[旅行記]青春18きっぷで東京〜大阪間クロスシートの旅

東京~大阪間の移動といえば新幹線が定番でしょうが、夏休みの時期には青春18きっぷを使って在来線で移動する人もいるかと思います。

先日ちょうど東京から大阪に行く用事があったので、人生初の青春18きっぷでの長距離移動にチャレンジしてきました!

せっかくなのでただ普通に移動するのではもったいないと思い、できる限り快適に、そして無理なくゆとりを持った行程で行くことをテーマに、事前に計画をきっちりと練りました。
今回はその旅の様子をお届けしていきます!

ちなみに今回はH66.5 × W46.0 × D28.0のスーツケースを持った状態で行動しています。その点も踏まえながらぜひ旅の参考にしてみてください。

品川〜熱海間

本日1本目の列車は品川駅8時19分発の普通列車熱海行き。この列車に終点まで乗車します。
ちなみに東京駅から乗車する場合は8時9分発となります。車両はJR東日本のE231系でした。
今回はJREポイントを使用してグリーン車に乗車。JREポイントの場合は平日・休日に関係なく、さらにどこまで乗っても一律600ポイントとなっています。加えて夏休み期間は400ポイントに割引されているため、とてもお得に乗ることができます。

グリーン車は二階建て車両となっていますが、今回はスーツケースを持っているため車端部の平屋席を確保。平屋部は座席数が少ないため争奪戦になりがちですが、運良く空いていました。

リクライニングをフルに倒すことでピッタリとロックされました。

最後部の席であればこのようにスーツケースを背もたれの後ろに置くことができます。
たまたま自分のスーツケースはこのスペースにジャストフィットしたので列車の揺れによってキャスターが転がったりすることもありませんでしたが、スーツケースのサイズによっては横に倒すなり荷棚に載せるなりいろいろ工夫が必要になると思います。

車窓からはこのように海も眺められます。特に早川〜根府川間のあたりは海岸線が近く、とても綺麗な景色が見られます。

湯河原駅には恐らく廃車を控えている横須賀線のE217系が停車していました。いわゆる“湯河原疎開”ですね。

熱海駅はJR東日本とJR東海の境界駅となっています。

9時54分終点の熱海駅に到着。ここから先はしばらくJR東海区間となります。

熱海駅には伊豆急行線の列車も乗り入れています。元JR東日本209系の「アロハ電車」を初めて生で見ましたが、なかなかに派手ですね(笑)

熱海駅では特急踊り子号の切り離し作業も行われます。前寄り9両が伊豆急行線の伊豆急下田駅、後ろ寄り5両が伊豆箱根鉄道線の修善寺駅へと向かいます。

熱海〜興津間

2本目の列車は熱海駅10時33分発の普通列車島田行き。この列車は6両編成なのですが、進行方向後ろ寄り3両は元セントラルライナーこと313系8000番台が使われています。

313系8000番台は車体の塗装も他の番台とは異なる特別仕様となっています。

東海道線の中でも熱海〜豊橋間は青春18きっぷユーザーの間で長らく難所と呼ばれてきました。その理由の一つとしてこの区間にはロングシートの車両しか来ないという点があったのですが、2022年のダイヤ改正からこの313系8000番台が救世主のごとく静岡地区へと転属してきたのです。

313系8000番台の車内はご覧の通り転換クロスシートとなっています。さらに元セントラルライナーなだけあってシートピッチやドア付近の仕切り、車端部のボックスシートなど他の番台と比べても豪華な仕様になっています。

そして肝心の座り心地ですが、十分快適ではあるものの、一つ前に乗ったのがグリーン車のリクライニングシートだったので、さすがにそれと比べると座っていて疲れる感じはありましたね。

さらになんとここでもスーツケースがジャストフィット。このために作られたんじゃないかと思うくらいピッタリハマり、電車が揺れてもビクともしませんでした。

この区間最大の見どころと言えばなんといっても富士山です。
下り列車(興津・島田方面行き)であれば進行方向右側の座席から見ることができるのですが、うっかり進行方向左側に座ってしまうという凡ミスをしてしまいました。ただ、左側の座席でも富士〜富士川の区間で一瞬ながら見ることはできます。
その一瞬を狙って窓にかじりついていたのですが、富士山は見事に雲に隠れて見えませんでした。まあ結局どっち側に座っても見れなかったので、諦めがついてよかったです(笑)

