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短時間のコミュニケーション研修により治療成績が上がる、かもしれない。

▼ 文献情報 と 抄録和訳

医師を対象としたコミュニケーション・スキル・トレーニングが高血圧患者のヘルス・リテラシーと医療アウトカムを改善する:無作為化比較試験

Tavakoly Sany SB, Behzhad F, Ferns G: Communication skills training for physicians improves health literacy and medical outcomes among patients with hypertension: a randomized controlled trial. BMC Health Serv Res. 2020 Jan 23;20(1):60.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

[背景] コミュニケーションスキルと患者のヘルスリテラシー(HL)に関する医師のトレーニングを改善することは、依然として未解決の大きな課題である。我々は、医師に対するコミュニケーションスキルのトレーニングが、高血圧のアウトカムと、血圧(BP)がコントロールされていない患者のヘルスリテラシースキル、セルフエフィカシー、服薬アドヒアランスに及ぼす効果を検討することを目的とした。

[方法] 2013年から2014年にかけて、イラン・マシュハド市のヘルスケアクリニックに来院した240名の高血圧患者と35名の医師を対象に、無作為化比較試験法を実施した。ブロックサイズが4と6の層別ブロック化を用いて,血圧がコントロールされていない適格な患者を介入群と対照群に無作為に割り付けた。介入群の医師は、フォーカスグループディスカッションを3回、ワークショップを2回行い、教育訓練を受けた。対照群の医師は日常診療を受けた。主要評価項目は、ベースラインから6ヵ月後までの収縮期および拡張期血圧の低下であった。副次的な結果は、高血圧患者のHLスキルの促進であった。データは、回帰モデルと二変量検定を用いて分析した。

[結果] 医師コミュニケーション研修後、研修を受けた医師に管理されている患者の医師-患者間のコミュニケーションスキル、高血圧アウトカム、服薬アドヒアランス、自己効力感は、対照群と比較して有意に改善された。

[結論] 教育的介入はより良いBPコントロールにつながる。それは、カウンセリング、HLと自己効力感とアドヒアランスに影響を与えるための医師の変化の十分なトレーニングであったかもしれない。医師と患者のコミュニケーションの質は、イランの高血圧患者の健康アウトカムに影響を与える可能性のある医療コミュニケーションの重要な修正可能要素である。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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ポイント
コミュニケーションスキルの向上が、治療アウトカムの向上に繋がる

面白いと感じた理由
短期間
のコミュニケーション研修で、治療アウトカムの向上が見込めるところ

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医師はもちろん、リハビリテーションスタッフも日々研鑽に励んでいる。治療技術、研究活動、、、。そこにかけている時間は、今回紹介した論文のディスカッション、ワークショップにかかった時間の何倍にもなるだろう。その内の、少しの時間をコミュニケーションスキルの向上のために変換したら、もしかしたら、今よりもっと良い結果が得られるかもしれない。

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