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「魅惑の心理」マガジンvol.234(スーパーにおける人間の行動心理/行動経済学)

(2024年4月19日更新)
多くの人が集まり購買行動をするスーパーマーケットは、行動経済学や人間関係の心理を知るとても勉強になる場所です。スーパーにおける先行研究は実にたくさんあります。ポーポーも毎週数日、通って仕事をしながら勉強をさせてもらい、実験的なことをいくつかおこなったり、観察して面白い知見をまとめてきました。今回はその一部をご紹介したいと思います。本業とバランスをとりながら、ヒーヒーいいながらやっています。

色彩研究会の方には、「心理研究者が店員になってみた」という店員になるまでやなってからの日常を描いたコンテンツがあります。今まで4回まとめています。1回目はこちら

今回の目次
・どんなたまごが売れるの?
・組み合わせ商法の変化、認知の注意
・割引の話(感情で経済が動く)
・売価による購買実験(2024年4月19日更新)


・どんなたまごが売れるの?

スーパーにはたまごがたくさんあります。ちなみに「たまご」は卵と玉子という表記がありますが、卵は生物的な視点で孵化して育つたまごを指しますが、玉子は食用のものを指します。鳥のたまごに関しては、生のものを卵と書き、調理したものを玉子と書いたりするややこしい慣習があるので、ひらがな表記で書くものが多いです。

最近、たまごは高いですよね。どれを買うか悩みます。美味しくて安いものを食べたいですが、種類が多くて悩みます。なのでたまごについても近くにいると良く聞かれます。聞かれるものは「色」に関してのものがいくつかあります。茶色いたまごと白いたまごの違い、黄身の赤みの強いものはどれかなどです。たまごの色に関しては書籍「決定版 色彩心理図鑑」でもまとめています。

茶色いたまごと白いたまごの違いは、鳥の羽の違いです。中身は同じで栄養価の成分表示も同じですが、10個パックで茶色のほうが50円高いです。白いたまごのほうが売れていますが、茶色人気もあります。黄身も濃いものを探している人も多くいます。黄身の色は栄養価よりもエサの色の影響です。
これも鮮やかなほうが売れます。「色があるほうが美味しい」「栄養価がある」という人の刷り込みがあり、黄身の色付けがエスカレートする方向性にあり、業界は頭を悩ませている話と聞きます。

また、牛乳もそうなのですが一番安価な商品が売れるのではなく、松竹梅の竹の量を増やすことで、みんな竹の商品を買っていきます。これまた面白い方向です。黄金比のようなものが存在するのも見えてきました。

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