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「魅惑の心理」マガジンvol.93(共感能力の磨き方)

このコロナ禍ではネット上で激しい意見の対立を見る機会が増えました。閉塞感のある今の環境で人々はストレスを抱えて、不安から人を攻撃することが増えているように思えます。相手を攻撃して得られる優越感を代替的な報酬として手に入れているのかもしれません。近年、人の共感能力は低下傾向にあると言われており、この共感能力はこれからも下がり、自分勝手に生きていく人が増えると思われます。

共感能力が低下しているからこそ、私たちは共感能力は必要なのです。人類の脅威が増えていく中で、人が明るい未来を手に入れるにはお互いを思いやり、助け合っていく社会でしか実現しないとポーポーは考えています。また、若い世代を中心に共感能力が低下する一方で、人と繋がりたい、共感したいという欲求の増加も見られます。今回の「魅惑の心理」マガジンは、共感能力の重要性を再確認しつつ、この時代にこそ求められる共感能力の磨き方を考えていきたいと思います。

共感できない人が増えている

以前、書籍作りの過程で3,517人を対象に『人間関係に関するアンケート調査』を実施したことがあります。そこで人間関係でもっとも悩んでいることを聞きました。一番多かった悩みが「うまく相手と関係が築けない」ことで23.6%、次に「相手の考えていることがわからない」という人も21.2%いたのです。当然、相手の考えていることがわからなければ、相手と関係が築けるはずもありませんし、相手との関係を深めることもできません。近年はコロナの影響で人と顔を付き合わす機会が激減しています。すると、より相手がどう考えているかを理解しにくく、理解しないで自分の思ったことを発信・発言する傾向があります。「相手の考えていることがわからない」という人は元から増加傾向にありましたが、今後は「自分が」「自分が」という人がさらに増えていく可能性が高いです。

相手とのコミュニケーションがうまくいかずに、相手のことがよくわからなく、自分も理解してもらえず、人間関係でとても苦しむようになります。このような世界では未来感がありません。


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