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秋の大杉谷

 10月の最終週、日本三代渓谷のひとつ、大杉谷を歩いてきました。大杉谷は大台ヶ原を源頭とする宮川が削り取った一大渓谷。2004年9月の台風21号がもたらした豪雨で登山道が崩壊し、永きにわたってその核心部である七ツ釜滝から堂倉滝までの登山道が閉鎖されていました。
 その後、地元関係者の尽力により2014年4月に全面復旧し、現在は三重県側の大杉谷登山口から奈良県側の大台ヶ原へ至る全長14キロ、標高差1400mのルートが、4月下旬から11月下旬までオープンしています。

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(上:シシ淵 左の岩のシルエットが獅子のように見える)

 今回は三重県側の入口である大台町に前泊、標高280mの大杉谷登山口から奈良県側の入山口である大台ヶ原駐車場へ、登りコースで歩いてきました。途中、標高480mにある桃の木山の家で一泊。二泊三日の行程です。
 登山口までは、週末には予約制のバスが運行しています。最寄りの三瀬谷駅から車で1時間半もかかるので、平日登山なら前泊してタクシーを使うか、宿の送迎に頼るしかアプローチの方法がありません。地元の自然を生かしたアウトドアツーリズムを展開している「ヴェルデ大台ツーリズム」に相談して、宿泊と登山口までの送迎をお願いしました。
 初日は登山口を遅くとも11時までに出発すれば、明るいうちに桃の木山の家に到着できます。首都圏からなら、名古屋まで新幹線、その後JRの紀伊勝浦行きの特急を利用すれば、ギリギリ間に合う時間ではありますが(三瀬谷駅09:47着 駅からタクシーで登山口へ90分)、前半の見どころである「シシ淵」でゆっくり過ごすことを考えれば、やはり前泊が正解でしょう。
 入山二日目は、大台ヶ原の下山バス15:30発に間に合うように標高差1200mを登らなければなりません。かなりの急登部分もあり、体力勝負となります。最高点日出ヶ岳の標高は1695m。12時に到着すれば、大台ヶ原巡りを楽しんでから下山できます。中でも「大蛇嵓」はぜひ訪れて見たいスポットです。日程に余裕があれば大杉谷から尾根に上がった場所にある粟谷小屋でもう一泊することも可能です。

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