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「魅惑の心理」マガジンvol.223(魅力的な顔の科学)

人はよく誤解をする。人が考えていることの意図を読み間違えたり、話している内容を悪く感じとられることもある。「誤解され」のプロフェッショナルである私のレベルになると、内面だけでなく外見まで誤解されている。俳優さんと言われる人と比べても、さほどまつ毛の数とか鼻の形とか顔のパーツは変わらないつもりでも、組み合わせてみるとどうも違う。きっと髪型のせいだと一度、長髪にしたことがあるけれども、誰も目を合わせなくなり、近所の猫も逃げ出すほどだったのです。顔というのはなかなか厄介なのであります。

私は地味に心理の研究をしているので、心理的なアプローチで魅力的な顔というものを考えていきたいと思います。実はこの分野はものすごく多くの先行研究があるジャンルでもあります。今回の「魅惑の心理」マガジンは、魅力的な顔というものを認知心理学の見地から考えていきたいと思います。もし、魅力的な顔に近づけられる簡単に実践できるヒントにもなれば幸いです。。

顔はその人を評価する重要なものです。人と人の区別に使われる判断基準にもなりますし、顔からその人の性格も推測されてしまいます。魅力的な顔は人を惹きつけて、恋愛の入り口になることも多くあります。

社会学者のエレーヌ・ウォルスターは異性の恋人を求めている学生を集めて、ランダムにペアにしました。学生には「コンピュータが最適な相手を導き出した」と伝え、一緒にパーティーに参加してもらう実験をしました。パーティ後、今日の相手とまたデートしたいかという問いをしたところ、相手の性格、知的能力よりも外見的な魅力を優先することが示されました。このように特に初期の恋愛では、外見、顔の要素が強く働くことがわかっています。誰にもわかりやすく競馬で例えるならば、イケメンや美人はスズカサイレンスであり、内面が魅力的な人はブエナビスタなのです。イケメンはスズカサイレンスの派手な逃げ足に目がいきますが、付き合っていく中でその内面の魅力が後ろからすごい脚でゴールに迫るブエナビスタになるのです。わかりやすい例ですね。

さて、人は他者の顔に強い影響を受けているのに、顔のどんなところに魅力を感じているのか、判断しているのかを把握している人はほとんどいません。実は顔を魅力的と感じるのは、鼻とか口とかのパーツの物理的な要素だけでなく、顔との接触時間や、判断する側の要素など複雑で様々な要素があることがわかってきました。

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