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「魅惑の心理」マガジンvol.169(日本人はどんどんネガティブになっている)

大ヒットを記録した映画「ALWAYS 三丁目の夕日」は、昭和33年の東京を舞台とし、貧乏だけど誰もが夢を持つ世界が描かれていました。昭和、平成、令和と時代が流れていく中で、夕日町の住民たちのような大きな夢を持って前向きに生きている人たちは減っていき、次第にネガティブな人が増えていると感じます。日本人はどんどんネガティブになっているようです。
 
SNSでは心を病み、前に進めない人たちの苦しみであふれています。「ネガティブ」「ポジティブ」という言葉で検索をかけても、「ネガティブ」という言葉のほうが多く出てきます。人々は思っていることや感じていることをつい口にしてしまうものです。前向きに進みたいと思っていても、今の社会では不安や心配事がたくさんあります。夢を語れなくなっている人も増えました。ネガティブな思考が蔓延すると、人は挑戦ができなくなります。心が病んで落ち込むとが増えます。ポジティブな状態ならば失敗しても、「よし、また頑張ろう」と心を切り替えることができますが、ネガティブな感情に支配されると、気持ちの切り替えができにくく、いつでも苦しみの中にいることになります。
 
日本人がネガティブになっているという根拠を調べた研究者がいます。心理学者の小塩真司氏は50年以上続く性格検査のデータ(YG性格検査)から、性格パターンの平均値の動向を調べたところ、情緒不安傾向、非内省性が進んでいることがわかり、日本人全体がネガティブ傾向に変化していることを突き止めました。日本人はネガティブ傾向になっているのです。
 
今回の「魅惑の心理」マガジンは、ネガティブ化する日本人にスポット当てて、何で日本人はネガティブになっていったのか、そして、この先、私たちはどう向き合っていけば良いのかをまとめていきたいと思います。

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