見出し画像

「魅惑の心理」マガジンvol.36(宮迫博之さんの謝罪動画に学ぶ謝罪とは?)

2020年1月30日の朝の情報番組で、闇営業から所属事務所を解雇され、活動を自粛していた宮迫博之さんがユーチューブで復帰したというニュースを見ました。動画の再生数は100万を超えて注目度が高い、でもコメントの評価は真っ二つという内容だったと思います。それからしばらくしてユーチューブを見てみますと、イイネが6万強に対して、ダメ?っていうんでしょうか低評価が倍の12万もあり、コメントを見ると真っ二つというより、批判的な内容であふれていました。あーテレビでは宮迫さんが批判で染まっているとは言いにくく、忖度とは言わなくても無難なコメントをしたんだと思いました。

動画をみると、「あーなるほど」というところが多く、ツッコミどころが満載でした。宮迫さんは性格的に気が小さくて、細かいことを気にする人、人の評価を過度に気にする人に感じます。その人がここまで落とされて、相当ショックだったと思います。特別、宮迫さんを攻撃するつもりはありませんが、「謝罪動画」という性質を考えると残念な要素ばかりでした。そこで宮迫さんを批判するのではなく、宮迫さんの動画から「私たちも謝罪にはどう向かったほうが良いのか」が学んでいけたら良いなと思います。自分に置き換えて、変に攻撃されないための心理学的な効果を学びましょう。

○全体設計

まず全体の設計として7分程度の時間は良かった思います。あまり短いと「誠実さがない」と思われますし、長すぎると「気持ちが伝わらない」と言われると思います。この感覚は個人差があるので、正解はありません。自分が謝罪したい気持ちが5分だったとすると少し長めにするほうが心理学的には良いと考えられます。同じ説明だと長いもののほうが信頼度が上がる傾向があります。政治家がダラダラ話をするのは体感的にその効果を知っているからです。

ただ話の盛り上がりを最後に持ってこれなかったのは痛いです。人は初頭効果と親近効果という心理効果があり、初頭効果は最初に受けた印象が残りやすく、親近効果は最後の印象が記憶に残りやすいものです。この差は視覚情報は初頭効果が出やすく、親近効果は文字や言葉で発動しやすい傾向があります。文字でもブロックで切って視覚化すると初頭効果が出やすくなります。この二つの心理効果でいうと、宮迫さんは初頭効果で失敗し、親近効果で良い印象を残せませんでした。では初頭効果の悪いところを解説しましょう。


ここから先は

2,800字

¥ 250

いつも応援ありがとうございます。 みなさまからいただいたサポートは研究や調査、そしてコンテンツ開発に活かしていきます。 ミホンザルにはバナナになります。