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演出家 和田喜夫さん

『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』公開記念企画「あなたのクリエイティブの教科書を教えてください!」クリエイターズインタビュー、第15回目は、演出家の和田喜夫さんです。

1951年山口県下関生まれ。早稲田大学在学中より演出を始め、文学座養成所を経て、1982年から11年間、劇作家・岸田理生との共同作業を続ける。92年オーストラリアのアデレード、パース国際演劇祭で『糸地獄』を上演し絶賛を得る。01年よりオーストラリアやカナダ先住民の劇作家との共同作業を始める。「在日」の演劇人との共同作業も多い。代表作『糸地獄』、『居留地姉妹』『ウィンドミル・ベイビー』等。演劇企画集団楽天団代表。日本演出者協会理事長。


Q.  あなたの『表現の教科書』を教えてください

  A. 表現に関して教わった本は膨大にありますが、演劇に関しては1968年に出版されたピーター・ブルックの『何もない空間』、唐十郎の『特権的肉体論』、1971年のグロトフスキーの『持たざる演劇』が20代の主な教科書でした。

その後、寺山修司の『迷路と死海』や『戦後詩』に多くを学びましたが、この10年近くはカナダ先住民のトムソン・ハイウェイの戯曲『ドライリップスなんてカプスケイシングに追っ払っちまえ』と、オーストラリア先住民の劇作家・演出家のウェズリ-・イノックの戯曲『嘆きの七段階』、在日の劇作家・演出家の鄭義信の戯曲群、金民樹の戯曲『我が家のイヤギ』と舞台が最も刺激的な教科書です。 


Q.  そこからどのようなインスピレーションを得てどのように実践していますか?

A. 演劇で最も重要なことは何か、という原点への問いかけ、また既成の形式に囚われずに演劇で何ができるかという発想の可能性を教わっています。特に先住民演劇からは演劇の親密度の重要性を教わりました。実践としては、低予算でシンプルにできる演劇を試みている途上です。 


Q.  あなたが表現する上で一番大切にしていることを教えてください

A. いつの時代にも、どの場所にも、理不尽な偏見や無視によって哀しみを抱えている人間がいるということ、マイノリティの哀しみを忘れないこと、子どもの頃、遊んでくれ、助けてくれたスラムの仲間を忘れないことです。


次号もお楽しみに!

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