ターゲット_インサイト_USP

クリエイティブを考える基本ストラテジー入門編②

前回まとめたストラテジーを考える基本4ステップは以下の通り。
前回は"1.「インサイト」を発見する"を深掘りしたので、今回は"2.「ターゲット」を考える"以降を深掘りしたい。

ただ、一番大事なのは最初の"1.「インサイト」を発見する"。ここを間違えると、全て間違う。だから、「インサイト」は捏造してはいけないのだと思う。

1.「インサイト」を発見する
2.「ターゲット」を考える 
→つまり、その「インサイト」を持っている人はどんな人かを考える。
3.「USP」を発見する
 →その「インサイト」に対して価値提供できる自社の商品特徴を洗い出し
   自社が競合と比較して最も価値提供できそうな「インサイト」と
   商品特徴の組み合わせを発見する。
     そのときの商品特徴が「USP(競合優位性)」
4.最後に「プロポジション」を仕上げる
 →上記1-3のステップで「ターゲット」「インサイト」「USP」が
       整理された。その「USP」を持っている商品が「ターゲット」の生活に
       どんな価値を提供するのかまとめたものが「プロポジション」

 2.「ターゲット」を考える

発見した「インサイト」を持っている人は、どこにいるどんな人かをなるべく具体的にする。若い女性なのか、学生なのか、ビジネスマンなのか。具体的にしておくことで、クリエイティブの具体案を考える時、ビジュアルやコピーの方向性が定まりやすい。

3.「USP」を発見する

商品の特徴をまずは事実ベースで書き出してみる。これは誰がやっても基本同じ内容になっていないといけない。

その特徴の中で、「ターゲット」の「インサイト」(たいていは不満・不安。願望というケースもある)を満たすことができ、競合として優位であるものがUSP。

「USP」はUnique Selling Position、競合優位性とか、独自のウリと言われる。ただ、それは漠然と競合商品との違い、というわけではなくて「ターゲット」の「インサイト」を満たすことができる、エビデンスになっている必要がある。

この世の中に商品の存在とは関係なく存在する「インサイト」と「USP」の"可能性のある"組み合わせを発見することが、ストラテジー上重要になる。

4.最後に「プロポジション」を仕上げる

「USP」を持っている商品が「ターゲット」の生活にどんな価値をもたらし、どのように生活をよりよくしていくのか、まとめたものが「プロポジション」。通常、広告で目にしているのは、この「プロポジション」。

「プロポジション」は日本語訳すると"提案"になる。その商品がどういうものかを指し示すだけではなく、「ターゲット」に対しての提案となっているとクリエイティブを具体的に考えるときに、やりやすいのだそう。「●●(商品)を取り入れて、△△な生活をしませんか?」というように。

またプロポジションとインサイトが1:1の関係になっていないことも重要。

水がなくても飲めるタイプの胃腸薬があるとして、下記はプロポジションとインサイトが1:1の関係になっている例。

ターゲット:電車通勤をしているビジネスマン、元々お腹が弱い
インサイト:電車の中でお腹が痛くなったらどうしよう・・・
USP:水なしでも飲める
プロポジション:腹痛を速やかに抑えませんか?

プロポジションとインサイトが1:1の関係になっていない例。

ターゲット:電車通勤をしているビジネスマン、元々お腹が弱い
インサイト:電車の中でお腹が痛くなったらどうしよう・・・
USP:水なしでも飲める
プロポジション:腹痛の心配を気にせず、勉強したり読書をしたり通勤時間を充実したものに変えませんか?

コミュニケーション戦略上、「プロポジション」がそのままクリエイティブとして表現されないケースももちろんある。ただ、ストラテジーを考えるときは「プロポジション」は「インサイト」を満たすだけ、つまり大抵の場合は不安や不満を解決するだけでなく、どのように「ターゲット」の生活をよりよく変えていくのかまで言及した方が、強いクリエイティブを生み出すきっかけになる。この部分に、ブランドとして社会にどのような価値を提供していく存在なのか、ブランドとしての志やミッションが含まれているから。

その「プロポジション」を約束できるエビデンスが「USP」という関係性ということ。

書いておきながら、、なかなか難しいけども、実践あるのみ、精進します。



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