11時30分興津駅に到着。今回はあえて終点の島田までは乗らずここで一旦下車します。

時間的にもちょうどいいのでここで一旦お昼ご飯。興津駅近くの「かつ平」さんでとんかつ定食(1200円)を食べました。
ヒレカツかと思うくらい脂が凄く乗っていて美味しかったです(脂が苦手な人は少しキツいかも...)。

ちなみにこの店は交通系YouTuberの綿貫渉さんも訪れていました。周りに飲食店があまりないこともあり、興津駅で昼食を食べる際はここがおすすめです。
そもそも今回の行程自体以前綿貫さんが動画で行っていたものを参考にしている部分もあります(笑)

興津〜浜松〜豊橋間

興津駅からは12時24分発の普通列車浜松行きに乗車。こちらも313系8000番台が使われています。
この列車は興津始発となっているため、確実に座るためにここで一旦降りたという訳です。

ただ、お昼ご飯をのんびり食べていたら時間がギリギリになってしまい、なんとか座ることはできたものの、スーツケースをピッタリしまえるドア付近最後部の座席を確保できませんでした。

最前列窓側の席にはミニテーブルが設置されています。

最初は比較的空いていたこともあり上の写真のように2席使っていたのですが、静岡あたりから車内が混雑してきたため、スーツケースは荷棚に上げました。その際に腰をやっちゃいそうになってかなり焦りました...(苦笑)

この区間では茶畑や大井川の風景が眺められます。

2020年に開業した東海道線で最も新しい駅(2023年現在)である御厨駅も通ります。

13時54分浜松駅で到着。ここでは14時2分発の当駅始発普通豊橋行きに対面乗り換えとなります。
豊橋行きの列車には313系1100番台が充当。シートピッチこそ先程の8000番台よりも狭いですが、個人的にはこっちの方が座席が柔らかくて座り心地が良いように感じました。

14時36分豊橋駅に到着。浜松〜豊橋間は30分ほどなのであっという間でしたね。

豊橋駅では乗り換え時間に少し余裕があったため、駅構内を少し散策。名鉄線がJRのホームを間借りしていたり、新幹線では珍しい地上駅を通過するのぞみが見られたりいろいろと見所の多い駅でもあります。

秘境路線として知られる飯田線も豊橋駅発着です。

豊橋〜米原間

豊橋駅からは15時2分発の快速米原行きに乗車。こちらは313系5000番台です。先程の1100番台とは両数が違いますが、それ以外はほとんど一緒です。

車内も1100番台と同様に転換クロスシート。シートピッチが狭いためスーツケースは荷棚の上へ。スーツケースが大きいため荷棚からはみ出しており、落ちないかちょっと心配になりましたが、なんとか大丈夫でした。

この列車は快速なので、当然途中には通過駅があります。品川駅から約7時間ここまでずっと普通列車にしか乗ってこなかったので、駅を通過するのはこれが初めてです。

通過駅の中にはこんな駅も。三河安城といえば東海道新幹線の下りのぞみで名古屋到着前に時刻通り通過することでお馴染みの駅ですが、なんと在来線も普通列車以外は全て通過してしまうのです。

車内は名古屋を過ぎると一気に混み合いました。途中天下分け目の地・関ヶ原などを通り、まもなくJR東海区間は終了となります。
この区間は内陸部を走行することもあり、車窓の見所があまりなかったので、このnoteを書き進めていました。

17時9分、今回の旅で最長の2時間にも及ぶロングランを終えて米原に到着しました。
熱海駅から長らく続いたJR東海区間もついにここで終了。ここから先は本日3社目かつ最後の会社であるJR西日本区間へと突入します。

ちなみに米原駅付近にある鉄道総研には歴代の新幹線試験車が保存されているのですが、今回は乗り換えが慌ただしくてそこまで見る余裕はありませんでした...

米原〜野洲〜大阪間

米原駅では対面乗り換えで17時17分発の新快速播州赤穂行きに乗車。
この列車で大阪まで向かうこともできるのですが、今回は途中の野洲まで乗車します。

車内が混雑していたため、ここではドア付近の補助シートに座りました。米原〜野洲間はわずか25分なので、ここは最悪座れなくてもいいと思っていました。

途中彦根駅を過ぎたあたりで突然車内照明が消えて一瞬驚きました。慌ててスマホのカメラを起動した時にはもう照明は復活していましたが、LCDが消えているのはわかると思います。
調べたところ特にこの付近にデッドセクションがあったりするわけではないようですが、なぜこのような現象が起きたのか、わかる人がいたら教えてください...

