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物書きは、水のないプールでジャックと豆の木の夢を見る

私は本を書いて15年、みなさんのお陰で本を書く仕事を続けていられます。15年で22冊、半分以上が増刷になり、10年以上の前の本が先日も17刷の増刷になり、ロングセラーを続けています。たいへんありがたいです。たまに、儲かっていると思われるかもしれませんが、私の程度の作家では全く儲からないのです。何ヶ月かかかって作った本の対価として、印税という報酬をいただきます。その印税はみなさんが思っているほど、そんなにたいしたことはありません。某有名企業の担当者が「いくらもらえるんですか?」と聞かれたので、素直に答えたら、あまりの安さに驚いて失笑されました。そんなものです。ちなみに、単純に時給はいくらなのかと計算してみたら、480〜500円。最低賃金なんて遥か彼方の空遠くです。増刷があれば、これに加算されますが、増刷がない場合は時給はこんな感じです。そして、研究費用や経費がかかりますから、赤字になった本も多くあります。書けば書くほど、苦しくなることもあります。海外で売れているのは救いですが、海外の貨幣価値は1/10以下で、複数の管理会社が入るので、そんななお金にはならないのです。

なんでこんな仕事をしているんでしょうね。仕方ありません、好きでやっているのです。読者の方から「とても面白くて、自分の興味が広がった」なんてお手紙を頂いたら、それはもう書くしかないでしょう。

私はこれでも、出版社から厚遇の条件を出してもらっています。期待してくれる出版社の期待にも応えたいですよね。私が失敗したら、この人のボーナスが下がるのかって思ったら、やっぱり書くしかないですよね。それでもこんな時給なので、基本的に新規の出版依頼はほとんど全て断っている状況です。条件が全く折り合いません。時給がこれ以上、下がるのはちょっと困ります。

今は専業作家は、瞬発力がある一部の作家しか難しいと思います。また、著名の人はほとんどライターにお願いしていますから、私のように全部自分で書いて、イラストを描いて、レイアウトまで作るのは、とてもナンセンスなビジネスモデルと思います。こういう書き方をやめるといいのですが、なかなか難しい。私がこだわっているわけではなく、何度か出版社に一部を誰かに切り離したいとお願いしても、全部できるのがポーポーの味と説得されてしまい、どうもこの形から抜けられません。ただ、救いは書いていてとても楽しくて、読者の皆さんが読んだら、同じようにワクワクしてくれるのではないかと思うことです。幸福感は高い仕事ではあります。

といっても本には夢があり、大きなヒットを狙えることもあります。その話は別に書いているのでもこちらもどうぞ。

いつかまいていた種が実を結び、雲まで伸びるような木に育ったら、色々と挑戦したいことがあります。それまで頑張りたいと思います。新作ももっとサクサク書けるといいのですが、回数を繰り返すごとに書く時間が伸びているような気がします。やっぱり楽しんでもらったり、面白いって感じてもらいたいんですよね。もっと学んでみたいって。

次回作もかなり面白そうな本になりそうなので、どうぞよろしくお願いします。いつも応援してくださり、心から感謝しております。さあ、もっと濃い、わくわくを作りましょう。

いつも応援ありがとうございます。 みなさまからいただいたサポートは研究や調査、そしてコンテンツ開発に活かしていきます。 ミホンザルにはバナナになります。