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プラネタリー・バウンダリーズ

今月14日から16日まで朝日新聞が主宰している地球会議に少しだけ参加しました。
というのも、スウェーデン人の科学者、ヨハン・ロックストロームさんが来日されるということで行きました。(いろいろあって、結局は来日できずビデオ電話でしたが)

さて、プラネタリー・バウンダリーズとはなんぞやと思われるかたもいらっしゃると思うので、簡単に説明しますと、
地球の9つの分野において、地球が許容できる範囲を示したものです。その許容範囲を通り越してしまうと、もう元には戻せない(不可逆的)な気候変動などが起こる可能性があります。下図参照(Stockholm Resilience Centerより)

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このプラネタリー・バウンダリーズは相互関係があり、影響し合います。
ちなみに、重要なのはどの時点で許容範囲を超えるかがわからないということ。

これ自体が重要で、SDGsはこのプラネタリーバウンダリーズなしには語れない(次回?)のですが、今回はロックストロームさんの話の中で、面白かったと思ったことをシェアします。

1、海は熱を吸収する役割を担ってくれていた。急な産業化や、経済成長によって地球の温度は上がっていますが、それを抑えていたのが海だった。しかし、その海はもう「効率よく」熱を吸収できなくなってしまった。これまで優しくそして黙って人間が出す負担に耐えてきた海はもはや耐えられなくなってしまっている。

2、これまで、地球の気温はマイナス4度からプラス2度の間で推移している。しかし、現在の推測では2030年までに3度気温が上がるとされ、3度気温が上昇してしまうと、まさにバウンダリーに到達してしまうかもしれない。(以前は6度くらいの上昇であれば大丈夫と言われていたが、科学の進歩とともに1.5度くらいじゃないとダメだねとなった)

3、地球上の氷が溶けてしまうと、海水面の上昇だけでなく、温暖化の原因にもなる。氷の白さは、熱を反射させる効果がある。しかしそれが溶け出すと、その表面に水膜ができる。するとその水膜は熱を吸収し出す。ますます氷が溶けてしまう。この悪循環がある。

4、熱帯雨林はそれ自体に湿り気を保つ気候がある。しかし、森林がなくなってしまうと、その湿り気を保つ機能がしっかり働かなくなるため、想像以上に森林破壊が進む。さらには二酸化炭素の吸収源でもある木々がなくなる。

5、イノベーションは大事、だけれどもイノベーションに頼りすぎてもいけない。

こうやってみると、もう地球は終わりなんじゃないかと思うけれど、しかし人間が住める場所は地球だけなのです!

そこで何が大事か。ロックストローム博士は、

「何かを犠牲にしながら、何か面倒なことをしないと地球は救えないということではなく、楽に、そして何も考えずに地球の保護にコミットできることが大事。そして、そのサクセスストーリーをまずは作ることが大事。」

と言っていました。

環境危機というと何かを変えなければ、何かを犠牲にしなければと思われがちですが、変えることと犠牲にすることはおそらくイコールではなくて、犠牲を払わず、変える道がある。(イノベーション?マインドセット?)
でも同時に忘れてはいけないのはこの危機感を忘れてはいけないし、危機感は感じなければいけないということ。何も考えずにというのは気候変動をということではなく、生活を変える際に煩わしさなくということ。

おそらく、いろいろ考えると、まずは一歩踏み出さなくてはいけなくて、そこには煩わしさみたいなものがあるかもしれないけれど、僕が思うのは、その一歩くらい踏み出しましょうよ。未来のための一歩だと思って。

どうしたら一歩踏み出せるんですかね。。。 
コンビニとか、スーパーで、バーコードとか読む前に、「まず、マイバックお預かりします」とか言ったらどうなるんだろうw。



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