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希望の轍、なんてすごい曲だ

もう3ヶ月近く前の話になったのだけど、サザンが紅白で演奏した「希望の轍」「勝手にシンドバッド」は本当に素晴らしかった。
翌日から「ユーミンとサザンの奇跡の共演!」みたいな感じで世の中を賑わせましたよね。ユーミンのキッス、桑田さんの大人の振る舞い、他の出演者の皆さんの幸せそうな表情、どれを取っても最高でした。
ネガティブなレビューはほとんど聴こえなくて、みんなが絶賛してたってのも、なんか怖くなるけど素敵。数年前のネトウヨ発狂事件もみんな忘れちゃったかな。

ところで、話題になるのは「勝手にシンドバッド」の演奏のことばかりなんですよね。
ちょっと待て、「希望の轍」のイントロが鳴った瞬間の、NHKホールの温度が一瞬で2度くらい上昇したような興奮をみんな忘れちゃいましたか?
テレビで観てたのに、原由子さんがあのイントロを弾き始めた時の会場の熱狂がすごかったのは、十分すぎるほど感じましたよ。
それほどサザンに興味ないだろーって感じのお客さんたちがウワーって盛り上がるのを見るだけで幸せな気分になれる。
いやーよかったね。

そこで今日は、「希望の轍」という曲ののすごさとは何か、について考えてみました。実は今まで色々なところで書いたり話したりしたことではあるのですが、あらためてまとめてみます。
ま、改めて言うまでもない話ばかりなのですけど 、ちょっと書いてみましょう。要約するとこんな感じ。
1)シングルとしてリリースされてない
2)スタジオ盤ではサザンのメンバーはほとんど参加していない
3)歌詞では何も言っていない
4)スタジオ盤はイマイチ。ライブの方が何倍もカッコいい。スタジオ盤のエンディングはかなりダサい。

1)シングルとしてリリースされてない


そもそも「稲村ジェーン」のサントラ、ミゼットで加勢大周が車を走らせるシーンのために作った曲って感じで、映画の1シーンのためのものでしかなく、こんなに多くの人に愛されてライブの定番になるなんて思っていなかったはず。
そのサントラは、ちょっと「スベった」感のある内容だったのを覚えている人も多いと思います。曲の半分以上がスペイン語だったんですよね。これは痛い。今聴いても無理があると。「Ole 愛は花のように」が先に「Southern all stars」で発表されていたのだけれど、流石にタイトルトラックまでスペイン語ってのは、、、難しかった。

私はサザンファンとして、律儀に歌詞カードと睨めっこしながら曲順に聴きましたよー。
でも「ライトなリスナー」は、CDでどんどんスキップしちゃう。
結果、「希望の轍」「忘れられたBIGWAVE」「真夏の果実」「愛して愛して愛しちゃったあのよ」のミニアルバムみたいな感じで聴くことになるから、余計にアップテンポなこの曲が際立ったのでしょうね。

2)スタジオ盤ではサザンのメンバーはほとんど参加していない


映画のために集められたのは、小林武史、小倉博一などの名うてのミュージャン。あくまでもサザンのサウンドではなく、映画のサウンドトラックのための音楽だから、これは仕方ないですよね。
松田弘さんのドラムは、映画で鳴り響くのではなく、ライブ会場でみんなが踊るためにあるのだから。
それにしてもサザンと映画の組み合わせは、かなり相性が悪い。
「モーニングムーンは粗雑に」はもう誰も覚えていない
「稲村ジェーン」は、、、加勢大周も引退するし、評価もボロボロ
「天国で君に逢えたら」は大コケ
「永遠のゼロ」は、サザンファン、関係者、全員が無かったことにしている(と思う)
「ビブリア」も論外
「空飛ぶタイヤ」も、うーん、、、、な映画。。。。。。
そうだ、全部忘れてしまおう、、、

3)歌詞では何も言っていない

これだけ多くの人に広く愛される曲なんだから、さぞかしものすごい歌詞がついている、と思うじゃないですか?
ところが!
希望の轍の歌詞って、画期的とも言えるほどに「何も言っていない」んですよね。

遠く遠く離れゆくエボシライン
Oh my love is you 舞い上がる蜃気楼

主人公が、江ノ島あたりの海岸線をただ車で走っている、というだけの、ほんとうにそれだけの歌詞なんです。
「がんばれ!」「夢を叶えて!」「諦めないで!」「ひとりじゃない!」というJポップの必須ワードなんかクソ食らえなところが最高じゃないですか。
そしてここで大事なことは、聴き終えたあとに残る余韻は、「希望」のよなものであるということです。
なーんにも励まされたり、印象的な言葉をかけてもらったわけでもないのに、なぜか心の中に希望のようなものが芽吹いている気になります。
これがいちばん凄い。
多くの言葉を語り尽くしたりして人を励ます、というのはなんとなくわかる。
でも、なんにも言わないで、同じような気分にさせるって、そりゃすごいですよ。
この曲を思い出すと、「稲村ジェーン」でも登場したヨタヨタのミゼットが走った「轍」が眼の前にあるように思えます。
そして、それはただのオート三輪ではなく、きっと希望だったのではないでしょうか。私達は、その轍を見て、その希望に少しでも近付こうと歩いていくのではないでしょうか。

4)スタジオ盤はイマイチ。ライブの方が何倍もカッコいい。

スタジオ盤のエンディングはかなりダサい。映画のために時間がなかったの?ってくらい洗練されていないですよね。
ライブではとにかく原さんとサポートメンバーの片山さんのツインピアノの迫力に圧倒されます。
波がうねっているような、いや、波というよりもうず潮のような、向こうから台風が来ることを告げている雨雲のような、それを吹き飛ばす風のような、足元をグラグラゆらすような重低音のような、だけど朝日のようなキラキラした輝きのような、、、、、そんなピアノです。わかるかな?
ライブ盤というのが存在しないので、ぜひライブDVDを購入して確認してください。

ライブでは必ず演奏する、人気の曲なのに、なんて不思議な曲なのだろうかと感じてしまいます。
名曲って「説明できない」んですよね。
だから何度もライブにいきたいし、何度でも聴きたいんです。

m(__)m
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ピーハイ

長文を書くのが苦手なのですけれど、グダグダにならないように、がんばって書いてみたいと思います。読み返すと「うわー、こりゃ人に読ませられないわーー」ってなるので、なるべく読み返さないで一筆書き的に書いていきます!
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