見出し画像

「魅惑の心理」マガジンvol.232(怒りを知ると大事なものが見えてくる)

世の中には突然怒って怒鳴り散らして、周りを不快にしていく暴風雨みたいな人がいます。「えっ、なんで」というぐらい些細に思えることが発端だったり、「そんなに爆発しなくてもいいのに」って思うことも少なくありません。また、自分の中に生まれるイライラした感情や怒りの感情に流されて、余計なことことを言って、後で後悔することもあるでしょう。

そもそも、この怒りとは一体なんなのか、そのメカニズムを知ることがポーポーはとても大事だと思っていて、このメカニズム知ると周囲の怒り散らしている人の行動原理がわかり、危険を回避できたり、ダメージを軽減することもできると思います。そして、自分の怒りの奥にある、別の大事な感情にも気付くことができます。今回の「魅惑の心理」はそんな「怒り」のメカニズムと感情について、考えていきたいと思います。

私は小中学生の頃に母親の怒りのポイントに怯えながら生きていました。父が毎日のように会社の同僚とか後輩的な人を家に連れてくる人で、母の親族や友人なども出入りする、そんな家でした。夜中まで騒いでいる家だったのです。幼い頃はそれがいつもだったので、私は人の話し声が聞こえないと寝られないぐらい、普通のことになっていました。

母はよく来客に「挨拶しなさい」と宴会の席に連れていき、私に挨拶をさせるのですが、その時の対応が少しでも悪いと、お客さんが帰った後に、「あの態度は何」と激昂するのです。何に怒っているのか、どんな態度が悪いのか、私にはよくわからなく、ちゃんと挨拶をしているつもりでも、何かが気に入らないと怒っていました。

今日はちゃんと挨拶できたから大丈夫だろうと思っても怒られたり、今日は失敗したかなと思っても怒られなかったり、何しろ基準が見えなくて不安定で、いつもビクビクしていたのを思い出します。結局最後までその基準はわからなかったのですが、怒りが生まれる基準というのはとても不安定で、そのときの気分や感情に左右されるようだと学習しました。

ここから先は

2,273字

¥ 150

いつも応援ありがとうございます。 みなさまからいただいたサポートは研究や調査、そしてコンテンツ開発に活かしていきます。 ミホンザルにはバナナになります。