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Speakeasy IPA リリースです!

【Speakeasy IPA】
Style:madoromi IPA
ABV:7.0%

“半分夢の中の様な出来事を伝える会社“「まどろみ」とのコラボレーションビール。
シンプルな原料のみを用いて家庭で簡単に作れる?IPAを目指しました。
柑橘や青々しさのある香りで、バランス感のある苦味が心地良い仕上がりになっています。


静岡県三島市に新しく誕生する「Speakeasy Bottle Shop」のオープンに合わせて作ったIPAがリリースとなります!

同店は“半分夢の中の様な出来事を伝える会社“の「まどろみ」によるもの。静岡県内のクラフトビールを始め多様なビールを取り揃える他、今後はそこに併設する形でホームブリューギアや原材料の販売を予定しています。

"ホームブリュー"とは"自家醸造"という意味、つまりで家庭でつくるビールというわけ。
あまり聞き慣れない方も多いかと思いますが、というのも日本ではアルコールが1%を超えるもの(つまりお酒)を家庭でつくることは法律で禁止されています。
その昔、各家庭ではドブロクなどの酒作りが当然行われていましたが、税収の構造や、酒造業者による希望もあり自家醸造は禁止に。
以来、100年以上この国では家庭で1%を超える酒類の醸造を行うことは禁止されています。

一方、日本以外のほとんどの国では自家醸造は合法。アメリカを初めとした欧米諸国では、ホームブリューの専門店もあり、麦芽やホップといった原料が簡単に手に入り自宅のガレージやキッチンなどでビール作りを楽しむ人もたくさんいます。
最初は趣味で始めた人も、周りの評判が良くなればその気になるもの。より深く醸造にのめりこみ気づけばプロブルワーに、なんてケースも星の数ほどあります。

僕自身も同じ問題に直面したことがありますが、日本でブルワーを目指すとなると、家庭でのビール作りが禁止されている以上、免許を有したつまり商業的にビール作りをするブルワリーに入社する必要があります。
運良く仕事が決まっても、レシピ開発を担当するには数年という月日が必要なケースもほとんどです。

酒作りとなると、そりゃそうだろと思う方も多いかもしれませんが、例えば料理の世界で言ったら家庭でフライパンを握ることは禁止されていて、未だに肉の1枚も焼いたことの無いような、そんな料理人が存在する世界と同じだと思ってもらえれば想像がつくでしょうか。

少々長くなりましが、今「まどろみ」がやろうとしている事はそんな日本のおかしな現状に一石を投じるということ。そんな部分に共感し、今回ビールを一緒につくることとなりました。

せっかくなのでテーマは、ホームブリューでも再現がしやすいようなビール。
原料である麦芽とホップはそれぞれ2種類ずつ、酵母はラフに温度管理ができる物を選びました。
仕込みの手順も至極シンプルに。プロの機材じゃないとできないようなことは極力減らしつつ、それによって起こるネガティブな要素は別の部分でカバーするといったように、「家庭で簡単にIPA!」を目指したビールになっています。
家でもこんなに美味しいビールができるんだ!という感動も味わって欲しいですし、逆にプロってやっぱすげーという気分になるのもまた僕らの狙いの一つでもあります。

仕上がりですが、アメリカンホップによる華やかで柑橘感のある香りが印象的で、はっきりとした苦味がありながらしっかりとバランスのとれた味わいとなっています。


“半分夢の中のような出来事”、もうすでに始まっているかも?


