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未来に残したい色ことばセミナー/宝石と土と陶磁器の色ことば(6)

10月21日に実施しましたセミナーのアーカイブです。

煌めく宝石に魅せられる人々、宝石の輝きには人の力を高める何かしらの力を感じてしまいます。当然、そのことばにも力が宿り、私たちたちをひとつ上に上げてくれるようです。そんなパワーが秘められた宝石のことばを土や陶器と共に感じて前に進みます。

未来に残したい色ことばセミナー、今月は「宝石と土と陶磁器」の色に関係することばを紹介し、解説していきます。

色ことばを知ることを通して、品格の向上、自尊感情を高め、そしてそのことばを次の世代に伝えていき、色を敏感に感じて豊かな生活を過ごしていただきたいと思います。

たとえばセミナーで紹介する瑠璃色(るりいろ)/ラピスラズリは、深みのあるさえた青です。瑠璃は仏教の七宝のひとつ。『源氏物語』では「藤原の瑠璃君」という女性が出てきます。瑠璃は貴重なものなので、姫の高貴さを強調している呼び名になります。

英名ではピスラズリのことで、こちらの名前で知っている人も多いでしょう。青い鉱物は希少であり、強い紫みを持つラピスラズリは珍重されました。海を渡って伝わるという意味でウルトラマリンとも呼ばれます。

古代エジブトではアフガニスタンのラピスラズリは、天上やあの世の象徴として重要なものとされていました。キリスト教絵画では聖母マリアの服を描く顔料となり、フェルメールの絵画「真珠の耳飾りの少女」「牛乳を注ぐ女」にも使われています。

赤土(あかつち)は、季節の変化によって木や花が多彩な色を持つのは誰もが感じるものだと思いますが、地面に視線を向けてみると土にも多彩な色があります。赤土は赤い色をした土で、赤く見えるのは土壌の中にある酸化鉄の影響です。35万年前の旧石器時では身体の装飾に赤土を使い、紀元前1万5千年前には赤の顔料で描かれた絵が残っています。世界中に赤土の名所がたくさんがあります。

たとえばアリゾナ州のセドナは観光名所になっており、パワースポットとしても有名です。「赤土色」という色はありませんが、代わりに赤土の色を指す「丹色(にいろ)」があります。丹は赤土の古語で「あか」とも読みます。『万葉集』の高市黒人の歌に「旅にして もの恋しきに 山下(やまもと)の 赤のそほ船 沖を漕ぐ見ゆ」というものがあります。「そほ船(赭船/そおぶね)」は赤土(弁柄)で塗られた船で、魔力を防ぐ効果を期待したり、祭儀等の何らかの用途をもって作られた舟であると推測されています。他にも赤土は「真赭(まそほ)」「真赤土(まはに)」「埴(はに)」「映土(はに)」とも呼ばれました。「埴輪」の「埴」も赤土のことです。

デンマーク王室も愛用する陶器メーカー「ロイヤルコペンハーゲン」、ハンガリーの世界的陶磁メーカー「ヘレンド」、世界のセレブに愛されている「ウェッジウッド」などの陶器についても解説予定。17世紀後半、ヨーロッパに輸出された日本の真っ白で艶やかな磁器はヨーロッパの貴族の間で大ブームになりました。その「白い黄金」についても解説します。


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