アカデミー授賞式で、ウィル・スミスがコメディアンのクリス・ロックを平手打ちした話。3月だというのに、まだネットニュースに登場してくる。それだけ注目度が高いということでしょうか。

ウィル・スミスの行為を否定したり賞賛したり、色々な意見があります。クリス・ロックがウィル・スミスの奥様を侮辱して笑いを取ろうとしたことで、ウィル・スミスが怒って壇上に上がったのですが、私は一番最初に見たときに、「あ、ウィル・スミスは奥様と喧嘩しているか、過去に大きな喧嘩していたんだろうな」と思いました。喧嘩ではなくて、 DVやモラハラなどの一方的な攻撃の可能性もあると思いました。

「妻のためと思って」という話になると美談として捉えられがちですが、激昂して行動するその行為が、すでに暴力的資質があり、妻にDV的なことをしていたり、自分でもモラハラをしている（していた）と考えられます。人は後ろめたい感情があるときに、自分と同じことを他人がすると激昂します。また、純粋に「妻を侮辱するな」と激昂していたとしても、それは自分の所有物と捉えている可能性を感じます。妻を所有物として捉えている人も、こうした暴力資質が高くあります。また、普段はしないのに、大きな場所なので、「妻に見て欲しい」という戦略的な行動だったとしても、それは妻の気をひきたい感情があり、気を引かなくてはいけない理由があったのだろうと思われます。つまり、どの感情があったとしても、「ウィル・スミスは奥様と喧嘩しているか、過去に大きな喧嘩していたんだろうな」という推測が立つのです。

個人的には平手打ちをするウィル・スミスも問題ですが、他人が傷つくことで笑いを取るクリス・ロックも最低です。暴力はわかりやすいから、処罰の対象になりますが、言葉の暴力も同じです。ひどく傷つく人も多いのです。ただ、それが見えにくく個人差があるだけです。