ママの不在

 先日、妻が出張で家を2日間留守にした。私はもうすぐ2歳になる息子と二人だけでそのあいだ過ごすことになった。

 私たちはいつもより早い時間に夕食を食べ、お風呂に入り、布団に入った。部屋を暗くすると息子はすんなりと寝付き、その寝顔に安堵したのか私も眠ってしまった。

 深夜2時ころ、息子がむくっと起きあがったのに気づき、私は目を覚ました。息子はあたりをきょろきょろしている。ママを探しているのだ。私と息子は目があった。でも違うんだという表情で、息子はきょろきょろし続けた。

 息子はすっと立ち上がり、玄関のほうへ歩いていった。玄関ドアの前にしばらく立ち、それから近くにあったトイレのドアを開けた。トイレが真っ暗なのを見て、そこにもママがいないと言わんばかりに、息子はわあと泣き始めた。

 ママでなくてはいけないのだ。パパではだめなのだ。

 私は息子を抱っこした。泣き止んで眠るまで。

 朝を迎え、いつもより早めに起きた息子はまた夜同様すっと立ち上がり、玄関のほうへ歩いていった。トイレのドアの開ける音が鳴った。でも泣き声は聞こえなかった。

 息子は戻ってくると、笑顔で私のもとに歩み寄り、
「おあよ」
と、最近おぼえた朝のあいさつをしてくれた。

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パウレタ雑文帳

おもいついたことなどをただなんとなく短く綴ります
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