17時42分、野洲駅に到着。次の列車まで少し時間があったので、ここでトイレ休憩を挟みました。

野洲駅からは当駅始発の新快速姫路行きに乗車。この列車にはAシートという有料座席指定車両が連結されています。今回はこれに乗るためにわざわざ野洲で乗り継いだというわけです。

新快速を待っていると貨物列車が通過。牽引している機関車が北斗星色のEF510-503号機でした。

そしていよいよこの旅最後の列車である新快速姫路行きが到着。動画から切り出したので画質が若干粗いですが、Aシート車両は車体のラッピングが異なるのがわかると思います。

こちらがAシートのロゴ。Aシート連結車は223系と225系があるのですが、223系が既存の車両を改造したものである一方、225系は完全新造の車両となっているため、窓割りもズレておらずアタリの車両となっています。
今回は見事その225系がやってきました。

デッキ部には大型荷物置き場があり、このようにスーツケースを置いておくことができます。これは非常にありがたい...

座席はリクライニングシートとなっており、背面テーブルもばっちり備えています。今日1日転換クロスシートの車両に乗り続けてきましたが、やはりリクライニングシートの快適さは段違いで、ありがたみを非常に感じました。
ドリンクホルダーはありませんが、テーブル下の網ポケットがかなりの収容力なので、問題ありませんでした。
窓も大きくて、特に上下方向の開放感は凄いです(普通車も同じ上下寸法ではありますが)。

今や有料列車では当たり前の装備となっているコンセントももちろん完備。今回の旅ではここまで一度もコンセントを使えなかったため、こちらも非常にありがたみを感じました。

なお、Aシートの乗車方法はみどりの券売機などで紙の指定席券を発券する方法とe5489から予約しチケットレスで乗車する方法の2種類があります。チケットレスの方が若干値段が安いのですが、青春18きっぷとの併用は不可となっているため、18きっぷを使用する際は必ず紙のきっぷを発券するようにしましょう。

JR西日本区間の東海道本線には愛称が付けられており、京都までは琵琶湖線、そして京都から大阪まではJR京都線となっています。
琵琶湖線区間はわりと空いていましたが、京都駅で一気に座席が埋まりました。特に外国人の多さが印象的でした。

そして18時58分、今回の旅の終着地である大阪駅に到着。品川駅を出てからは11時間弱の長旅となりました。

今回の旅のアンカーとなった列車をお見送り

結果的にロングシートに座ることは一度もなく、品川から大阪まで全てクロスシートの列車に乗ることができました。正直途中で座れなくて立つ場面が来ることも覚悟はしていたのですが、一度だけ新快速の補助シートに座った程度で、立つ場面が全くなかったことは意外でした。

さすがにずっと座りっぱなしでいると若干お尻は痛くなりましたが、途中で乗り継ぎが数回挟まることによって適度に立ったり歩いたりできたので、エコノミークラス症候群などの心配はありませんでした。なによりずっと冷房の効いた列車で移動できるというのはこの暑い夏の時期には本当にありがたかったです。

また、これだけ長い間列車に乗ってきたのにも関わらず、一度も遅延することなく、完璧に行程通りの旅行ができたのは日本の鉄道の安全で時間に正確な運行のおかげだと強く感じ、運転士さんをはじめ鉄道の運行を支える人々への感謝の気持ちが湧きました。

列車を降りると何かを成し遂げたような達成感と、ほんの少しの名残惜しさを感じました。このような感情は新幹線では味わえない特別なものですね。
もちろん新幹線の方が速くて快適なことは間違いないので、今後も基本的には新幹線を使っていきたいですが、たまにはこのように在来線でのんびり行くのも悪くはないなと思いました。

今回はできる限り快適に、無理なくゆとりを持った行程をテーマにしましたが、反対に休憩や乗り継ぎの時間を極限まで削って最速を目指すのも面白いかもしれません。
また、今度は中央線経由で東京~大阪間を移動してみるのもいいと思います。その際はまたnoteも書きたいですね。

もしこのnoteを見て18きっぷの旅をやってみたいと思われた方がいらっしゃいましたら、ぜひ真似してみたり自分なりに更なるアレンジを加えたりして楽しんでください!

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