見出し画像

「魅惑の心理」マガジンvol.118(人から尊敬されない心理術)

人には「認めてもらいたい」という承認欲求がありますが、実はもっと厄介なのが「尊敬されたい」という思いであります。これは人の原始的な欲求の一つであり、尊厳欲求とも言われます。この感覚は正直なくてもいい。いや、むしろ無いほうが良いものなのです。世の中には尊敬されるような立派な生き方をしようと教えてくれる書籍はありますが、尊敬されない方法を教えてくれる書籍はなかなかありません。そこで尊敬されない方法をいち早く習得している私がこの課題を解説したいと思います。私を抜きにこの問題に取り組める人はいないと確信をしています。

実は人は尊敬されるよりも、されないほうがたくさんのメリットがあります。これを知れば誰も尊敬されたいなんて思わなくなるでしょう。そこで今回の「魅惑の心理」マガジンは、人が尊敬されるということが人にとって愚かなことかを解説し、ついつい尊敬されてしまう人、されたいと感じている人に対して、尊敬されない生き方とノウハウを説明していこうと思います。

とても残念なことなのですが、世の中では尊敬されたいと思っている人が多くいます。しかし、それは草原を自由に走り回れる馬が、志願して馬車馬になることのような行為です。必死に自陣を守ろうとしてクリアしようとしたボールが味方のゴールネットを揺らしてしまうかの行為なのです。

確かに私も最初は人から尊敬されたいなんて思った時期がありました。いま考えると、あーなんて愚かなことを求めたものだと思います。私は会社員時代、いや、大学生のバイト時代から誰よりも早く出社して先に準備をして、仕事に向き合ってきました。そんな姿勢だから後輩ができるとすぐに尊敬されてしまいがちです。愚かにも「会社のために私は頑張って働いています」なんて人の顔色を見ながら仕事をしていました。

カフェを運営している会社でスタッフを指導していたときは「お客様がグラスを割ったら、お客様になぜグラス代金を請求しないのですか」なんてマニュアルに書いていない問いをスタッフからされると、「グラスは備品です。いわば消耗品。私たちはグラスを商品として販売しているわけではありません。だからお客様には代金を請求してはいけません。それよりもお客様に怪我がないか先に気にしてください」なんてと答えると、スタッフは目をキラキラして尊敬されてしまいます。しかし、それはとても愚かな行為だったと後で知るのです。なぜ「だよねー」と答えなかったのかは、今でも年に3回ぐらい後悔しています。

偉い人から「何でこんな割れやすいコリンズグラスなんて採用したんだ」と詰め寄られると、もしかして「尊敬されているかもしれない」なんて邪心があると「カッコよかったからです」なんて真実を言えなくなってしまいます。ひたすら言い訳が頭の中でぐるぐると回り気を失いそうになりながら、「た、他店との差別化でしょうか…」など瞬時に頭に湧いた回答を偉いの顔色を見ながら調整して話をしないといけなくなります。私は3回はこれで倒れそうになったことがあります。その苦しみは尊敬されることよりも遥かに苦痛です。尊敬されるなんてことは百害あって1利ぐらいしかないのです。尊敬されたくありません。

また、尊敬されるということは自分を律しないといけないことでもあります。言いたいことが言えなくなり、常に誰かに監視されているような感覚になります。最初はそれも自分の成長のためにと心地よいことがあるのですが、一向に成長しなく、横幅しか成長しない私にはただの苦痛でした。自分のキャパに限界を感じた頃にはその背伸びは非常に自分を苦しめてしまいます。私たちはもっと自由に生きるべきです。

そんな尊敬されたい苦しみを経て、今私は人から尊敬されない苦しみから解放されて自由に生きています。では具体的に、尊敬されないことでどんなメリットが介在するのか、どんなことをしていけば尊敬されないかという、今世紀最大とも言える心理の難題に向き合っていきましょう。

○人から尊敬されないメリット

どれぐらいあるかと数えてみたら、30個はありましたが、限られた紙面の関係があるので、重要だと思うものを10個飛ばして、残りの中からランダムにいくつか紹介いたします。

・心が自由になれる
人から尊敬されないメリットは溢れるほどありますが、そのひとつに心が自由になることでしょう。「尊敬されたい」なんて邪心に満たされていると、自分ではない自分を作り上げて、いつでも緊張していないといけません。それは自由を愛するこの国の国民として辛すぎます。私たちはいつでも心を自由にして、羽を広げて生きていくべきです。

・批判を恐れなくなる
尊敬されている人にとって最大の敵は他者からの非難です。まだ単なる意味のない罵倒なら良いのですが、理屈が合っている批判に対して、私たちは何もするすべがありません。自分が積み上げた「尊敬されたい立場」が崩されることが不安で仕方ありません。ところが最初から尊敬されていなければ、崩れるものがないので、非難だろうが批判だろうがそんなものは怖くありません。そして、そもそも尊敬されなければ、相手から攻撃される機会が格段に減ります。人は優等生を壊したくて仕方ないので、すぐにアラを探します。私のようにアラと裏と贅肉しかない人間のそもそも裏を見ても何も面白くないのです。

