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最新の膝装具➡膝屈曲の快適性が向上

▼ 文献情報 と 抄録和訳

変形性膝関節症患者の歩行および立位保持に及ぼす2自由度の膝装具の効果について

Fesharaki SA, Farahmand F, Saeedi H, et al. The Effects of Knee Orthosis with Two Degrees of Freedom Joint Design on Gait and Sit-to-Stand Task in Patients with Medial Knee Osteoarthritis. Sultan Qaboos Univ Med J. 2020 Nov;20(4):e324-e331. 

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

✅ 結論
2自由度の膝装具は、1自由度の膝装具と比較して、膝の深屈曲時の快適性が向上した

[背景]
内側型変形性膝関節症(KOA)患者の保存的治療法としての膝装具は、医療従事者と患者の双方にとって大きな関心事である。生体力学的および臨床的効果を得るためには、最適な装具の膝関節構造が不可欠である。

[目的]
本研究では、軽度から中等度の内側KOA患者を対象に、新しい2自由度(DOF)関節デザインを採用した膝装具が、特定の歩行パラメータおよびsit-to-standタスクに及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。

[方法]
調査期間:2015年9月から2017年10月まで
対象者:16名の内側KOA患者
介入:歩行性能を、①装具なし、②一般的な1自由度(DOF)の膝装具を用いて、③2自由度の装具関節デザインを持つ同じ膝装具を用いて評価した。
アウトカム:sit-to-standテスト時のシェルエリアにおける四肢と装具の間の相互剪断力を特定した。

[結果]
✓装具なしの歩行と比較して、いずれの装具条件も膝外転モーメントを有意に減少させた(P≦0.05)。
✓歩行速度(P=0.041,P=0.009)、歩幅(P=0.028,P=0.038)については、1DOF条件と2DOF条件の間で有意な増加が認められた。
✓sit-to-standテストでは、装具の装着により膝の横方向の可動域が有意に減少した(P≦0.05)。
✓膝屈曲拘束力は41.31±8.34ニュートン減少した。

[結論]
2自由度の膝装具は、1自由度の膝装具と比較して、膝の深屈曲時に快適であった。それ以外は、1DOF装具と2DOF装具は同等の性能を示した。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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✅膝装具が有効な場合でも、快適性の問題から装具を付けることに抵抗感を訴えるケースが少なくない。装具としての”性能”はもちろん大事だが、”快適性”にも考慮していきたい。

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膝装具の効果については、以下の記事が分かりやすい。

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