(基本、後列しか引き当てられないオンナ)

全景が視界よく見えるのでオペラをのぞかねば!という気持ちにならず、集団パフォーマンスの美を堪能しようと旗の場面や民衆の歌の場面はオペラを下ろして楽しみます。それでもご贔屓の桜木みなとさんが登場するとすかさずオペラを酷使してこの一瞬を逃すまいと必死になってしまうのは致し方ない。オペラは軽さと視野の広さ、明るさを優先して5倍のものを使っていますが、さすがに立ち見ともなると8倍、10倍がいいなと思いました。
今使っているオペラの記事↓


立ち見と座り見の違いとしては、オペラを持つ感覚が結構違います。座っていると肘を膝の上のカバンに軽く置いたりできますが、立ち見はしっかり自力で上げ続けるためそこは腕に来る。手すりをつかめれば少し楽なのでしょうが、現在は触れられないので完全に自力です。立ち見は立ち続ける足に来るかなと思いましたが、それよりも先に腕に来るとは想定外でした。

そして客席のみなさんがオペラを上げ下げする気配が明確にわかる(笑)客席を見下ろす立ち位置なので、ジョルジュのキスシーンでスッっと一斉に上がるオペラが面白かったです。

また、32番は本当に真後ろが照明ブースになっており、トップさんを照らす煌々としたライトが私の頭越しにはっきりと真風さんに届いているのがわかります。これめちゃテンションが上がりました。全身用ライトと別のお顔用ピンスポも、ずれることなくサッとこの距離を超えて舞台の真風さんに当てられるテクニックに感動を覚えます。ときどきブースを振り返りながら、あぁこの照明さんのおかげで舞台が一層華やかに宝塚らしく見えるんだ・・・と思いました。時折ガサガサ何かをセットする音が聞こえたり、インマイク越しにやり取りする気配を感じたりと面白く、照明技術に興味のある方にとってはSS席では??と思います。

一幕終わりのアギラールさんにとってはつらいつらいワンハートもしっかり味わい、幕間へ。

基本的に席から動きたくない派なのでその場で持ってきたひざ掛けを敷き、壁にもたれて小休止。同じような方もチラホラ。思ったより体力も削られず、全景がしっかり見られた満足感で満ちていました。

そのまま2幕も楽しみ、そしてtwitterのフォロワーさんはご存じだと思いますが、この日はフィナーレのずんちゃんの前髪ガチャ(悪役アギラール役を演じる桜木みなとさんですが、フィナーレではオールバックのヘアスタイルを変えたり変えなかったりでファンをドキドキ楽しませます。いえ、狂わせます)で2度目の前髪センター分けを食らい、意識が飛んで体中の血がぼうぼうと煮えたぎり鼻息も荒く混乱とありがたみを噛みしめて幕を閉じました。

なので立ち見で疲れたとかそういう感覚がそもそもなく、最後に残ったのは

センター分け、ぎゃ~~~~~~~~~~~~


でした。元も子もないですね・・・


うんうん・・・

落ち着いて私 でもわかるよ・・・

フィナーレの髪型が判明するのは大階段を斜めに下りてくる振りでなのですが、立ち見ゆえ大階段の上段が見えておらず、いつもより察知するタイミングが遅くなった(ちゃんと中段はみえます)そのあとに激震のセンター分けだったので、焦らされのセンター分けに大興奮。客席中のみなさんと心の中で(キターーーーー!!)と叫びました。

それはさておき、立ち見の総括としては 

コスパ激ヤバ 体力に自信がなくても組への思い入れがあればイケる!迷うなら行くべし!


でした。とりあえず1500円という値段がおかしいのは言わずもがななのですが、小学生の子供がいるいいお年の私でも、耐えうるどころかしっかり楽しんでしまった立ち見。視界の広さはお墨付き。オペラは強め推奨ですが重さは体力と要相談。手すりをつかめないのが辛そう、と思いましたが実際はそんなに気になりませんでした。ただ普通に足は関節に来たりしますので幕間にクルクルほぐしました。隣の人との間隔が広いのも、気配が気にならず快適でした。

いいところばかり述べましたが、もちろん舞台までは遠いですし、体力も削られます。一公演、一回でいいかなというのが正直なところ。初日に全体把握の目的でとるのもいいのかも。

一般で発売され、割と最後に売れていくのが立ち見なので、チケ難の公演やこの組のこの舞台はどうしてもみたいんだー!という方には選択肢としてありだと思います。

読んでいただきありがとうございます。チケット奪取の参考になれば幸いです。

あーーーずんちゃんの前髪ガチャ、さいこー!!(そこ)




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