*現在は家庭でアルコール度数1%以上のビールを作ることは法律で禁止されています。


おまけ

「まどろみ」の代表を務めるは、まだ20代のさきちゃん。
沼津の「RePuBrew」での勤務を通じて、気づけば三島のボトルショップ&ホームブリューショップを運営することに。
お隣は、「RePuBrew」の代表である畑さん。彼もまた「まどろみ」の運営に一役買っています。

新工場の稼働をきっかけに「RePuBrew」の缶詰めルームとして使われていた三島にある倉庫を改装し「Speakeasy Bottle Shop」として生まれ変わります。
そして、ゆくゆくはホームブリューに関する道具や原料も販売すると。そんなお店のオープンを記念したビールを作りたいと連絡をいただいたのは去年の11月頃でした。

静岡といえば、県内のブルワリー数は全国屈指。沼津や静岡を中心に根深いクラフトビールの文化があります。
ですが、それぞれの小さなタップルームはあれど、それらがまとめて飲めるような、ましてボトルや缶を買って帰れる場所が無いというのも「Speakeasy Bottle Shop」をオープンするきっかけの一つだそうです。
元商品倉庫を改装したウォークインタイプの冷蔵庫に商品は陳列され、お客さんはその中で商品を選ぶような仕掛けになってるとか。当然寒いのですが、“冷蔵庫用の上着”も用意されているのでご安心を。

そしてもう一つ楽しみなのがホームブリューギアの販売。
本文でも触れましたが、日本において自家醸造は禁止。なので色々と越えなければいけないハードルはあるでしょう。ですがその先に、まどろみが見据えてるのは静岡がサンディエゴのようなビールのメッカになること。
世界でも有数なビールの街はいかにしてそうなったか?文化の成長の裏にはホームブリューが大きく関係したようです。
ブルワリーがもたらす街への影響ももちろんそうですが、ホームブリューショップが街にもたらす影響もまた大きいのです。
それは、家庭でのビール作りを通して、より深くビールと向きあう人が増えること。また自分で作ってみて初めてわかること。これはプラスもマイナスもどちらもあって、”プロってやっぱすごい”とか、もしくは”これはお金を払って飲むものでは無い” ということだって。
消費者が洗練されてくることで、作り手もまた洗練されていくのです。
そして、ビギナーブルワーも公然と家庭で“練習“ができるわけですから、そりゃブルワーの層も厚くなるわけです。

ということで、まどろみが夢みるのはビールが輝く明るい未来。そんなことをボトルショップやホームブリューギアを通じて作り出そうとしているのです。
そんな、次なるビール都市?の始まりに関われたことがとても嬉しいなと。僕らもできることからコツコツと、ビールの世界が良くなることをやっていきたいと思っています。

さて、このビールのラベルに登場したのは バレルくんとフリッジくん、彼らの愉快な?生い立ちもチェックしてみてください。
ちなみにこのキャラは同じく三島にお店を構える「SLEEPY」のツトムさんによるもの。個人的に縁深く、そういった意味でもこうしてラベル上で共演?できたことはとても嬉しい!


最後に、「家庭で簡単に作れるIPA」でもあるこのビールのレシピを簡単に紹介します。
今はまだ家庭で1%以上のビールを作ることは禁止されているので、細かい数字は省きます。

□麦芽 
Pilsner Malt 93%
Crystal Maple 7%

□ホップ
60min:Citra (8.3 IBU)
60min:Mosaic (8.3 IBU)
30min:Citra (12.7 IBU)
30min:Mosaic (13 IBU)
10min:Citra (1g/L 9IBU)
10min:Mosaic (1g/L 9IBU)
Whirl Pool:Citra (2g/L)
Whirl Pool:Mosaic (2g/L)
Dryhop:Citra (3.5g/L)
Dryhop:Mosaic (3.5g/L)

□酵母
Lutra Kveik

□水
SO4:100ppmになるようにCaSO4を添加

■工程
糖化 64℃  60分
煮沸 60分
発酵 26℃開始 室温で放置 発酵完了後可能なら15℃位まで冷やしてドライホップ
ラッキングして1週間程熟成し充填



「Speakeasy Bottle Shop」
⁡2023年3月7日(火)グランドオープン!
11:00〜営業が始まります。

場所は三島市東本町
間眠(まどろみ)神社そば
最寄り駅は伊豆箱根鉄道 三島田町駅or三島二日町駅より
徒歩10分くらいです。
(三島駅からだと25分くらい)

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