東京事変が好きすぎる〈刄田綴色編〉

 こんにちは。春ですね。めだまやきです。そういえばめだまやきは圧倒的醤油派です。一緒にハムも焼き、お皿の上に敷きます。そうすることで半熟卵の黄身も余すことなく味わえます。おすすめです。

 前回の「東京事変が好きすぎる」シリーズ〈椎名林檎編〉、6000字を超える超大作(?)だったのですが、大変嬉しい初めてのコメントをいただきまして…文字通り画面の前で小躍りしました。しかしnoteはコメントに対する返信機能がないようで、感謝を伝えられず…。その気持ちを次の記事に生かそうと、最近のめだまやきとしては異例のスピードで執筆に取り掛かっている次第でございます(取り掛かりの早さが投稿の早さに比例するとは限りません)。

 さて、今回は「東京事変が好きすぎる」シリーズ、〈刄田綴色編〉です。

drums
刄田綴色 ハタトシキ
1976年10月5日生まれ
辰年
島根県出身

幼少よりお神楽、和太鼓に親しむ。中学・高校とブラスバンド部に在籍(Perc担当)。18歳で上京。多くのアマチュアバンドでドラム、パーカッションを掛け持つ。2003年、椎名林檎の実演ツアー「雙六エクスタシー」に参加。翌2004年、椎名らと共に東京事変の活動を開始。
ヒグチアイ Love RADWIMPSなど多くのレコーディング、ライブサポートを務めている。
https://tokyojihen.com/bio/

 今まで東京事変の曲をその作曲者に着目して取り上げてきました。今回は5人目、〈刄田綴色編〉です。といっても悲しい哉、刄田綴色作曲とクレジットされているのはたったの2曲なんですね(2022年3月現在)。ですが、例に漏れずどちらも語りたくなるほど大好きな曲です。それでは参ります。

①ほんとのところ

 2012年の解散前、最後に発売されたミニアルバム『color bars』の最終曲です。最後の最後で初の刄田綴色作詞作曲、かつメインボーカルも刄田綴色(ドラムは椎名林檎!)ということで当時のファンの間では相当ざわついたのではないでしょうか(推測)。
 とてつもない曲なので、まずは聴いてください。(公式Youtubeの音源がないので、Spotify等で聴けない方は申し訳ありません)

 再生後、私が事変にハマってから初めてこの曲を聴いた時も、衝撃でしばらく動けなかった記憶があります。

 サビのフレーズが頭を離れなくて、何度も聴きました。落ち着いて聴くと、バラバラに見えていた「狸が死んだら」「烏が死んだら」「うちの猫が鷹に喰われたんだ」といった一見「怖い」歌詞が連なって見えてくると思います。この曲で歌われているのは、死と表裏一体の「生」についてだと私は思います。動物たちの死ばかり歌っているのに、死よりも生きていることをより強く実感する曲です。そういえば、『生きる』も椎名林檎の絶唱が印象的でしたが、この『ほんとのところ』の刄田綴色も負けず劣らずの絶唱っぷりです。命を削るような歌声は「生」というテーマを浮き彫りにするんですかね。めもめも。

 歌詞を読んでいろいろ気になった方のために。オフィシャルインタビューを読むと、「鷹に喰われた」猫は刄田さんの猫ではなく、泊まった旅館の方の話によるものだということです。刄田さんの飼い猫として本人のYoutubeチャンネルにも多数動画が上がっている「雲井さん」は鷹に喰われていません。安心してください。また、タヌキやカラスは家の近くで亡骸を見つけたという体験談によるものだそうです。都内にもいるんですねえ。

鯉!

②猫の手は借りて


 2020年、再生後最初に発表されたミニアルバム『ニュース』の中の一曲。『cokor bars』も『ニュース』も、5人のメンバーが1人ずつ(作詞)作曲を担当したアルバムなので、こういったコンセプトのアルバムでしか刄田綴色作曲は発表されていないということになりますね…ファンとしてはもう少し聴きたいところです。
 この曲は『ほんとのところ』とは異なり、椎名林檎が作詞とボーカルを担当しています。それもあって『ほんとのところ』とはかなり印象の違う曲になっていますが、どこかプリミティブな匂いのする美しい旋律はやはり健在です。ゆったりとした8分の6拍子にのって、人間の所業を冷めたような、でもどこか温かい猫のまなこで見つめているような歌詞も魅力です。猫好きの椎名さんらしい歌詞でファンとしてはにこにこしてしまうのですが、少し前の椎名林檎だったら考えられない歌詞かもなあと思います。以前テレビ番組で仰っていたように、年齢に応じて書けることが増えたからかもしれませんし、刄田さんの曲が引き出した歌詞なのかもしれません。どちらにしてもファンとしては嬉しいことこの上ありません。
 『ニュース』の曲は5曲中3曲がイントロなしです。サブスク全盛の今、イントロがなく冒頭からボーカルの訴求力のある曲の方が好まれますが、東京事変も例外ではないのでしょうか。この曲もほとんどイントロはなく、ギターのパワーコードが一発短く鳴ったあとすぐにボーカルが始まります。最初の方の歌詞、「4分刻みのアラーム直ぐに消しては寝る人間の所業」って私のことですか?私のことですね??いろんな意味で刺さります。この曲はゆったりとした曲調でありながらもサウンドはところどころ歪ませていて、旋律と歌詞と歪みの組み合わせが特徴的です。特にベースソロ、この曲でもこんなに歪ませる!?ってくらい歪ませてて個人的に大好物です。これでバランスが取れるのはさすが師匠。
 曲は大まかにはAABA構成で、一曲を通して曲調はあまり変化しません。しかし、それが却ってどこか安心できるような気分にさせます。今日も世界は平和ではないけれど、猫さえいれば貴方と私の間くらいは平和。勝ち負けばかりに拘っていても仕方がない。そう思わせてくれる曲です(その次の曲はあの物騒な『永遠の不在証明』ですが笑)。

 今回は以上となります。刄田さんの曲は歌メロがシンプルながらも美しいですね。あと猫。猫。それと鯉!……何度も言いますがもっと聴きたいです刄田さんの曲。2曲とも本当に大好きな曲ですし、事変の可能性をかなり広げられるコンポーザーだと思っています。次のアルバムに期待ですね。というか次のアルバムが出ること自体危うい気がs、、何でもありません。信じ続ける者が救われることを信じるしかないです、こればかりは。

 次回は「東京事変が好きすぎる〈共作編〉」の予定です。また前回のような大長編になりそうなので、気長に書いていくつもりです。まだまだこのシリーズは終われそうにないですね。だってまだファン落涙確実のあの曲も、OTK人気が高い🍎×🐢共作のあの曲も、椎名林檎的バースデーソングも取り上げられてないですもの。次回以降もまたよろしくお願いします。

 本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

※記事内でメンバー名は敬称略とさせていただいたことをご了承ください。

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