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NEUT Magazine編集長 平山潤は、地道な活動にお金を使い続け、人間関係を深める。

お金の付き合い方は人それぞれ。どうやって稼ぐか、何に使うか、どれくらい貯めるか。そこに価値観や生き方が表れるような気がします。そこで、さまざまな人に聞いてみることにしました。「あなたにとってのお金とは?」を。今回話を伺ったのは、「NEUT Magazine(ニュートマガジン)」で編集長を務める平山潤さんです。

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平山潤(ひらやま・じゅん)|1992年神奈川県生まれ。成蹊大学経済学部卒業後、社会派Webマガジン「Be inspired!」の編集に携わり、2016年夏に編集長に。2018年には「Be inspired!」を「NEUT Magazine(ニュートマガジン)」へリニューアルさせ、創刊編集長に。「既存の価値観に縛られずに生きるための選択肢」を発信している。

食事はひとつのコミュニケーション

——平山さんはお金をあまり使わないらしいですね。

使わないわけじゃないんですけど、おしゃれをしたいとか、便利な暮らしをしたいとか、そういうこだわりがあんまりないんですよね。今着ているパーカーも大学生の頃からずっと同じものを買い続けていて、もう何代目かわからないくらい。パンツもALL YOURSの「HIGH KICK」シリーズをずっと履いているんですけど、あんまり難しいことを考えずに長く着られるものを選ぶようにしています。

——住む場所にもあまりこだわらず?

今でも大学生のころから変わらず、同じアパートに5年くらい住んでて、社会人になってからもっと良いところに住もうと考えたこともあったんですけど、なんか別にいいやって(笑)。住む家のスペックをあげなきゃいけない理由もないし、渋谷までチャリで無理なく行けるギリギリの距離だから、そこまで不便でもないし。最近はやっと引っ越しを考えてますが。

——そうしたら、何にいちばんお金を使ってますか?

食事ですね。だからといって、美食家というわけではないんですけど(笑)。

——そうすると何なのでしょう?

僕にとって食事はコミュニケーションなんです。誰かとご飯を食べるときって、相手との関係値やそのときの状況、あとは気分なんかでお店を選ぶじゃないですか。代々木八幡のPathで話した方がいい人もいれば、上野の大統領で話した方がいい人もいるみたいな(笑)。

——この人と食べていちばんおいしいものはなんだろうと考えるわけですね。でも、なぜ食事にお金をかけるように?

服などのブランド品を買っても自分だけしか嬉しくないから。だったら、それと同じくらいのお金を使って人間関係を構築した方がいいんじゃないかって考えていて。それに、おいしい食事を食べながら時間を共有するのって自分だけじゃなくて相手も楽しいことだと思うんです。それで関係性が深まることによって生まれるものもあるし。

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——その気づきって誰かの影響を受けてたりしますか?

父親がもともとシェフで、「おいしいものは安くても高くてもおいしい。だから、おいしいものが人を幸せにする」と口癖のように言っていて、そういった家庭で育ったのが大きいですね。高いお金を払えばおいしい料理が食べられるわけではないってことを小さいながらに学んでいたのかなって思います。

——安くてもおいしいものはたくさんある、と。

もちろん、ときにはおしゃれをして高い料理を食べることがあってもいいと思うんです。でも、そればかりっていうのはコミュニケーションの本質から外れた食の在り方だし、なんだか見栄の張り合いに見えるからクールじゃないなって。それに外見で人をジャッジするような人間にはなりたくないので、どんな場所でも自分の好きな格好をするようにしています。

地道なコミュニケーションを繰り返した末の500人

——平山さんはコミュニティをすごく大切にしていて、そのためにお金を使っている印象があります。

僕としては1対1のコミュニケーションを地道に行っているつもりなんですけど、その数が増えることでコミュニティ感が出ているんだと思います。2018年末にNEUTの創刊を記念して「ニュートボウル」というイベントを笹塚のボウリング場(笹塚ボウル)で開催したんですけど、会場に500人以上集まったんですよ。

——500人はすごいですね。

友だちから「潤の結婚式みたいだね」と言われたのがすごくしっくりきました(笑)。地道に人間関係を構築してきたことがひとつの形になった瞬間に思えて、すごくエモーショナルな気持ちになりましたね。もう結婚式しなくていいやって思ったくらい幸せな時間でしたもん。

——そうやって人間関係の構築を大切にしているのはなぜなんですか?

