「まめ夫」イッキ見しました!

 こんにちは。ドラマ9:勉強1くらいの超効率の悪いながら勉強をしているめだまやきです。TVer最高。

 ということで、今回はドラマ回。最近TVerでイッキ見した2021年のドラマ『大豆田とわ子の三人の元夫』について。カルテット好きだし、脚本家さんも同じ、キャストも似てるし、ということでなんとなく観始めたのですが、いいやぁすごい。何というかこう、「過去最高ドラマ!これを超えるものは後にも先にもない!!」っていう感じとはまた違って、とってもいい意味でコンスタントに思い出し続けるであろうドラマでした。見終わったあと1週間くらいは余韻から抜けきれなくて、その後もことあるごとに「ああ、また観たいなぁ」とにまにまするんだろうなぁ、というあの感じ。うまく言葉にはできないですけど、とっても好きなドラマでした。今とっても語りたい気分なので、勢いだけで良かったところや感想を書き連ねようと思います。

 注意!以降の内容はネタバレを含みます。今後『大豆田とわ子と三人の元夫』をご覧になる予定がある方は読まないことを強くおすすめします。言いましたからね。

①キャスト

 主演、松たか子さん。はい最高。先述のドラマ『カルテット』で表情が豊かできれいな年の重ね方をしていらっしゃる女優さんだなぁと気になってはいたのですが、今回のドラマではそのコメディエンヌっぷりが突き抜けていました。松さん演じる大豆田とわ子は3回結婚して3回離婚した、「しろくまハウジング」の美人社長でシングルマザー。盛りだくさんの設定ですが、中身はとてもリアルで「普通の人」です。キッチンの戸棚を急いで開ければパスタが落ちてくるし、ラジオ体操は人とずれてしまうし、網戸が外れたら直せないし。そのあたりのリアリティが現実離れした設定とうまく噛み合って、ドラマの独特な雰囲気を作っているなあと思います。
 そして「三人の元夫」ですが、順番に松田龍平さん、角田晃広さん、岡田将生さん松田さんはやはり『カルテット』を思い出します。松さんもそうですが、同じ俳優さんでも全く違う人物に見えるのだから不思議です。松田さん演じる最初の夫、田中八作はやはり『カルテット』の別府さんとは違う人ですね。演技ってすごいなぁ。そしてこの田中八作、「モテ方が自然現象」なんですね。通称オーガニックなホスト。何もしなくても女性にモテてしまい困っている。しかし彼にはずっと好きな人がいて…と元夫の中では一番深みのあるキャラクターです。無表情なように見える中にも少し目が翳ったり、虚ろになったりするのが魅力的なキャラクターでした。
 2番目の夫の佐藤鹿太郎役、角田晃広さんは、私が愛する東京03の1人です。03はもともと演技派コント師として有名ですが、まさかドラマのこんな重要なポジションに…勝手に感動してしまいました。演技力おばけばかりが集まった中でも遜色ない演技力、そして抜群のコメディセンス、ダメ男っぷり…03のコントでも器の小さい男の役が多いこともあり、妙に説得力がありました。
 そして岡田将生さんは、とわ子が社長を務める会社の顧問弁護士で3番目の夫、中村慎森を演じます。カルテットの家森さんに通じるめんどくささがある役です。「自己紹介っていります?」「お土産っていります?」と何にでも異を唱える割には「好きな人からのお土産なら嬉しい」などと言っていたり、パンダが好きだったりとかわいげのある人物です。好きです。顔の割に走り方が変です。好きです。坂元裕二作品のこういう偏屈な男はやはりどこか魅力的ですね。岡田さんはハマり役だなぁと思います。こういう、顔しか取り柄がない(言い過ぎ)、みたいなダメ男の役が合います。掟上今日子然り、リーガルハイ然り、ゆとりですがなにか然り。

 それと、とわ子の親友、かごめ役の市川実日子さん。アンナチュラルから気になっていた女優さんでしたが、独特な存在感がありますよね。そしてだいたい主人公の隣にいます。すこし低めの声や、どこかエキゾチックな顔立ち、笑い方、全てが素敵です。生まれ変わったら市川実日子になりたいと切実に思います。今回のかごめは、途中で突然死してしまうことも含めてどこかふわふわとした役でした。いるのにいないような、いないのにいるような、そんな彼女の存在と死はこのドラマの大きなテーマの一つであるように思えます。

