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ドトールも参戦!レンスペビジネス解説

レンタルスペース(通称 レンスペ)とは、スペースを時間単位または日単位で貸し出すハコモノビジネスです。ちなみに、レンタルスペースといっても民泊系、会議スペース、パーティースペース、撮影スペース、催事スペース、施術スペースなど、それぞれに特化し、ビジネスから遊びまで様々なニーズが存在しています。

そんなレンタルスペース事業に今回参戦してきたのが、なんと、コーヒーチェーン大手のドトールさん。

しかし、そもそもコーヒーチェーンがお店の座席を有料で貸し出すなんてニーズがあるのか?ビジネスとして成り立つのか不思議ですよね。

そこで今回、レンタルスペース事業のニーズに起因する下記の事柄を絡めて解説します。

・ワタミ・魚民など居酒屋チェーンの終焉(全盛期2005年頃)
・カラオケ店の終焉(全盛期1996年頃)
・飲みニケーション文化の終了
・接待交際費のあり方
・withコロナ宣言
・日本政策金融公庫の方針変更
・コワーキングの多様化
・Uber Eatsのサービス開始(2016年~)
・ポータルサイト(インスタスペマ)の事業開始(2014年~)

レンタルスペースの主な利用用途に、パーティー需要があります。
普通に考えれば、お金を払ってわざわざ個室を借りて飲食をするなんて、食器を洗ったり後片付も面倒だし合理的ではないですよね。

これは、居酒屋やカラオケチェーン店が激減してしまい、いまや無料で使える個室が減ってしまったという事情があるからです。

また、コロナ以降24時間営業や深夜営業の店舗も減ってしまい、使いたい時に使える店舗が限られていますよね。

次に、レンタルスペースの利用として会議室需要も多くありますが、普通どこの会社でも会議室ぐらいありますよね。

これは、社内チャットツールの進化(Slack、Teams、ChatWork)で即時情報共有がなされ会議の質が変わった事、また、その一方で対面で行う会議の重要性も見直された事や働き方改革(フリーデスクや在宅ワークなど)により人が集まりやすい場所で会議やセミナー等を行うという流れが出来たのだと思います。

ですから、一時大手でも多くあったサテライトオフィス的な賃貸契約をやめて、新しいオフィスのあり方が貸し会議室なのかもしれません。

また、接待交際費の損金不算入というのも、スペース事業に寄与している部分が少なからずあると思います。

つまり社外、社内問わず飲みニケーション文化が無くなり、その代わりにレンタルスペースで簡単な軽食を交えた会議を行えば、場所代と宅配やテイクアウトの飲食代を会議費でさくっと低予算で落とすことが出来るという事情もあります。

これで、コスパ・タイパの良い効率的な会議と親交を図れるというわけですね。

ちなみに、快活クラブでは領収書の屋号変更が選べるという面白い取り組みをしていました。

で、そろそろ表題の件ですが、なんでドトールさんがレンスペビジネスに参入されたのか?うん、まったく分かりません笑

そこで1つの仮説ですが、コーヒーが飲める有料のワークスペースは多数存在しています。それをコーヒーチェーン店が行えば、賃貸収入という新たなキャッシュポイントを作れる可能性が考えられます。

つまり、本格的なコーヒーを提供することで、既存のワークスペースと差別化でき、それらのパイをそっくり奪うことすら出来てしまいます。

なんだかチョコザップ的な収益化戦略ですね笑

また、ドトールさんは複数フロア(1棟など)で出店される事が多いコーヒーチェーン店だという特徴があります。つまり彼らの出店基準(坪単価)を考えたら、店内でレンタルスペース事業を行っても収益化しやすい店舗(つまりサブリースのビジネスが成功しやすい店舗)が多く存在しているのだと思います。

これが一階路面店舗をメインに出店されるスタバさん(スタバさんはテイクアウト売上と、そもそも珈琲以外の売上が多いという特徴)の場合だと、ちょっと難しいのだと思います。

ただし、今回とりあげたドトール船橋駅南口店は1階路面店舗の様です。
ここで長井が考えた公式に当てはめて計算します。

一般的に、リージャスやサーブコープなどシェアオフィス系は、賃貸募集条件の4.5倍程度で転貸しています。
そこでドトール船橋駅南口店の1坪単価が仮に3万円だとした場合、1坪あたり135,000円を超えると転貸ビジネスとして旨味があると言えます。

では早速詳しく計算してみます。
まず各個室の広さを1.4坪(2m×2.5m)とすると、転貸ビジネスとして1部屋あたり189000円+TAXを超えてくる売上が必要です。

次に1日あたりで考えると、
189000÷30日÷1760円(1Hあたりの利用料金)=3.5 
つまり1日3.5時間以上の利用があれば転貸ビジネスとして収益化に成功していると言えるのではないでしょうか。

また一般的な有料ワークスペースと異なり、ドリンク代でも収益化できるというのが、コーヒーチェーン店ならではの強みにもなってきます。

※ポータルサイトの手数料などは考慮してません。



以上、長井の脊髄反射解説でした。

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