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あなたのためという呪縛

ある派遣会社の広告


「愛するために働く」


ポスターに微笑むのは、女子力高という記号のような女性


正社員で働けば残業、責任、多忙でデートの時間もとれないけど、派遣社員なら黙々と心を殺し働きさえすればアフターfiveのデートは思いのまま。。


でしょうね。いいねぇ。


しっかし…


果たしてそんな女性と付き合いたいか?



新橋で酔っぱらうパパさんたち。


仕事はつまらないけどね。

会社の歯車だけどね。

誇りはないけどね。


土日休みで給料はいいからね。

夢を捨てて全ては家族のためですよ!!


はあ。

ありがとさん。

しっかし…


そんな父親に育てられたいか?!


私が恋人だったら

私が子どもだったら

たぶんこう叫ぶ


「好きに生きろやー!!」


「あなたのために」セーブしてる何か

当の「あなた」は決して望んでいない。


愛する人との時間は大切だ。

ただ輝きを失ったひとがどれだけ側にいてくれてもうっとうしいだけだ。


しかし、


「子どものため」


これに勝る魔法の言葉はない

子どものための犠牲

これを否定はできないだろー?!

ガハハ

と笑う魔王がいる。


でも果たしてそうだろうか。


私の父は広告代理店のデザイナーで仕事が大好き。高度成長期ということもあり仕事は多忙を極めていた。


大きなCMを担当した日には3日くらい帰って来ず、玄関先で母の「頭くさいチェック」(お風呂に入れてない=浮気してない)を受けて、「お疲れさま」と迎え入れられその場に倒れこむというシーンを何度も見た。


おかげで運動会、授業参観に来れたことはない。


寂しくなかったかといえば嘘になる。


では「あなたのため」と仕事をセーブし、マイホームパパさんになってほしかったかというと、はっきり言って


「そんなダサイパパさんはいらん」


と思う。


子ども心に、新橋で酔っぱらうサラリーマンのインタビューを見ては


「うちのパパはあのカッコ悪いおじさんたちとは違うな」と思っていたし、その生きざまはしっかり心に刻まれていた。


運動会で一緒に走るよりそのひとが「輝いていきる姿」は何よりのギフトだ。


そこから学ぶことも多い。


転職活動をするとき

「もう80なる母との時間」や

「最近できた彼氏との時間」が欲しいとつい頭をよぎる


一見美しい話である。


余命が僅かかもしれない女性が仕事より愛の時間を選ぶ。


でも果たしてそうだろうか。


たとえばそれをしてケンカして疎遠になったときこう叫ぶのではないか


「あなたとの時間のために○○したのにー!!」と。


「あなたあっての私」ではあなたを本当に愛することはできない。


自分の人生をしっかりと歩むこと。

自分の夢をかなえること。


自分の土台を作り上げたそのうえで

相手との時間は調整すればよい。


「愛するために働く」のではない

「本当の仕事するから愛せる」のだ。


と思う。

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