 そしてめだまやきとして触れずにはいられないのが、八作と一緒に「レストランオペレッタ」を切り盛りしている持田潤平役の長岡亮介。そう、彼です。浮雲です。亮ちゃんです。終始人当たりの良さそうなシェフでしたね。回を追うごとにこなれてくるのが観てて楽しかったです。松田龍平さんとのコンビも最高でした。


②音楽

 このドラマは主題歌のアレンジが毎回変わることで話題になりましたね。あのSTUTSさん(おげんさんでもお馴染みですね)がプロデュースし、松たか子がメインボーカル、三人の元夫がコーラスとラップ、そして毎回違うゲストラッパーが参加します。これが超豪華なんですね。R&B調の曲ですが、松さんのストレートなボーカルが入ることで不思議な響きが生まれ、幅広い世代が触れるドラマ主題歌として成立しています。私はあまりその方面の知識はないので、ただただすごいなぁと思います。そして主題歌をこういう形式にしようと決めたスタッフ陣にも尊敬の意を表したくなります。今後似た主題歌の形式をとるドラマが出てくると、多方面にもっといい影響と化学反応が生まれそうでワクワクします。
 劇伴もいいですね。ドラマの劇伴だとインスト曲が一般的だと思うのですが、このドラマは『All The Same』などの挿入歌がBGM的に使われています。なのに全く演技を邪魔していないのがすごいです。さすが坂東祐大さんだなぁと思いました。


③ディティール

 このドラマは衣装やセットなど、ディティールにもこだわりが見られます。にわか建築好きとしてはやはりとわ子の家がとっても魅力的でした。建築家の家らしく、実用的でありながらデザインがとても美しい。カルテットの軽井沢の別荘にも似ていますが、壁紙が緑色なんですね。調べてみると、この色は人間の皮膚が最も美しく見える色らしいです。また、青緑色とオレンジ色の組み合わせは洗練された色使いとしてハリウッド映画でよく用いられるようなのですが、それを少し落ち着かせたものがとわ子の家の壁紙と木の本棚にも見られます。オフィスも素敵。大きな窓があり、明るく開放感があります。こんな家に住んでこんなオフィスに通えたら幸せだろうなぁ。

 それと衣装!とわ子が毎回おしゃれです。親しみやすい青のストライプから、それどこで買うの?というような大きな花柄の服まで、何でも着こなせてしまうのはさすが女優さんですね。とわ子スタイルブックがあったら即買いします。それにしても44歳(⁉︎)でレモンイエローやピンクがこんなに似合う方がいるんですね…年齢は記号でしかないと…

 重ねて、忘れちゃいけないのがメガネですね。三人の元夫は全員メガネをかけています。メガネフェチとしてはたまらないところですね。三者三様のメガネがとても良く似合っています。八作の逆三角形メガネ。慎森の銀縁丸メガネ。鹿太郎は…ちょっとおしゃれすぎますね笑 03の時の黒縁メガネ(たぶん15年以上変わっていない?)の印象が強いので。そういえば、長岡亮介もオダギリジョーもメガネをかけているシーンがありましたね。素敵でした。


④全体を通して

 このドラマは、恋愛ものなら相手とのゴールイン、ヒーローものなら悪役の成敗、ビジネスものなら大きなプロジェクトの成功など決まった終着点に向けて話が進んでいくものではありません。突然の社長就任、嫌われ役としての苦悩、母とかごめの死、娘の将来、新しい出会い、母の真実から日常のちょっとしたイライラまで、大豆田とわ子を中心とした人々の日常を美しい音楽と映像で綴るものです。ただ、1話完結のエッセイ的なドラマではなく、全体を通した大きなテーマはあります。例えば、身近な人の喪失。新型コロナウイルスの流行により、「死」がより身近になった今だからこそ響くメッセージがあります。「いなくなるのって、消えることじゃないですよ。いないってことがずっと続くことです。いなくなる前よりずっとそばにいるんです。」奇しくも、カルテットで松たか子演じる巻真紀はそう言っていました。かごめを喪って、かごめの親友だったとわ子とかごめのことが好きだった八作は、かごめと共に「三人で生きていく」ことを約束します。先ほどのセリフが蘇って少し泣きそうになりました。


 こんな感じですかね…まだまだ語り足りない部分はありますが、それはおいおい。そして『大豆田とわ子と三人の元夫』の記事なのにかなり『カルテット』の話もしてしまいましたね。これもやはり大好きなドラマなので、あとで書きたいなぁと思います。いつになるかな。
 最後に、ドラマ関連でめだまやき的に大好きなツイートを。


 だそうです。やっぱり飯塚さんかわいい。

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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