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デザイナーズベイビーは必要か?

デザイナーズベイビーって知ってますか?
受精卵の段階で遺伝子情報を操作して、望む外見、体力、知力などを持たせた子ども、らしい。

金髪と青い目にするくらいは現在の技術でできるらしく、実際に兄弟の病気の治療で必要な遺伝子を持つ兄弟を生んだ方もいます。

病気の治療などに役立てられるのであれば、喜ばしいことだと思います。

が、果たして、パーフェクトベイビー、って必要なのだろうか。
全員、美しい外見、高い知力、安定した情緒、卓越した運動能力があれば世界は平和なのでしょうか。

自分だったらそういう人間に生まれたいですか。

わたし個人で言えば、そこまでの人間に生まれていたら疲れそうだからいまの私で充分かなあ。って思う。

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まあ、見た目も絶世の美女ではないけど、美女すぎると男性の誘惑や女性のひがみなどいろいろやっかいそうだから、まあ、これぐらいが妥当かな、と思うし、
頭もよすぎないから、やなことはさっさと忘れて、あっけらかんと生きているし
運動能力は低いけど、その分、手を差し伸べてくれるひとのやさしさに触れることができます。

そう凸凹しているところの、凹の部分で人に助けられるし、凸のところ(わたしならおしゃべり能力といったところでしょうか)で人の役に立てているのです。

話は変わるのですが、私は運動能力も筋力もないくせに登山が好きで。

だいたいグループ8人くらいで行くと
3人くらいがハイスペックな運動能力の持ち主、で、3人くらいが普通で2人はどんくさい系で、わたしは見事に2人のどんくさの1人である。

こんな感じの人たちでまあまあ、ハードな山に行きまして、もう開始30分で息切れするのですよ。

でも、根性だけはあると自負しているので死にそうでも必死についていく。

すると体力ハイスペックな人が、息切れに気が付き、声をかけてくれるのです。
「水飲んで無理しないで」「上着、こっちで預かるよ」とか。

ずりずり岩場からずりおちそうな私に手を差し伸べて、「足はここにおいてね」とアドバイスをくれます。

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「おー!!なんといい人なんだ!」
運動神経が悪くて男子にいじめられた過去がある私には天使に見えます。
友情が芽生えます。

そんなこんなでやっと上った山から見る景色は絶景です。
多分、わたしが一番感動している。
写真が上手な友人がその場の写真をぱちりととってくれていたりします。

「わー!きれい!〇〇さんのおかげで登れた!」というと、
ハイスペックさんは「いい景色が見られてよかったね」とほほ笑んでくれます。
よい時間です。

後日、運動神経普通組の人と話したのですが、

実は普通組も結構、その山はハードだったらしく、ハイスペックが私を助けている時間、自分たちは上でちょっと休憩ができていて、すごく助かっていた。
と。おー!単なる足手まといではなく、誰かの役に立てていたみたい。

能力はそれぞれちがうけど、パズルのピースはぱちりとはまり、平和な時間が実現している。

ハイスペックですいすい登れたら、誰にも友情は芽生えないし、感謝もしないし、つまらない登山だったかなあ。と思います。

「障害児は運動会に参加してはいけないのか」
という議論にわたしは
「したいならするべきだ」

と答えているのは私の登山スタイルと似ているからです。
迷惑をかけていると思っているのは本人だけで、相手はそう思っていないし、意外なところで誰かの役にも立っている。

「あの人、ありがたかったな、元気かな」という感情はパーフェクトヒューマンだったら抱けない気持ちなのです。

わたしは青い目でも金髪でもパーフェクトボディでもない、怒りっぽくて、涙もろくて、よく転ぶ、こんな自分でよかったなあ、って思うのです。

みんなはパーフェクトベイビーが生みたいですか?なりたいですか?


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