・長生きできる
尊敬されたい、尊敬されたものをキープしていかないといけないと感じて生きていくのは、本当に辛くて面倒なことです。言葉一つの返しも良い人であろうとして、汗が溢れて、血圧も高まります。これではストレスにより寿命が縮まります。一方で尊敬などされなくて良いと思えば、自由に何にも縛られませんので、ストレスとは無縁の空間で生きることができて長生きが期待できます。

・人の真似が遠慮なくできる
人の話を真似することは尊敬されない王道です。でも、丸パクリは人として品格がありません。他人への敬意もありません。尊敬されなくても小さく品格や他人への敬意は持っていたいものですから、自分の言葉で、自分の感じたものでアレンジするということが大事です。脳の機能としては他人のものを足したり引いたり誇張したりして自分のものとして昇華していきます。だからどんどん真似をすべきなのです。人から尊敬されたいなんて気持ちがあると、真似は絶対にしてはいけないみたいな神話にとらわれます。たとえ人から軽蔑されても、どんどん真似をして、どんどん自分のものにして、だから尊敬などいらないのです。

・マウントを取る必要がない
尊敬されたい人の心理を見ていると、心の中には「焦り」があります。尊敬され続けなくてはいけないという焦りです。すると不用意にできなさそうな人を捕まえて、マウントを取ります。マウントとは相手にまたがり馬乗りになる行為です。もう、マウントは下から見ると恥ずかしい部分が丸見えです。実は恥ずかしい行為を露呈しているだけなので、そんな恥ずかしいことをしなくて済みます。そんなにマウントを取りたければ、マウント富士に行け!富士山を登れという感じです。ちなみにホテルマウント富士は、富士山を眺める為に高台に建てられたリゾートホテル標高1100Mから望む山中湖と富士山を一望する眺めが魅力です。温泉と美味しい料理、富士の麓でゆっくりと流れる贅沢な時間をお寛ぎくださいませ。謎

・人からの視線に強くなれる
トップの写真にあるシェプの軽蔑の眼差しはなどが怖くなくなります。ドーンとこいです。

○尊敬されない心理術

人は経験を積んだり歳を重ねるとそれだけで尊敬されてしまう傾向があり、とても難解なのですが、ここではポーポーがもっともお金をかけて研究した尊敬されない方法をいくつか紹介したいと思います。


・ひたすらつまらないことを言う
私はツイッターでいつもすべる話をします。面白くない話を面白そうに語ります。私も分別のついた大人なので、何が人にとって面白いかはわかります。にもかかわらずあれだけつまらない話をしているのは、「わざと」なのです。真面目なことをつい言ってしまったら、しまったと思い、すぐに本当につまらない話をむりやり並べて尊敬されないように調整しているのです。いいねの数が少ないなんて嘆くことはありません。いいねをいただけるのはありがたいことですが、いいねの数に縛られていきていくのは本当に辛いのです。いいね一桁のツイートをした私は小さくガッツポーズをしています。

・文章は短く、あっさり
人は長い文章を読むと信頼感を持ってしまうという心理が働きます。だから説明はできるだけ、短く、そしてあっさり、わかりやすく。それが尊敬されない道の一歩です。昔から校長先生と国際オリンピック委員会会長のバッハ氏の話は長いと相場が決まっています。

・適度な誤字を入れる
私は完璧な人間なので、この行為は本当に辛いものの一つですが、たまに、いや頻繁に誤字を入れるようにしています。前後関係から意味が伝わるような誤字を作為的に入れることにより、完璧さを軽減することができます。すると、この人も人間らしいなんて感じてもらえるようになり、親しみが湧いてきて尊敬されにくくなります。先ほどのシェフをシェプにしたのもわざとです。「プロなのに恥ずかしい」なんて思われたら最高です。そうした厳しい人は離れていくので次第に自分の周りが39度ぐらいの長時間入れるお風呂のようになってきます。42度をこすお風呂は尻圧、いや血圧にもよくありません。

・緊張状態でも真面目にことを言わない
ついつい人は真面目な受け答えをしてしまいがちです。これは人の社会性の特性からくるものだと思われます。私は時期が時期だから真面目な話をして点数を稼ごうかと思ったのですが、そういう話は他でもみられますし、下書きまで書いて「これは違うと思い」、あえて不真面目なことを真面目に語ってみようと思い、真面目な話は少し熟成することにしました。読んでくださった皆さんがちょっとホッとして、やっぱりポーポーはアホだったんだと思ってくださると、尊敬されないことを目指している私は自分の立場を全うしたと思います。あー尊敬されたくないです。

ここから先は

0字
心理に関わるトピック、最新心理傾向、SNS心理学など教科書やネットに載っていないような希少な情報、オープンスペースではなかな話ができない業界の裏話もお届けしていくつもりです。

心理に関わるトピック、最新心理傾向、SNS心理学を雑談のような話を軽いお話にしてお届けします。心理学に興味がある人、心理を使って何かに活か…

いつも応援ありがとうございます。 みなさまからいただいたサポートは研究や調査、そしてコンテンツ開発に活かしていきます。 ミホンザルにはバナナになります。