例えば、まったく接点のないAさんとBさんが、自分を介して仲良くなる瞬間とかあるとすごく幸せなんですよね。二人の人生の分岐点に立ち会えた気がして。それを魅力的に思えるからこそ、編集を仕事にしている気もします。

——というと?

僕自身はゼロから何かをつくれる人間じゃないし、もともとアーティストになりたいわけでもないんですけど、周りには才能のある人がたくさんいる。そういう人たちと一緒にコンセプトをつくったり、人を繋げたりするのが自分のやりたいことだなと思って。それにNEUTをやっていなかったら出会えなかった人たちばかりだし、媒体が成長していくことで自分の人生が豊かになっている感覚があるんです。知らなかったことを勉強できるし、いろんな人の価値観を知ることもできるし。

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——平山さんにとって、NEUTはすごく大切なものなんですね。

そうですね。今はNEUTから生まれるものに対してすごくポジティブな可能性を感じています。でも、こうやって自分がメディアに出ることに対してはあんまりポジティブじゃないんですよね。

——それはなぜでしょう?

編集ってどちらかというと裏方の仕事じゃないですか。それに「潤ってこういう人だよね」っていうバイアスがかかることで、NEUTを偏った印象で読まれるのが嫌で。でも、人が見えるからこそ仕事に繋がる部分もあるし、今は媒体のことを知ってもらう機会を少しでも多くつくりたいので、バランスを考えながら表に出るようにしています。

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——NEUTは紹介する人の選び方にも平山さんらしさが出ていますよね。

人選は大事ですね。NEUTは、社会やアイデンティティに関する問題を同世代とか下の世代の人たちに考えてほしいと思ってつくっていて。だから、影響力のあるカッコいい人たちに協力してもらっています。

——これだけ面白い人によく繋がれるなと思ってます。

いや、まだまだですよ。NEUTのことを知らない人もたくさんいるし、もっと面白い人と繋がっていきたいです。

——とはいえ、どこかの媒体で出ていたからうちでも取材しようという雰囲気じゃないですよね。

そうですね。他媒体に出ていて面白そうだからっていう理由だけで取材はしたくないんですよ。だから、編集部員には「その人と会って話したの?」ってちょっとキレ気味に聞くようにしていて。会ってもないのに良い記事なんて書けないと思ってるから。

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——キレるんですね(笑)。

キレてます(笑)。二次情報だけを集めて発信するのであれば、個人ブログでいいじゃないですか。「何のためにNEUTをやっているのか」は大事にしたいなって。そうしないと読者に対して失礼だから。もちろん予算が潤沢にあるわけではないから取材費にかけられるお金も限られているんですけど、NEUTで取り上げるときには他媒体では読めない記事にしないと意味がないなって。

——NUETだから読める記事にしたい、と。

僕が編集会議に企画を出すときって、すでに相手と会話していて「こんな感じだったらNEUTで取り上げられるな」と思ってるんですね。そういう考えもなく、落ちている情報を集めて企画にしても不毛じゃないですか。机上の空論だし、「そうかもしれないよね」で終わり。そうじゃなくて、自分から会いに行って、話を聞いたことから企画を考えてほしいってことを編集部員に伝えてます。

——今後、NEUTをさらに盛り上げるために考えていることもありますか?

NEUTでは「誰にでも理解できる記事」をつくろうと心がけていますが、社会問題やアイデンティティの問題などニッチな話題が多い媒体なので、もっと多くの人が理解できる切り取り方や言葉使いで編集して、より多くの読者に伝わるものをつくっていきたいですね。かっこいいものをつくれる人はごまんといるかもしれないけれど、かっこいいものをつくれて、しかも広げていける人は少ない気がするので。そういうバランス感覚のある人になれたらいいなと思ってます。

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文・ペイミーくんマガジン編集部 写真・室岡小百合 
撮影協力・BnA studio akihabara

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